家の解体費用には、ローンや補助金を利用することができます。
解体用にローンを検討している方のなかには、「実家の解体費用に使えるローンには何があるの?」「ローン以外にも空き家の撤去費用を節約できる方法はある?」と、疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、家屋解体費用に活用できるローンや補助金、使う時の注意点について紹介します。解体工事のプロである「株式会社上池解体興業」が初めての方にもわかりやすく責任を持ってご説明しますので、参考にしてみてください。
家の解体費用はローンで支払い可能
家の解体費用はローンを利用することで、金融機関からの融資金により支払いが可能です。解体費用向けに提供されているローンには、以下の3つが挙げられます。
- 1.新築建設向けの住宅ローン
- 2.使用用途が限定されていないローン
- 3.空き家解体専用のローン
例えば、古い家を解体し新築を建てる予定の方は「住宅ローン」、空き家の処分費用をすぐ準備するのが難しい方は「空き家解体ローン」といったように、目的にあわせて契約するローンを選ぶことができます。
家屋解体費用に活用できる4つのローン
家の解体費用は約100〜200万円とまとまったお金が必要となるため、ローンを検討する方も多いでしょう。
こちらでは「家の解体費用に活用できるローンの種類」について、以下の4つを紹介します。
- ・プロパーローン
- ・フリーローン
- ・住宅ローン
- ・空き家ローン
それぞれの特徴やメリットなどを解説しますので、ご自身の利用目的を踏まえて確認してみてください。
なお紹介するローンは2022年現在時点での情報ですので、利用する前には必ず公式サイトにて確認してください。
プロパーローン
「プロパーローン」とは金融機関が独自に提供するローンのことで、基本的には資金用途が限定されていません。
無担保でかつ保証会社の審査や保証を介さず、金融機関独自の審査基準により資金の貸し出しを決定します。
担保や保証人が不要な分、審査基準がほかのローンと比較して厳しく、また審査期間が長くなるデメリットがあります。
以下の表にて、2つのプロパーローンをまとめましたので、参考としてご覧ください。
ローン名 | 提供 | 概要 | 融資金額 | 融資期間 |
ろうきん無担保 ローン「ライフエール」 |
近畿ろうきん | 生活資金から幅広い用途の資金を融資 | 最高1,000万円 | 最長10年 |
かぎん住宅ローン (プロパーコース) |
鹿児島銀行 | 家屋の新築、増建築、およびそれに付随する費用を融資 | 100万円以上2億円以内 | 3年以上40年以内 |
最近では、鹿児島銀行のように住宅ローンとプロパーローンを組み合わせたサービスも増えてきています。
融資目的が解体工事のみで保証人を立てたくない場合には、プロパー型の住宅ローンも一つの選択肢としておすすめです。
フリーローン
「フリーローン」とは、旅行資金や引っ越しの敷金・礼金など多目的な資金用途が認められるローンのことです。ただし、事業性資金以外の目的のみ利用可能です。
以下のように、地方銀行やネット銀行などさまざまな金融機関にて取り扱いがあります。
ローン名 | 提供 | 概要 | 融資金額 | 融資期間 |
フリーローン「チェンジフリー」 | ぐんまみらい信用組合 | 事業性資金を除いて、あらゆる資金使途に融資可能
また専業主婦の方も貸付可 |
10万円以上800万円以下
ただし専業主婦の方は50万円以下 |
6ヵ月以上10年以内 |
フリーローン | 埼玉りそな銀行 | 結婚資金や家電購入費、急な出費にまで、あらゆる資金使途に融資可能
ただし事業性資金は利用不可 |
10万円以上500万円以下 | 1~10年 |
常陽フリーローン | 常陽銀行 | 引っ越し費用やエクステリア等の工事資金まで、あらゆる資金使途に融資可能
ただし事業性資金は除く |
10万円以上500万円以下 | 6ヵ月以上10年以内 |
上記のように、フリーローンのなかには比較的少額から借り入れ可能な商品も多く、比較的気軽に利用できるメリットがあります。住宅ローンの審査に通らなかった場合には、フリーローンを検討してみると良いでしょう。
