「家の解体工事のお祓いって必要?」「お祓いは自分でできる?」と疑問に思っている方は多いのではないでしょうか。結論から言うと、お祓いの方法は施主に委ねられており、自分でお祓いしようという判断も可能です。
とはいえ、お祓いについてわからないことが多くて、何からはじめれば良いのかわからない方も多いでしょう。
そのためこの記事では、解体専門業者である株式会社上池解体興業が、お祓いの種類や必要性、自分で行うメリット・デメリットを紹介します。お祓いの流れや費用相場、自分でお祓いするときの注意点も紹介するので、参考にしてみてください。
家の解体時のお祓いは自分でできる?
結論から言うと、家の解体時のお祓いは自分でもできます。
しかしそれは、あくまでも簡易的な方法です。お祓いは神道などの宗教的な教えを学んだ神主や僧侶によって行われます。それに伴い、専用の道具なども必要です。そのため、自分たちだけで完璧に行うのは現実的ではないでしょう。
自分で行う方法
自分でお祓いをする方法は、ご自身やご家族が求める程度によって異なります。
こだわりがなければ塩を撒いて済ませることも可能。
一方で道具を購入あるいはレンタルして、できる限り慣習通りに行うこともできます。
ただし、宗教的な教えを学んだわけではないので、あくまでもカタチだけやっておきたいという方向けです。「気」や「魂」などへの関心、神道などへの信仰心のある方は、「これで良いのか」とかえって不安になってしまうおそれがあります。
自身やご家族が納得できることが一番ですので、よく話し合い、行いましょう。
ではここからは、自分でお祓いをするメリットやデメリットについて解説していきます。
家の解体時に自分でお祓いするメリット
家の解体時のお祓いは、必ずしも形式通りに行う必要はありません。
「簡易的な方法でも良いから済ませておきたい」という方向けに、自分でお祓いをする2つのメリットを紹介します。
家系や地域の伝統に合った方法でできる
自分でのお祓いは、好きな方法で進められます。伝統的な慣習がある家系や地域では、一般的なお祓いとは違う道具や儀式が必要になることがあります。その場合、神主に依頼しても希望通りに進めてもらえないかもしれません。伝統的なお祓い方法などがわかっている場合は、家族や親戚、地域の方と相談して行うのも良いでしょう。
とはいえ、その地域の神主なら伝統的な方法を知っている可能性が高いです。こだわりのある方や指定のお祓い方法がある方は、一度解体業者に相談してみると良いです。
費用を削減できる
自分でお祓いをすれば、神主への依頼費用などを節約できます。解体工事の前後では、いくつかのお祓いがあります。それぞれ数万円程度の費用がかかるため、自分で済ませれば合計10万円以上の節約が可能でしょう。
また、神主とのスケジュール調整も必要ありません。簡易的な方法でも良いから予算とスケジュールに合わせて済ませたいという方は、自分でお祓いするのも一つの手ですね。
家の解体時に自分でお祓いする4つのデメリット
家の解体時の自分でのお祓いは、デメリットも多いです。
デメリットを知らずに自分でお祓いしようとすると、かえってお金や時間がかかることもあるため注意しましょう。ここからは自分でお祓いをする4つのデメリットを紹介します。
- ・手間がかかる
- ・宗教的な教えへの理解が必要
- ・かえって割高になることがある
- ・きちんとお祓いできたか気になる
1.手間がかかる
自分でのお祓いは、とにかく手間がかかります。特に、お祓いに使用する道具やお酒、お米などの準備が大変です。寺社でのお清めが必要な道具もあり、自分でお祓いする場合にも神主への相談が必要になることがあります。
また、お祓いをするための祭壇の設置にも手間がかかります。
笹竹を立てたり、神棚を設置したりするのは1人では難しく、人手も必要。
そもそも解体工事は、施工会社との打ち合わせや役所への申請など多くの手間がかかります。これに加えてお祓いの手間も増えると、仕事や家事に影響するおそれが考えられるでしょう。
2.宗教的な教えへの理解が必要
きちんとしたお祓いをするためには、宗教的な教えへの理解が必要です。
宗教や慣習では、禁忌とされていることがあります。
たとえば年に4回ある「土用」は、土を動かすことが「凶」とされており、この期間の着工を避ける地域や業者もあります。お祓いは基本的に着工付近に行うため、知らずに行ってしまうと「凶」を招くことになるかもしれません。
3.かえって割高になることがある
自分でのお祓いは、必ずしも安くなるとは限りません。神棚のレンタル費用やお供え物の用意などを含めると、割高になることもあります。また、途中まで自分で準備して、結局神主に依頼することになると、無駄な出費になってしまいます。
費用を削減するために自分でお祓いしようと考えている方は、まずは寺社や業者に相談して費用を把握しましょう。そのうえで、自分で行う方法やそれに伴うコストを確認し、判断するのが賢明です。
4.きちんとお祓いできたか気になる
簡易的なお祓いは、後悔してしまう可能性があります。「きちんとできたかな」と気になったまま過ごしていると、事故や病気などがあった際に「あのとききちんとお祓いしていれば…」と思ってしまうかもしれません。
解体工事前後にお祓いをするかどうかは、施主の判断に委ねられています。しかし、安心した暮らしのためにお祓いしておきたいと考える方が身内に1人でもいるのであれば、寺社に任せて正式に執り行うのがおすすめだといえるでしょう。
家の解体時に行う5つのお祓い
では、お祓いにはどんなものがあるのでしょうか?
