家屋解体工事の前には「電気や水道」などのライフラインを止める手続きが必要です。
解体工事が初めての方のなかには「どこへ電気停止をお願いするの?」「いつのタイミングで停止すれば良い?」と、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、家屋解体に必要な電気・水道停止手続きの流れを解体工事のプロである「株式会社上池解体興業」がわかりやすく解説!電気を停止し忘れたことで起こる重大なトラブル事例、手続きの注意点についても紹介します。
家屋解体前には電気の停止手続きが必要
家の解体前には、必ず電気の供給を停止する必要があります。
また電気停止の手続きは、業者ではなく「施主」がしなければならない点に注意です。
解体前に電気が停止されていない場合には、感電事故等の大きな事故が発生し施主側の責任が問われるケースもあります。解体工事をスムーズに進めるためだけでなく、事故を起こさないためにも必要な手続きといえます。
電気停止のタイミングはいつ?手続きの流れ4STEP
解体工事を安全に進めるうえで、電気の停止手続きを解体工事前に済ませる必要があります。
こちらでは「電気停止までの手続きの流れ」について、以下の4ステップにわけて順番に紹介します。
- 1.解体工事のスケジュールを決める
- 2.電力会社に電力の停止を依頼
- 3.電気設備の撤去立ち合い
- 4.家の解体工事開始
解体工事が滞りなく進められるように、今のうちに確認しておきましょう。
1.解体工事のスケジュールを決める
まず初めに、家の解体工事におけるスケジュールを決めましょう。
業者と契約を結び解体工事の開始予定日が確定できると、電気停止手続きの予定も立てることができます。
撤去の内容や依頼する時期によっては「1ヵ月以上かかる」場合もあるため、解体工事のスケジュールには余裕を持たせておくと安心です。
2.電力会社に電力の停止を依頼
解体工事のスケジュールが決まれば、次は解体する家で契約中の「電力会社」へ電力の停止を依頼しましょう。電力会社のカスタマーサービスに電話で連絡する際には、以下の内容を伝えるとスムーズに依頼できます。
- ・撤去する家の住所
- ・契約者の氏名
- ・連絡者の氏名と電話番号
- ・撤去希望日と時間帯(午前・午後)
- ・電力メーター番号
「電力メーター番号」は、「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」または「電気料金請求書」に記載がありますので、事前に用意しておくと良いでしょう。
また電気の契約がない空き家でも、解体する際には「電気メーターやアンペアブレーカー」などの電気設備の撤去依頼が必要です。空き家の場合には電力会社ではなく、各エリアの「一般送配電事業者」に停止連絡をする点に注意してください。
3.電気設備の撤去立ち合い
電力の停止依頼をすれば完了ではありません。
電気の撤去日に合わせて「立ち合い」が必要になるケースがあります。
例えば「オートロック付きの建物」の場合には、電気メーターの場所まで業者が入れないため立ち合いが必要です。当日になってから慌てないためにも、電力会社へ連絡をする際に「立ち合いが必要か」どうかも聞いておくと良いでしょう。
また電気設備の撤去作業では、「電気メーター」や「アンペアブレーカー」、電柱から軒下に取り付けられている「引き込み線」が撤去されます。
4.家の解体工事開始
電気設備の撤去が完了すれば、いよいよ解体工事の開始です。
ただし「電話やインターネット、ガス」など、ほかのライフラインにおいても工事開始前に各業者へ停止依頼をしなければなりません。なお水道は「工事用水」として解体中に使用されるため、停止しないように注意してください。
家屋解体中の電気代・撤去費用は?
