空き家の解体を検討しているものの、費用面での負担が大きく二の足を踏んでいるという方も多いのではないでしょうか?そんな時は、補助金制度を利用することで費用を大幅に削減できる可能性があります。
「空き家の解体に補助金は出るの?」「補助金を受け取るにはどうすれば良いの?」今回はこのような疑問をお持ちの方に向けて、解体工事のプロである「株式会社上池解体興業」が、空き家の解体に出る補助金の種類や申請条件などについて詳しく解説していきます。
本記事を最後まで読むことによって、補助金制度への理解が深まり安心して空き家を解体することが可能になります。実際に申請する際の注意点や、補助金以外で解体費用を抑える方法もご紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。
空き家の解体に補助金は出るの?
空き家の解体は、所定の申請をすることで自治体から補助金を受け取ることが可能です。国としては補助金を出して解体を促すことにより、空き家の放置による下記のようなリスクを未然に防ぐという目的があります。
空き家の放置によるリスク
- 不法投棄
- 犯罪の温床化
- 害虫・害獣の発生
- 放火
- 建物の倒壊など
国土交通省が発足した「空き家再生等推進事業」では、空き家を解体し新たな土地の活用に充てることで地域の活性化を促進するという狙いもあります。
なお、補助金は国から分配された金額を地方自治体が再分配することによって決定するので、各自治体ごとに支給条件や金額などに違いがあると留意しておきましょう。
空き家の解体に出る補助金の種類3つ
空き家の解体に出る補助金は、主に以下の3種類になります。
- 都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金
- 老朽危険家屋解体撤去補助金
- 建て替え建設費補助金
それぞれの条件や内容について、1つずつ詳しく見ていきましょう。
1.都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金
1つ目は、都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金です。これは管理されていない空き家を放置することによる、景観面での悪影響を防ぐという名目で支給される補助金になります。
都市景観形成地域において補助金が支給される場合、解体工事後も「景観形成基準」を満たす土地の活用が求められます。金額としては、解体費用の5分の1から2分の1程度が支給されるケースが多いです。
2.老朽危険家屋解体撤去補助金
2つ目は、老朽危険家屋解体撤去補助金です。老朽化や破損が酷く放置しておくと倒壊のリスクがある家屋の解体を促すための補助金で、近隣住民の不安解消や地震などの災害時に二次災害を防ぐ目的で支給されます。
補助金を受ける条件として、耐震診断や自治体の認定を受ける必要があります。金額としては、解体費用の5分の1から2分の1程度が支給されるケースが多いです。
3.建て替え建設費補助金
3つ目は、建て替え建設費補助金です。老朽化した家屋を取り壊した後、国が定める基準を満たす住宅を建築することを条件に解体費用や建設費用の一部が補助されます。
支給を受ける条件としては、耐火建築物または準耐火建築物であることなどが定められていますが、詳細は各自治体によって異なるため公式ホームページなどにてご確認ください。金額は解体費用の2分の1から3分の2程度が支給されるケースが多いです。
空き家解体の補助金|相場金額はいくら?
空き家解体の補助金の金額や割合は、自治体によってさまざまです。一概に相場を算出することはできませんが、一般的には解体にかかった費用のうち3分の1から2分の1程度、金額にして30万から100万円前後を負担してくれます。
以下では、一部自治体における補助金の事例をご紹介します。
自治体 | 補助金の名称 | 補助範囲 | 上限金額 |
北海道小樽市 | 特定空き家等住宅除去費助成 | 解体費用の1/3まで | 30万円 |
東京都大田区 | 木造住宅除却工事助成 | 解体費用の2/3まで | 75万円(区内中小企業者が工事をする場合) |
神奈川県横浜市 | 建築物不燃化推進事業補助 | 解体費用の3/4まで | 150万円 |
京都府京都市 | 老朽木造建築物除去事業 | 解体費用の2/3まで | 60万円 |
福岡県北九州市 | 老朽空き家等除却促進事業 | 解体費用の1/3まで | 50万円 |
自治体ごとに内容が異なるのはもちろんのこと、時期によっても変更される可能性があるので補助金の正確な割合や金額は申請前に公式窓口に問い合わせるようにしてください。
空き家の解体で補助金を受け取る条件とは?