家の解体工事前後のお祓いは、宗派や地域によってさまざまです。親戚や地域の方、神主などと相談して、どのお祓いをするのか検討しましょう。ここからは全国的に広く行われている5つのお祓いを紹介します。
- 1.解体清祓
- 2.井戸埋立清祓
- 3.魂抜き
- 4.地鎮祭
- 5.お性根入れ
1.解体清祓
「解体清祓(かいたいきよはらい)」とは、これまで安全に暮らしてきた家と見守ってくれた神様に感謝をする儀式です。
神道にもとづいたお祓いで、家の守り神である「屋船豊受姫神(やふねとようけひめのかみ)」と「屋船久久遅神(やふねくくのちのかみ)」に感謝を伝える目的があります。
解体清祓は以下の流れで進み、30~60分程度で終了します。
- 1.修祓(しゅばつ)
- 2.降神(こうしん)
- 3.献饌(けんせん)
- 4.祝詞奏上(のりとそうじょう)
- 5.清祓い
- 6.取毀(とりこぼち)
- 7.玉串奉奠(たまぐしほうてん)
- 8.撤饌(てっせん)
- 9.昇神(しょうしん)
- 10.直会(なおらい)
費用は約50,000円が相場ですが、参加者の食事や菓子折りなどを用意する場合は追加で費用が必要です。
また、祭壇の準備を別業者に依頼する場合や神主が遠方から来る場合は、合計10万円以上になることもあるでしょう。
2. 井戸埋立清祓
井戸を解体するときには、「井戸埋立清祓(いどうめたてきよはらい)」を行います。井戸埋立清祓は、井戸の神(水の神)などに対して、これまでの水の恵みへの感謝や埋める理由を伝える儀式です。埋立を理由にその後の土地を祟ることなく、元の御座に戻ってもらうという目的があります。
井戸の埋立前の儀式には「魂抜き」と「息抜き」があります。
魂抜きとは井戸の神様への感謝を伝える儀式です。
一方で息抜きは、「神様が外に出られるように」という願いが込められていると言われているものの、「ガスや湿気を逃がす」という目的もあると言われています。お祓いというよりも施工の色が強く、施工会社が工程の一つとして行うことが多いです。
井戸埋立清祓は20,000~30,000円が相場で、解体清祓とまとめて行うケースもあります。
3.魂抜き
井戸埋立清祓で行われる「魂抜き」は、仏壇や神棚を取り壊すときなどにも行われます。魂抜きはもともと、ご本尊やお墓などに入った魂を抜くために行われていました。しかし、仏壇にもご先祖が宿っていると考える方が多いという背景などがあり、仏壇の廃棄・移動の際にも行われるようになりました。
仏壇の魂抜きの相場は、20,000~30,000円です。仏壇に飾られていた掛け軸や遺影、人形も一緒に魂抜きをする場合は、追加で費用がかかります。
4.地鎮祭
地鎮祭(じちんさい)とは、土地を守る神様に土地を利用する許可をもらい、工事の安全や新しい家での繁栄を祈願するお祓いです。
これまでの暮らしに感謝する解体清祓に対し、地鎮祭は今後の暮らしのために行われます。
厳密には異なるお祓いではあるものの、お供え物や形式は似ています。
- 1.修祓(しゅばつ)
- 2.降神のこうしん)
- 3.献饌(けんせん)
- 4.祝詞奏上(のりとそうじょう)
- 5.四方祓い(しほうはらい)
- 6.鍬入(くわいれ)
- 7.玉串奉奠(たまぐしほうてん)
- 8.撤饌(てっせん)
- 9.昇神(しょうしん)
- 10.神酒拝戴(しんしゅはいたい)
- 11.神官退下
- 12.直会(なおらい)
地鎮祭の相場は20,000~30,000円で、30~60分ほどで終わります。工事の安全祈願という意味合いが強いことから、施工会社が手配・費用負担するケースもあるため、あらかじめ確認しておきましょう。
5.お性根入れ
建て替え・引っ越し後には、魂抜きをした仏壇や神棚に魂を入れる「お性根入れ(おしょうこんいれ)」を行います。
「開眼法要」「魂入れ」とも呼ばれ、儀式を済ませることで仏壇が礼拝の対象となります。
