家の解体は一生に二度とないような重大なイベントです。初めて家を壊す方のなかには「自分が行う手続きには何がある?」「実家の解体費用はいくらかかる?」と、悩みや疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では解体工事のプロである「株式会社上池解体興業」が、家の解体工事に必要な以下の情報をまとめて紹介!
- ・施主がする手続き
- ・費用の相場
- ・解体の流れ
- ・補助金や固定資産税
- ・よくあるトラブル例とその対策
初めての方にもわかりやすく責任を持ってご説明しますので、参考にしてみてください。
家を壊す手続きや準備には施主側が行うものもある
家を壊すためには、施主側がしなければならない準備や手続きも多くあります。
例えばライフラインの手続きや不用品の処分、お祓い行事のセッティングなどが挙げられます。
手続きのなかには、解体前の提出が施主に義務付けられているものや、撤去手続きを怠ると事故を引き起こす原因になるものなど、いずれも解体工事をスムーズに進めるうえで重要です。
これから、家を壊す際の流れに沿って施主側が行う手続きや準備事項を解説していきます。
家を壊すときの全体的な流れ
家が解体され更地になるまでには、いくつかの工程が存在します。
こちらでは「家を壊すときの全体的な流れ」について、以下の4つに分けて紹介します。
- 1.解体業者と契約を結ぶ
- 2.工事に必要な前準備
- 3.解体工事開始
- 4.工事後の後始末
全体の流れを事前に把握しておくことで、解体工事をスムーズに終えることができます。
どのような手順で進められるのか、一つずつ理解していきましょう。
1.解体業者と契約を結ぶ
家の解体が決定すれば、まず家の解体を任せる「解体業者と契約を結ぶ」必要があります。本契約までの手順は以下の通りです。
- 1.解体業者の選定
- 2.問い合わせ
- 3.現地見積もりの立ち会い
- 4.業者からの見積書比較
- 5.本契約の連絡
問い合わせ後には業者が解体現場へ赴く「現地調査」が行われ、その際に施主の立ち会いが求められる場合もあります。現地調査の立ち会い時には、壊さずに残しておきたいものやアスベストの有無などを確認する「ヒアリング」が簡単に行われますので、めんどくさがらずに協力をしましょう。
2.工事に必要な前準備
契約した次の日から解体工事が開始されるわけではありません。
解体工事が開始される前までに、「工事に必要な前準備」をいくつか行う必要があります。施主が必ずしなければならない前準備は、以下の通りです。
- ・電気・電話線・ガスなどのライフライン撤去手続き
- ・家の掃除・家財の撤去
- ・アスベストの事前調査に関する手続き
特にアスベストの事前調査を怠った場合には、工期延長だけでなく施主の責任が問われる可能性もあるため、必ず工事着工前に手続きを済ませましょう。解体業者によっては「アスベストの調査・解体工事」にも対応している場合があるため、事前にWebサイトを検索して確認することをおすすめします。
また必要に応じて以下の前準備も必要になります。
- ・補助金の申請手続き
- ・お祓い儀式の実施
- ・近隣住民やお世話になった人への挨拶回り
補助金やお祓いに関しては、業者の方が詳しい場合もあるため、解体前の打ち合わせ時に相談してみると良いでしょう。
なお、家の解体前に必要な手続き一覧は『家の解体工事に必要な手続きは?損をしないための注意点も解説』にて紹介しています。
3.解体工事開始
前準備が問題なく完了すれば、スケジュール通りに「解体工事が開始」されます。
解体工事の大まかな流れは以下の通りです。
- 1.足場組み立て・養生シートの設置
- 2.室内の残置物撤去
- 3.屋根や瓦の撤去
- 4.手作業で窓ガラス等の内装材解体
- 5.重機を使って建物本体の解体
- 6.地中埋設物の確認と撤去
- 7.清掃と整地
なお家の解体工事については『家の解体工事スケジュールは?全体の流れやかかる日数の目安を解説』にて詳しく解説しています。
4.工事後の後始末
建物の解体が完了すれば「後始末」をしなければなりません。
業者から解体工事の完了報告がされたあとに、施主がする後始末は以下の通りです。
- ・建物滅失登記の申請
- ・業者への支払い
- ・近隣住民への工事終了報告
- ・水道の撤去手続き
解体後建て替えや土地の利用予定がない場合には、水道の撤去手続きを行う必要があります。水道の手続きは「指定給水装置工事事業者を通じて水道局へ届ける」という、複雑な手順を踏む必要があるため業者に相談してみると良いでしょう。
また解体工事中に出る「ゴミやコンクリートの破片などの廃材」は、排出した業者に処理義務があります。そのため、施主としては「ゴミが残されていないか」「適切に分別されているか」を最後に確認するだけで十分です。