住宅ローン
「住宅ローン」とは、建て替えにともなう解体工事資金に限り、融資が実行される土地・住宅取得専用のローンです。
また住宅ローンの金利は「1~2%前後」と比較的低く、返済の負担が少ないメリットがあります。
ローン名 | 提供 | 概要 | 融資金額 | 融資期間 |
JA住宅ローン | JAあつぎ | 住宅の新築・購入・増改築に付随して発生する諸費用
建て替え時の残債も含めることが可能 |
10,000万円まで | 3年以上40年以内 |
しんきん住宅ローン | 千葉信用金庫 | 土地や建物取得(建て替えを含む)資金・新築中古取得資金・マンション取得資金などを融資 | 50万円以上8,000万円以下 | 1年以上35年以内 |
無担保住宅ローン | 東京ベイ信用金庫 | 建て替え資金・リフォーム資金・新築資金などを融資 | 1万円以上1,500万円以内 | 3か月以上20年以内 |
なお住宅ローンの融資が開始されるのは、「新築住宅が完成したタイミング」が一般的です。
そのため解体直後の支払いには基本的に間に合わないため、解体費用はご自身の現金で支払いを行う必要があります。
空き家ローン
最近では放置された空き家の解体を促進するために、政府先導で各銀行から「空き家解体専用のローン」が提供されています。
ローン名 | 提供 | 概要 | 融資金額 | 融資期間 |
空き家解体ローン | 神奈川県 JAバンク | 空き家解体資金、および空き家解体にかかる諸費用 | 500万円以内 | 1年以上10年以内 |
ちばぎん空き家対策支援ローン | ちばぎん | 空き家解体資金、および空き家リフォーム費用 | 500万円以内 | 最長10年 |
空き家活用ローン | 武蔵野銀行 | 空き家解体資金・空き家の改築資金・空き家の防犯上の設備対策資金 | 10万円以上500万円以下 | 6ヵ月以上10年以下 |
上記のように、空き家解体への融資を目的としているため、単に取り壊す場合にも審査に通りやすいメリットがあります。ただし各金融機関において、空き家の条件が異なるため注意してください。
【ローンと併用可能】家の解体費用は補助金や助成金で節約できる
家の解体費用には、各自治体から提供される「解体工事用の補助金や助成金」も活用できます。
また空き家に特化した補助金についてもいくつか例を挙げていますので、空き家解体の費用捻出にお困りの方は確認してみてください。
家の解体に活用できる補助金や助成金
家の解体には、各自治体から提供される「補助金や助成金」を活用することができます。
補助金名 | 提供自治体 | 概要 | 補助金額 |
不燃化特区支援制度 | 東京都(品川区) | 木造家屋等の老朽建築物の解体除却費用を助成 | 上限1,400万円 |
建替え工事助成制度 | 埼玉県(さいたま市) | 戸建て住居を解体除去し、新たに戸建て住宅に建て替える費用を助成 | ・建て替え工事費用の23%に相当する額
・上限60万円 |
家の解体に活用できる補助金は、主に老朽化が認められる場合や新築の建て替えを前提とする場合など、適用条件が限定されているものが大半です。そのため比較的新しい家の解体や耐震性に問題がない場合には、補助金を利用するのが難しいため注意してください。
空き家解体に特化した補助金
全国的に空き家の放置が問題となっている背景を受け、各自治体から「空き家解体に特化した補助金」が提供されています。
補助金名 | 提供自治体 | 概要 | 補助金額 |
未耐震空き家除却支援補助金 | 東京都(八王子市) | 相続により取得した空き家の解体除却費用を助成 | ・解体工事費の3分の2以内
・最大100万円 |
老朽空き家解体工事補助金 | 神奈川県(厚木市) | 市内の老朽化した戸建て住宅の解体除却費用を助成 | ・解体工事費の2分の1
・最大50万円 |
空き家に関する補助金制度 | 埼玉県(越谷市) | 空き家の活用もしくは解体除去をする方を助成 | ・補助対象経費の3分の2
・最大30万円 |
上記のように、空き家解体向けの補助金には「老朽化した空き家」や、「耐震性が低く倒壊する危険性がある空き家」を対象とするものが多く、また解体費用の「5分の1から3分の2程度」まで支給される場合が一般的です。