空き家の解体で補助金を受け取る条件としては、主に以下のものが挙げられます。
- 申請者が空き家の所有者である
- 対象の市町村内の物件である
- 築年数が40年以上の物件である
- 倒壊など二次被害の危険性がある
- 所得条件に合致している
- 各種税金を滞納していない
条件の詳細は補助金の種類によっても異なるので、あくまでも一例としてご参考ください。
申請者が空き家の所有者である
補助金に関する手続きでは、基本的に申請者が空き家の所有者である必要があります。仮に代理人委任を受けた代理人が申請の手続きをする場合、申請者からの委任状が必要になるなど制限が設けられているケースが多いです。
また、所有者が個人であることも条件の一つに含まれます。補助金の種類にもよりますが多くの場合、法人ではなく個人が対象となると留意しておきましょう。
対象の市町村内の物件である
申請先の条件として、対象の市町村内の物件であることが挙げられます。申請先には数多くの自治体が存在するため何を参照するべきか混乱してしまいそうになりますが、対象区域外では申請自体が受理されないので注意が必要です。
また、自治体ごとに申請条件も異なるので、解体する物件及び申請先の要項等は慎重に確認するようにしましょう。
築年数が40年以上の物件である
築年数が40年以上の物件であることも基準の一つとなります。1981年に建築基準法が改正され、耐震規定が厳しくなりました。そのため約40年以上前(1981年以前)の建物の場合、「旧耐震建物」として補助金の対象になるケースが多いです。
ただし、40年以上前とはあくまでも一つの目安なので、解体する建物の耐震基準は事前にきちんと確認するようにしましょう。
倒壊など二次被害の危険性がある
倒壊など二次被害の危険性があるかどうかも判断基準の一つです。破損個所が少ない家屋や比較的新しい家屋の場合、基準に満たないとされて補助金の対象から外れてしまうケースがあります。
二次被害の危険性があるかどうかの基準は、国土交通省の定めるガイドラインをもとに自治体独自に設けられたものとなります。
所得条件に合致している
所得条件に合致しているかどうかも重要です。空き家解体の補助金制度とは、金銭的な理由から空き家の解体が困難な人のために作られた制度なので、「解体費用に困らない」「十分な所得がある」といった場合は自分で補填する必要があります。
所得制限の基準も自治体ごとに設けられているので、各自治体のホームページなどをご確認ください。
各種税金を滞納していない
各種税金を滞納していないことも条件の一つとなります。申請時に固定資産税や都市計画税の滞納が確認された場合、要件に満たないと判断されて補助金が支給されない可能性があります。
補助金とは国家の税金の一部を個人の解体費用に充当するものなので、納税の義務を果たしていない場合は受けられないということをあらかじめご留意ください。
空き家の解体で補助金を受ける際の4つの注意点
空き家の解体で補助金を受ける際の注意点は、以下の4つになります。
- 自治体ごとに条件や申請方法が異なる
- 申請は工事の着手前に行う
- 申請~審査には時間がかかる
- 補助金の受け取りは工事完了後
申請時に不備がないように、注意点をしっかりと把握した上で手続きを進めるようにしましょう。
1.自治体ごとに条件や申請方法が異なる
1つ目は、自治体ごとに条件や申請方法が異なることです。空き家解体の補助金自体は国土交通省による「空き家再生等推進事業」が前提となっていますが、補助金の基準や金額、支給の決定権は各自治体にあります。
すべての自治体で空き家解体の補助金制度が実施されているわけではないので、心配な場合は行政に問い合わせてみることをおすすめします。特に予算を超過する申請があった場合、年度の初めに応募を締め切ってしまうケースもあるので余裕を持った申請を心がけるようにしましょう。
2.申請は工事の着手前に行う
2つ目は、申請は工事の着手前に行うことです。工事が着工した後に補助金を申請しようとしても、手続きが通らない場合があります。
本来もらえるはずだった補助金が手にできないということにもなりかねないので、解体工事が決まった時点でまずは補助金の申請を行うようにしましょう。
3.申請~審査には時間がかかる
3つ目は、申請~審査には時間がかかることです。補助金を申請してから審査が完了するまでには、かなりの時間がかかります。
解体する家屋の倒壊の危険性などを確認する作業には、一般的に申請から1ヶ月ほど時間が必要です。そのため、空き家の解体を行う際には、早い段階での申請を心がけるようにしましょう。
4.補助金の受け取りは工事完了後
4つ目は、補助金の受け取りは工事完了後になることです。工事が完了した後、工事にかかった費用の領収書や解体証明書などを行政側に提出して初めて補助金を受け取ることが可能になります。
初期費用に補助金を充当することはできないので、一時的に解体費用を全額負担する必要がある点には注意が必要です。
空き家の解体費用を補助金以外で安くする方法
空き家の解体費用を補助金以外で安くする方法としては、以下のものが挙げられます。
- 不用品の処分などは自分で行う
- 複数の解体業者から見積もりを取る
- 優良な解体業者に直接依頼する
補助金に頼らずとも解体費用を抑えることは可能なので、少しでも費用を抑えたい方は実践されてみることをおすすめします。
不用品の処分などは自分で行う
不用品の処分などは自分で行うようにしましょう。解体時に出た不用品を自分でゴミ処理場に持っていくなどして処分した場合、業者に回収を依頼するよりも安く済ませることが可能です。
解体業者に不用品の処分まで依頼する方が便利ではありますが、少しでも費用を抑えたいという場合は有効な手段となります。
複数の解体業者から見積もりを取る
複数の解体業者から見積もりを取ることも重要です。複数の解体業者から見積もりを取ることによって、費用相場の確認や値下げ交渉時の材料の確保ができるといったメリットがあります。
見積もり自体は無料で行っている業者がほとんどなので、余裕がある場合はできるだけ多くの業者に依頼されることをおすすめします。
優良な解体業者に直接依頼する
優良な解体業者に直接依頼することも有効です。仲介業者を介さずに解体業者に直接依頼することで、余計な仲介手数料などのマージンを抜かれずに済むといった利点があります。
また、直接依頼することによって金額交渉がしやすくなるので、費用面での負担を軽減したい場合はなるべく直接依頼をするようにしましょう。
まとめ
今回は、空き家解体の補助金の種類や申請条件などについて解説しました。空き家の解体は補助金制度を活用することによって費用を安く抑えることが可能ですが、申請要項は自治体ごとに異なるため事前に該当地域の条件をきちんと確認することが大切になります。
加えて、解体費用を安く抑えるためには、解体業者への直接依頼がおすすめです。東京都目黒区の「株式会社上池解体興業(BOCCOS/ボッコス)」では、解体工事をフルサポートしております。東京都内を中心とした関東地域において、「木造住宅・ビル・アパート」などの解体工事を承っており、難しい解体工事の実績も豊富です。
また、当社では丁寧なヒアリング・サービスの提供を心掛けておりますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。補助金制度に関しても、申請サポートなど各自治体の条件にあわせた施工方法の提案や書類作成のお手伝いなども可能です。お見積もりは無料ですので、当社ホームページ上の「電話やメール」からお気軽にお問い合わせください。