基本的に、魂抜きとお性根入れはセットです。必ずしも同じ神主・僧侶に任せる必要はないものの、まとめて依頼しておくと手間を省けるでしょう。また、待ち運べるものであれば、寺社に持ち込んでお祓いしてもらえることもあります。
家の解体に伴うお祓いのマナーや費用
家の解体工事といえば何度も経験するものではなく、もちろんお祓いも初めてという方が多いでしょう。
初めてのことをするときは、マナーなど不安に感じることも多いですよね。
そのためここからは、解体工事に伴うお祓いで疑問に感じやすいポイントを解決していきます。
まずは親戚・業者・寺社に相談
お祓いの方法は、施主の宗教観や価値観に委ねられます。ご自身でお祓いをするかどうかの判断が難しい場合や方法を決めかねている場合は、親戚・寺社・施工会社に相談しましょう。
伝統的な方法がある場合は、近所の寺社に相談しても対応してもらえないことがあります。そのためまずは家族や親戚に相談し、伝統的な方法やお世話になっている寺社があるかどうか確認しておくとスムーズです。また、寺社に連絡する際には、お祓いの種類・日時・費用・自分で用意するものなどを確認しておきましょう。
解体清祓や地鎮祭は、着工日に合わせて行われます。そのため解体業者との相談も欠かせません。解体業者は、解体に伴うお祓いにも慣れているはずです。「お祓いをしたいけど何からはじめれば良いのかわからない」という方は、施工会社に相談してみましょう。
当日の服装やマナー
お祓いは普段着で参加できます。とはいえ、派手すぎる服やサンダルなどは避けるのが賢明です。きちんとした心持ちで参加したいという方は、フォーマルな服装で参加するのも良いでしょう。
身内で行うものなので、その他にも堅苦しいマナーやルールもありません。儀式中の流れは神主や僧侶が教えてくれるので、当日は緊張せずに臨めるでしょう。
お祓いの費用相場
神主や僧侶に支払う金額の相場は以下の通りです。
- ・解体清祓 50,000円
- ・井戸埋立清祓 20,000~30,000円
- ・魂抜き 20,000~30,000円
- ・地鎮祭 50,000円
- ・お性根入れ 20,000~30,000円
具体的な費用は、寺社や施工会社によって異なり、まとめて依頼する場合は安くなることもあります。謝礼とは別にお供え物の準備費用や参加者の食事代などがかかることがあるため、20,000~30,000円ほど多めに見積もっておくと安心です。
家の解体時のお祓いは業者に任せるのが一般的
家の解体時のお祓いは多岐にわたり、それぞれ道具や形式が異なります。
伝統的な方法や特別なこだわりがない場合は、寺社や施工会社に任せるのがおすすめです。
道具の準備やお祓いの進行、ご祈祷などもすべて行ってくれるため、施主にはほとんど手間がかかりません。また、正式な方法でお祓いをしたという安心感も得られるでしょう。
お祓いはしなくても良い
解体工事前後のお祓いは、必ずやるべきものではありません。
施主や家族に信仰心がない場合は、やらないと決断するケースも多いです。
一方で、家族や親戚のなかにお祓いをしないと不安な方がいれば、正式な方法で行うのがおすすめです。
自分でお祓いする場合
自分でお祓いをする費用は、方法や規模によって大きく変動します。
伝統的な方法などが決まっていない方は、先に予算を決めてから方法を決めていくとスムーズです。
その際には、宗派・地域の禁忌を破って「凶」を招かないように気をつけましょう。
まとめ
結論としては、解体工事前後のお祓いは神主や僧侶に任せるのがおすすめです。
塩を撒くなどの簡易的な方法でも済ませられるものの、「お祓い」という宗教行為を正しく進めるのは難しいでしょう。また、自己流で行うことで禁忌を破ってしまうこともあります。そのため、お祓いをしたいと考えている方は寺社や施工会社に相談しましょう。
東京都目黒区の株式会社上池解体興業(BOCCOS/ボッコス)では、お祓いをしたいという意思を尊重し、サポートしております。お祓いをはじめ、解体工事でわからないことがあれば何でもご相談ください。お見積もりは無料です。解体工事をご検討の方は、お気軽にお問い合わせください。