家の解体費用に解体ローンを適用する際の流れ
「解体工事にローンを適用する際には、どのような流れで進むの?」と疑問がある方も多いでしょう。こちらでは「家の解体費用に解体ローンを組む際の流れ」について、以下の内容を紹介します。
- 1.解体業者とローンを選定
- 2.審査に必要な書類提出
- 3.融資の事前審査
- 4.解体工事開始・終了と事後書類提出
- 5.融資実行
なお、空き家解体等を含む「解体ローン」を組む際の流れであり、ほかのローンとの流れとは異なる場合があるため注意してください。
解体業者とローンの選定
まず初めに解体を依頼する「解体業者」と、「ローンの選定」を行いましょう。
後々ローンがうまく適用できなかった等のトラブルを避けるためには、「お客さまの声」等が記載された業者のホームページをしっかりと確認し、信頼性が高い業者を選ぶことが重要です。
またローンや助成金について詳しくない場合には自分で決めるのではなく、解体業者に相談するのも一つの方法としておすすめです。
なお自分でローンを選ぶ際には、後述する「ローンを使うときの注意点」もあわせて確認してみてください。
審査に必要な書類を用意
ローンの選定が完了すれば、「審査時に必要な書類を用意」します。審査の際には、以下3種類の資料提出が求められます。
- ・本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・健康保険証など)
- ・解体工事見積書
- ・収入証明書(源泉徴収票・確定申告書・年金証書など)
基本的な必要書類に加えて、解体に必要な金額を証明するための「見積書」や、解体物件の「登記簿謄本」が必要です。
なお融資を申し込む金融機関や申込人によって必要な書類が異なるため、各金融機関のホームページを参考にしながら用意すると良いでしょう。
融資の審査
審査に必要な書類が用意でき次第、利用を検討している金融機関に「審査の申込み」をしましょう。解体ローンの審査では、「事前審査」と「正式審査」と呼ばれる2つの審査が行われるケースが一般的です。なかには「正式審査のみ」の場合もあるため、急ぎで融資を受けたい方は事前審査がないローンを選ぶと良いでしょう。
審査が完了すると、金融機関より電話やメールにて結果の連絡があります。なお事前・正式審査開始から融資結果の連絡までは、一般的に「3日~2週間程度」かかります。
解体工事開始・終了と事後書類提出
同時並行で解体工事が開始されます。そして無事に工事が完了すれば、管轄法務局にて「滅失登記簿謄本」を取得する必要があります。建物が正式に取り壊された証明として、滅失登記簿謄本の提出が求められる場合があるからです。
なお建物滅失の登記は、マイナンバーカードを利用してオンラインからも申請できます。融資の実行が遅れてしまわないように、速やかに申請しましょう。
融資実行
工事完了後に必要書類が提出が受理されたあとは、申込人の口座経由で施工業者への支払いが実行、もしくは本人口座へ直接振り込まれます。なお融資は事後書類提出からすぐに実行されるものではなく、「1~2週間」と時間がかかるため注意してください。
以上、解体ローンが適用されるまでの大まかな流れの説明でした。
各金融機関によって、審査期間や融資実行までの手順などが異なりますので、心配な方は事前に確認しておくと良いでしょう。
家の解体費用をローンや助成金を使う時の注意点4つ
こちらでは「家の解体費用をローンや助成金を使う時の注意点」について、以下の4つを紹介します。
- 1.着手金だけは現金払いの場合も
- 2.分離発注する場合には適用できないローンがある
- 3.解体費用に適切な額の融資を受ける
- 4.家の解体費用に使える助成金は自治体で異なる
特にはじめて解体工事向けのローンや助成金を申請するという方は、今のうちに確認しておきましょう。
1.着手金だけは現金払いの場合も
解体業者のなかには、工事費用の一部を着手金として「現金払い」で請求する場合もあります。
そのためローン融資が実行される前や補助金を受け取る前に、着手金を支払わなければならない可能性もあるため注意してください。