家屋解体中の電気代や撤去費用は、誰が支払い、どのくらいかかるのでしょうか。
こちらでは「家屋解体中の電気代と撤去費用」について紹介します。
業者との支払いトラブルで揉めないためにも、今のうちに確認してみてください。
電気設備の撤去は無料
「電気メーター・アンペアブレーカー・引き込み線」撤去は、基本的に「無料」で実施してもらえます。
なお「電話回線・ガス」などのライフラインも、「無料」で停止してもらえます。
一方で「浄化槽・便槽」の清掃作業や、光ファイバーケーブルの撤去は「有料」となる場合があるので、各業者に確認しましょう。
家屋解体中の電気代は施主負担
家屋解体工事中には業者が仮設電気設備を用意し、必要な電力をまかないます。
そして、仮設電気の使用量は「施主」が負担します。
しかし仮設設備の電気代は、あらかじめ「共通仮設費」として解体工事費用に含まれるケースが一般的です。
ただし業者のなかには、見積もりを安く見せるために電気代を計上していない場合もありますので、工事中の電気代については直接業者に確認しておくと安心です。
家の解体における電気停止手続きの注意点
解体工事にともなう電力停止は、引っ越しのときとは異なります。
初めての電気停止手続きで、戸惑っている方も多いのではないでしょうか。
こちらでは「家の解体における電気停止手続きの注意点」について、紹介します。
1.停止連絡時には解体工事する旨を伝える
引っ越し、電力会社切り替え、などによる通常の電気停止依頼では、「電気の停止作業」のみです。
一方で解体工事では引き込み線などの「撤去作業」が必要となるため、電力会社へ停止依頼をする際には「解体工事のため」といった旨を伝えましょう。なお停止手続きは電話連絡が一般的ですので、契約中の電気会社のホームページから電話番号を確認してください。
2.解体開始に合わせて手続きを進める
電気停止手続きが遅れた場合には、解体工期が大幅に遅れてしまう可能性もあります。
そのため、解体開始に合わせて停止手続きを進めましょう。
電気停止手続きのタイミングは、解体工事日から「約2週間~1ヵ月前」が理想的です。
例えば「11月14日」に解体工事を開始したい場合には、最低でも「11月1日」までには電気停止の手続きをする必要があります。同時並行でほかのライフラインの手続きも行う必要があるため、早めに手続きを進めると良いでしょう。
家屋解体の電気トラブル事例と施主の責任とは?
家の解体工事中にはさまざまな電気事故や、解体業者との電気関連のトラブルが発生します。こちらでは「家屋解体の電気トラブル事例」について、以下の5つを紹介します。
- 1.感電事故
- 2.高圧設備の損傷
- 3.電話線の切断事故
- 4.垂れ下がった電線による転倒事故
- 5.電気代請求トラブル
解体工事で通行人や近隣住民など第三者へ損害を与えた場合には、民法709条に基づいて「解体業者」が責任を負うことになります。ただし「悪天候での作業を強制」等の無理な注文があったと認められると、民法716条に基づいて「施主」が損害賠償を支払う義務が生じるケースも。
事故が起きてしまってから「知らなかった」では済まされませんので、撤去していなかった電気設備が原因で大きなトラブルを生まないためにも確認してみてください。
1.感電事故
感電事故は、解体工事中に発生する電気関連の事故としてもっとも多い事例です。具体的には以下の感電事故が報告されています。
- ・作業員が高圧設備に接近し感電してしまった
- ・作業員が鉄製のワイヤーカッターを素手で持って配線を切断した際に感電
- ・解体工事のための仮設足場を組み立てていた作業員が、足場用の鋼管を高圧線に接触させたため感電し負傷
- ・作業員が銅製の材料を両手に持って横移動させた際に、高圧ケーブルに材料を接触させてしまい感電
- ・クレーンが配電線に接触し、作業員が感電死
感電により作業員が負傷・死亡事故へ発展するケースも多く、撤去していなかった電気設備が原因となる場合には施主側に損害賠償が請求される事例もあります。
2.高圧設備の損傷
解体工事中に、作業員が高圧設備を損傷させた事例も少なくありません。
例えば「中国電気保安協会の報告」によると、クレーン作業や掘削にて高圧設備を損傷させた事例もあるようです。
高圧設備の損傷は、作業員自身の感電事故となるだけでなく、大規模な停電へとつながる可能性があります。