なお廃棄物の処理については、『家屋解体後の廃棄物・不用品は売れるもの?処分方法や高く売るコツも』にて詳しく解説しています。
家を壊す費用の相場
木造住宅を壊す工事にかかる費用相場は「1坪あたり約3〜5万円」です。
以下の表にて「坪数別の解体費用相場」についてまとめました。
坪数 | 解体費用相場 |
20坪 | 60万円 |
30坪 | 84万円 |
50坪 | 130万円 |
80坪 | 200万円 |
上記の費用は面積から出された目安で、実際は建物の状態や立地状況、構造など、総合的な条件を踏まえて計算され金額が決まります。家の解体費用を詳しく知りたい方は、『家の解体費用の相場は?安く抑えるコツと知らなきゃ損する注意点も』も参考にしてみてください。
家を壊す前に押さえるべきポイント5つ
家を初めて壊す方のなかには、いろいろ不安がある方も多いでしょう。
こちらでは「家を壊す前に押さえるべきポイント」について、以下の5つを紹介します。
- 1.2社以上に見積もりを出してもらう
- 2.家の解体以外にも費用がかかる
- 3.解体に必要な手続きは代行してもらえる
- 4.古い家を壊すなら補助金が利用できる
- 5.解体後に固定資産税が上がるケースも
解体工事が始まってから後悔しないためにも、今のうちに確認しておきましょう。
1.2社以上に見積もりを出してもらう
相対的に安い業者に解体工事を依頼するためには、最低でも「2社以上の解体業者に見積もりを出してもらう」ようにしましょう。業者が選ぶ工法や重機の種類、工数などの違いにより、業者ごとに見積もり金額が大きく異なります。
そのため複数の業者の見積書を比較することで、無駄な費用が上乗せされていない優良な業者に依頼することができるでしょう。ただし見積もり金額が安すぎる業者の場合には、あとから「高額な追加費用」が請求され、最終的に高い費用を支払うことになるケースもあるため注意してください。
2.家本体の解体以外にも費用がかかる
解体見積もりに含まれる金額は、家本体の解体費用だけではありません。以下のような費用もかかります。
費用内訳 | 内容 |
付帯工事費用 | ブロック塀や物置など建物本体以外を撤去するのにかかる費用 |
地中埋設物の撤去費用 | 地中に埋まっていた井戸や建物基礎を撤去するのにかかる費用 |
重機回送費 | 重機の運搬にかかる費用 |
アスベスト関連費 | アスベスト含有の事前調査や除去工事が必要になった場合に必要な費用 |
産業廃棄物処分費用 | 産業廃棄物の収集・運搬・処理・リサイクルなどに必要な費用 |
書類申請・届出費用 | 官公庁届出やリサイクル法届出など各種書類手続きにかかる費用 |
諸費用 | 近隣住民への挨拶まわり等にかかる費用 |
あとから請求される予想外の費用負担に悩まないためにも、見積書に上記の内訳がしっかりと記載されているかどうかを確認すると良いでしょう。
3.解体に必要な手続きは代行してもらえる
解体に必要な手続きは、業者や専門家に代行してもらえるものもあります。以下の表にて解体に必要な届出のうち、代行してもらえるものをまとめました。
届出名 | 代行可能な業者・専門家 |
解体工事届出 | 解体業者 |
道路使用許可申請 | 解体業者 |
アスベスト含有建築物等の解体工事にかかる届出 | 解体業者 |
建物滅失登記申請 | 土地家屋調査士 |
ただし業者によっては届出代行をサービスとして行っていない場合もあるため、自分で提出することになったときに慌てないためにも事前に確認しておくと良いでしょう。
4.古い家を壊すなら補助金が利用できる
「耐久性に問題がある古い家」の解体工事には、地方公共団体から提供される「補助金」が利用できるケースも。以下の表にて自治体の補助金を3つまとめましたので、参考にしてみてください。
補助金名 | 提供自治体 | 概要 | 補助金額 |
木造住宅密集地域における不燃化建替え促進事業 | 東京都新宿区 | 昭和56年5月31日以前に着工された木造住宅のうち、地震に伴い倒壊の危険性があると診断された住宅の除去工事費用を助成 | 除去工事費×4分の3等
上限金額:50万円 |
市川市空き家除去・活用事業補助金について | 千葉県市川市 | 昭和56年5月31日以前に建てられた建築物のうち、耐震性のない特定空家の除却工事に必要な費用の一部を助成 | 除却費用の2分の1
上限金額:50万円 |
老朽空き家解体工事補助金 | 神奈川県厚木市 | 昭和56年5月31日以前に建築された一戸建ての空き家で、市が定める条件をすべて満たす場合に解体工事費を助成 | 除却費用の2分の1
上限金額:50万円 |