ただし、着手金の支払い方法やタイミングなど費用に関しては、解体業者と相談するなかで決定されることが一般的です。そのため現金での支払いが厳しい場合や、支払い方法を変更してほしい場合には業者に相談すると良いでしょう。
2.分離発注する場合には適用できないローンがある
家の解体と新築建て替えを別々の業者へ発注する「分離発注」の場合には、解体工事に適用できないローンがあるため注意してください。
例えば「住宅ローン」は新築建設の建て替えを前提としたローンであるため、分離発注の場合には利用できません。そのため分離発注で解体用にローンを利用したい方は、用途が限定されない「プロパーローン」をおすすめします。
ローンの種類によって融資が適用できる条件が異なるため、各ローンの内容を確認したうえで選ぶようにしましょう。
3.解体費用に適切な額の融資を受ける
解体費用の見積もりに基づいて、適切な額のローンを組むことも大事です。
解体費用よりも融資額が少ない場合には、不足分に対して大事な貯蓄を崩す必要が生じます。
一方で融資額が多い場合には、利息の付いた借入金を余分に支払うことになります。
融資額が過不足とならないためにも、以下の表にて「解体工事にかかる費用の目安」を確認しておきましょう。
面積 | 解体費用相場 |
20坪 | 約70〜100万円 |
35坪 | 約150〜170万円 |
60坪 | 約250〜300万円 |
80坪 | 約500〜600万円 |
住宅の種類によっては、上記の相場よりも高額になる場合もあります。
4.家の解体費用に使える助成金は自治体で異なる
各自治体で提供される「家の解体費用向けの助成金」は、給付条件が自治体によってさまざまです。
例えば「所得制限」が設けられている助成金や、「昭和56年以前の建物」といったように築年数が指定されているものなど、自治体によって条件が異なるため確認する必要があります。
そのため自治体の助成金を利用する際は、地元の解体業者に相談し助成金について詳しく教えてもらうと良いでしょう。
家の解体費用をローンや助成金を使いたいなら解体業者に相談
解体工事費用をローンで済ませたい場合や、国からの補助金・助成金を利用したい場合には、まずは解体業者に相談することをおすすめします。
もちろん、ハウスメーカーや不動産会社、工務店など、さまざまな業者に解体工事の依頼が可能です。
とはいえ解体専門でない会社は解体ローンや助成金などを詳しく知らないことが多く、柔軟に対応できない可能性があります。また建て替えの際に工務店に解体を依頼してしまうと、下請けの解体業者とコミュニケーションを取る機会がなく、ローン利用の希望が通らない可能性も。
一方で解体業者は、その地域にある解体特化のローンや助成金についても熟知しています。また、解体費用の支払いを融資開始時期にあわせて柔軟に対応してくれる業者もいます。
そのためローンや助成金をはじめて利用する方は、解体工事の費用を踏まえて適切なローン・助成金を判断できる「解体業者」がおすすめです。
まとめ
家の解体工事には「プロパーローン・フリーローン・住宅ローン・空き家ローン」など、利用目的にあわせてローンを組むことができます。また自治体から提供される「解体費用向けの助成金や補助金」の利用も可能で、大幅に解体費用の自己負担を減らすことも可能です。
ただし新築建て替えが前提の「住宅ローン」や、空き家解体専用のローンや助成金があるように、それぞれの利用条件に注意して選ぶ必要があります。
また解体費用にローンや助成金を確実に使用したい方は、「建設業者やリフォーム会社」など解体のプロではない業者に依頼するのではなく、解体に関する豊富な知識を有する「解体業者」がおすすめです。
東京都目黒区の株式会社上池解体興業(BOCCOS/ボッコス)では、解体工事をフルサポートしております。東京都内を中心に関東地域において「木造家屋・アパート・店舗内装」などの解体工事を承っており、難しい解体工事の実績も豊富です。また当社では丁寧なヒアリングを心掛けておりますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。お見積もりは無料ですので、「電話・メール・LINE」からお気軽にお問い合わせください。