3.電話線の切断事故
解体工事中における電話線や光ファイバーケーブルの切断事故事例が、相次いで報告されています。
具体的には、以下のような切断事故例が挙げられます。
- ・地中に埋まっていた電話線に対して、解体業者が気付かずに重機で切断してしまう
- ・ダンプトラックが掘削残土を残土置場へ運搬し戻る際、荷台を上げたまま走行し、出入口上部にある通信ケーブルを2本切断
- ・バックホーを駐機し旋回した際に、電線と接触し一部を切断
- ・クレーンで資材片付け作業中、作業打合せ時とは反対方向に旋回し送電線に接触。周辺地域の1,623 戸を57分間停電させた
- ・バックホーが架空線の下を通過した際、電話線と光ケーブルを切断した。近傍の学校において電話が不通となり、仮復旧までに6時間要した
電線の切断事故は、近隣地域への長時間の停電といった大規模な被害に及ぶ場合があります。
電話線やケーブルを撤去しなかった施主側の責任が問われる可能性もあるため、注意してください。
4.垂れ下がった電線による転倒事故
垂れ下がった電話線や光ファイバーケーブルに通行人が引っ掛かり、転倒事故になってしまったケースも報告されています。
家屋へ引き込まれている電線は、解体工事によって家屋がなくなると下の方に垂れ下がってしまいます。「電線を撤去しなかったこと」が根本的な原因となり転倒事故が発生するため、撤去する責任を怠ったとして施主が損害賠償を請求される可能性もあります。
転倒事故を起こさないためにも、解体工事前には必ず電線の撤去依頼を済ませておきましょう。
5.電気代請求トラブル
解体工事中の電気代は「誰がどのくらい払うか」明確な規定がないため、電気代請求トラブルに発展する場合があります。例えば、「どちらが電気代を支払うかで揉める」「解体工事後に高額な電気代を請求される」といったトラブルが挙げられます。
前述したように、工事中の電気代は基本的に施主負担です。
業者のなかには、施主負担を利用し「追加費用」として高額請求をしてくる可能性もあります。
電気代トラブルを避けるためには、見積もり書をもとに解体業者としっかり話し合いをすることが大切です。
家の解体工事で電気に関する悩みがあるなら解体業者にまずは相談
家の解体工事を進めるうえで、電気に関する悩みがあるならまずは「解体業者」に相談すると良いでしょう。
もちろん、リフォーム会社や工務店など、さまざまな業者で解体工事の依頼や電気関連の相談が可能です。とはいえ、解体専門でない会社は撤去作業の不備に気づかず、無駄な事故が起きてしまう可能性があります。また建て替えの際に工務店に解体を依頼してしまうと、下請けの解体業者とコミュニケーションを取る機会がなく、電気代請求トラブルが発生する可能性も。
だからこそ、高度な解体技術と知識を持つ「解体業者」に直接依頼するのがおすすめです。
まとめ
家屋解体前には、依頼主である「施主」が電力の停止を電力会社へ依頼しなければなりません。
電気設備のほかにも、「都市ガス・プロパンガス・電話線・光ファイバーケーブル」など各種ライフラインの停止手続きをする必要があります。一方で「水道」は解体工事中に業者が使用するため、間違って停止手続きをしないように注意してください。
なお電力の停止は連絡したその日のうちに実施されるのではなく、「2週間~1ヵ月」かかる場合もあるため、解体スケジュールや立ち合い可能日を考慮して早めに連絡すると良いでしょう。
また気になる費用ですが、電気設備の撤去は無料で対応してもらえます。同じく「ガス・電話線」も無料ですが、「浄化槽・光ファイバーケーブル」は基本的に有料ですので注意してください。
電気関連のトラブルを防ぐためにも、「建設業者やリフォーム会社」などに依頼するのではなく、解体のプロである「解体業者」がおすすめです。
東京都目黒区の株式会社上池解体興業(BOCCOS/ボッコス)では、解体工事をフルサポートしております。東京都内を中心に関東地域において木造家屋の解体工事を承っており、難しい解体工事の実績も豊富です。また当社では丁寧なヒアリングを心掛けておりますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。お見積もりは無料ですので、当社のWebサイトや電話番号からお気軽にお問い合わせください。