一般的に「昭和56年5月31日以前に建築された家」が補助金支給対象となっているため、すべての古い家や空き家が対象ではない点に注意が必要です。
また対象条件のようにそれぞれの自治体で細かく決められているため、確実に使うためにも利用を検討している方は業者に相談することをおすすめします。
5.解体後に固定資産税が上がるケースも
建物の解体後には「固定資産税が増える」ケースがあります。
固定資産税には「住宅用地特例」と呼ばれる税金の軽減措置があります。住宅用地特例は、家屋の敷地として利用されている土地に対して「固定資産税評価額の最大6分の1の減税」が適用される制度です。そのため解体により土地が更地状態になると住宅用地特例が適用されなくなり、支払う固定資産税が増えます。
ただし固定資産税は、その年の1月1日時点で建物が存在するかどうかによって課税額が変わります。そのため家を解体した年内に土地の売却が完了した場合には、固定資産税の増額を気にする必要はありません。
家を取り壊す際にありがちな3つのトラブル例とその対策
家の解体には予期せぬトラブルが発生することもしばしば。
こちらでは「家を取り壊す際にありがちなトラブル例とその対策方法」について、以下の3つを紹介します。
- 1.近隣住民からのクレーム
- 2.業者からの高額な追加費用請求
- 3.施主が原因で工期遅延
トラブルが発生すると、工期が延長になるケースや中止になってしまうケースも少なくありません。家の解体を最後までスムーズに進めるためにも、今のうちに確認しておきましょう。
1.近隣住民からのクレーム
家の取り壊しにともない、粉塵や騒音、振動などが発生します。そのため「音がうるさくて睡眠が妨げられる」「車にホコリが被った」など、近隣住民からのクレームが生じるケースも珍しくありません。
近隣住民からのクレームを防ぐためには、事前の「挨拶回り」が重要です。迷惑をかける可能性がある旨を伝えておくことで、丁寧な印象を持ってもらえるため苦情削減につながります。
2.業者からの高額な追加費用請求
工事が完了した後に「追加費用」が発生する場合があります。悪徳な業者の場合には、施主が詳しく知っていないのを良いことに高額な追加費用を次々と請求してくることも。
追加費用のトラブルを避けるためには、現地見積もりの段階で追加費用が生じるケースを事前に説明してもらうことが大切です。また解体費用の内訳をしっかりと把握し、良い見積書かどうかを自分で判断できるようにしておきましょう。
3.施主が原因で工期遅延
施主の無理な発注や追加工事の依頼、代金支払いの遅れが原因で、工期が遅れるケースもあります。
施主の都合で工期遅延を発生させないためには、スケジュールの調整や解体する内容を業者と相互確認を取りながら決めていくと良いでしょう。業者にとって予想外の対応が必要とならないために、密なコミュニケーションが重要です。
家を壊したいなら解体業者への委託がおすすめ
家を壊したいなら、解体工事のプロである「解体業者」への直接委託がおすすめです。
もちろん、ハウスメーカーや工務店、不動産会社など、ほかの業者にも解体を依頼できます。とはいえ、解体専門でない会社は重機や人材がそろっておらず、レンタル料金や仲介料など余分に費用を請求されるデメリットがあります。また工務店に依頼する場合には、下請けの解体業者とコミュニケーションを取る機会がなく、補助金の利用等の手続きがうまく行えない可能性も。
一方で解体業者なら基本的に自社で重機等の必要設備をそろえているため、下請けが存在する業者よりも費用を安く抑えることが可能です。また地域ならではの補助金や助成金にも詳しく、自分の家に関係する制度を教えてくれる業者もいます。
家を壊す際にトラブルや問題が発生し、あとから後悔しないためにも解体業者へ依頼すると良いでしょう。
まとめ
家を壊す工程は、「解体業者との契約・前準備・解体工事施工・後始末」の4つに大きく分けられます。なかには補助金の申請やライフラインの撤去など、施主側が行う手続きも多くあります。
また家の解体工事をスムーズに行ってもらいたい方は、「建設業者やリフォーム会社」など解体のプロではない業者に依頼するのではなく、解体に関する豊富な知識を有する「解体業者」がおすすめです。
東京都目黒区の株式会社上池解体興業(BOCCOS/ボッコス)では、解体工事をフルサポートしております。東京都内を中心に関東地域において、「木造住宅・マンション内装解体・鉄骨造建築物」の解体工事を承っており、難しい解体工事の実績も豊富です。また当社では丁寧なヒアリングを心掛けておりますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。お見積もりは無料ですので、電話やメールからお気軽にお問い合わせください。