家を壊すためには、想像している以上にお金がかかります。そのため実家を解体したくても「解体費用が払えないかも…」などと、コスト面の悩みがあり迷っている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、実家の解体費用が払えない場合の対処方法や注意点、安く抑えるコツについて紹介します。解体工事のプロである「株式会社上池解体興業」が初めての方にもわかりやすく責任を持ってご説明しますので、参考にしてみてください。
そもそも実家を壊すのにいくらかかる?解体費用相場を紹介
お金がかかるといわれる解体工事ですが、実際いくらかかるかご存じでしょうか?以下の表にて、構造別の解体費用相場をチェックしておきましょう。
家の構造 | 30坪 | 40坪 |
木造 | 90~150万円 | 120〜200万円 |
鉄骨造 | 150~210万円 | 200〜280万円 |
鉄筋コンクリート造 | 180~240万円 | 240〜320万円 |
上記の表より、一般的な2階建て住宅の場合には、構造の種類に関係なく「100万円」近くかかることがわかります。
関連記事:家の解体費用の相場は?安く抑えるコツと知らなきゃ損する注意点も
空き家の実家を放置したままにする3つのデメリット
長年誰も住まなくなった実家は、さまざまなリスクを抱えています。こちらでは、「空き家の実家を放置したままにするデメリット」を紹介します。
1.特定空き家に認定される可能性がある
空き家状態の実家を放置したままにしていると、老朽化が進み「特定空き家」に認定されてしまう可能性があります。
特定空き家とは、
- ・倒壊する危険性がある
- ・衛生上の有害性が高い
など、周囲環境の安全を損なう原因になると認められた空き家のことです。
特定空き家に認定されると、「住宅用地の特例措置」の適用から外されてしまいます。
「3分の1の固定資産税・3分の2の都市計画税」の減額がなくなってしまうため、税負担が大きく増えることになります。
特定空き家に認定されないためにも、誰も住まなくなった実家は早めに解体すべきです。
2.近隣住民との空き家トラブルが発生する可能性も
ゴミが放置されたままの空き家の場合には、異臭や害虫が発生し、近隣住民から苦情が入ってしまう可能性があります。また家の老朽化が進んでいくと、屋根やブロック塀が倒壊し、隣家や通行人を巻き込む大きな事故が起きてしまう可能性も。
これらのように、放置したままの空き家は近隣住民とのトラブルや問題に発展しやすく、高額な損害賠償を請求されることにもなりかねません。余計な出費を避けるためにも、空き家状態の実家は早めに解体する方が良いでしょう。
3.維持費がかかる
誰も住まなくなった実家を安全かつ清潔に維持するには、お金がかかります。特に実家から遠方に住んでいる場合には、実家を片付けるために毎回「交通費」を出す必要があります。また自分で管理しない場合にも、掃除を任せるための「管理委託代」が必要です。
このように実家を壊さない期間中は維持費がかかり続けるため、利用予定がないのであれば取り壊すことをおすすめします。
【解体する】実家の解体費用が払えない時の対処方法
「実家の解体をしたいけど、お金が用意できない…」
という場合に、費用負担を軽減する方法を紹介します。
補助金を利用して解体する
各地域の自治体から提供されている「補助金」を活用すれば、解体費用の一部を補うことができます。例えば、以下のようにさまざまな解体ケースに活用できる補助金制度があります。
補助金名 | 提供自治体 | 概要 | 補助金額 |
老朽空き家解体工事補助金 | 神奈川県 (厚木市) |
市内の老朽化した戸建て住宅の解体除却費用を助成 | 解体工事費の2分の1 |
建替え工事助成制度 | 埼玉県 (さいたま市) |
戸建て住居を解体除去し、新たに戸建て住宅に建て替える費用を助成 | 建て替え工事費用の23%に相当する額 |
除去工事費用の助成 | 東京都練馬区 | 建築物等の増改修工事に伴って行われる、吹付けアスベスト等の除去工事に必要な費用の一部を助成 | 戸建て住宅の場合
補助率:3分の2 |
なかには「100万円以上」も助成してくれる制度もあるため、積極的に利用すると良いでしょう。
解体関連の補助金制度については、解体業者が詳しく把握しているため積極的に相談してみてくださいね。
解体ローンを利用して負担を分散する
今すぐに取り壊す費用が準備できない場合には、銀行などの金融機関から提供されている「家屋解体専用のローン」の活用もおすすめです。以下の表にて、解体時に使えるローンをまとめました。
ローンの種類 | 概要 | 融資金額例 | 融資期間例 |
プロパーローン | ・金融機関が独自に提供するローン
・資金用途は基本的に自由 |
100万円以上2億円以内 | 3年以上40年以内 |
フリーローン | ・旅行資金や引っ越しの敷金・礼金など多目的な資金用途が認められるローン
・事業性資金以外の目的のみ利用可能 |
10万円以上500万円以下 | 6ヵ月以上10年以内 |
住宅ローン | 建て替えにともなう解体工事資金に限り、融資が実行される土地・住宅取得専用のローン | 50万円以上8,000万円以下 | 1年以上35年以内 |
空き家ローン | 空き家解体への融資を目的としたローン | 500万円以内 | 最長10年 |
ローンを利用すれば、1回あたりに支払う解体費用の負担は分散できますが、金利が上乗せされる分、トータルの支払い費用は高くなるため注意してください。
関連記事:家の解体費用にローン・補助金は利用できる?種類や注意点も解説
更地渡しで売却する
通常、土地を売却するには家を取り壊してから売るのが一般的ですが、「更地渡し」では土地の売買契約後に家を壊してから引き渡すという取引方法です。
更地渡しでは「引き渡し前に解体する」という条件を設けて契約できるため、解体費用に充てられるお金を確実に受け取れるメリットがあります。そのため実家の敷地ごと売りたい場合には、更地渡しを検討すると良いでしょう。
【解体しない】実家の解体費用が払えない時の対処方法
次に「実家を解体しない場合の対処方法」を紹介します。どうしても解体費用を用意できない方は、参考にしてみてください。
相続人が住む
すぐに取り壊す必要がない場合には、解体費用が貯まるまで相続人が住むというのも一つの方法です。
維持管理にともなう移動費等の無駄な経費が発生することがなく、また人が居住することで空き家関連のトラブルも防ぐことができます。
古家付きの土地として不動産買取に出す
不動産としての高い価値を持つ実家の場合には、解体せずに「古家付きの土地」として不動産買取に出すのもおすすめです。最近では古民家をリノベーションして、カフェや雑貨屋などへ再利用する人も増えてきているため、早く買主が決まるケースも珍しくありません。
そのため解体費用がすぐに用意できない場合には、不動産買取に出す方が得するかどうかを一度解体業者に相談してみると良いでしょう。
リフォームして賃貸に出す
場所の条件が良く老朽が激しくない場合には、実家の一部をリフォームして「賃貸」に出すのも一つの考え方です。リフォーム代がかかるものの、賃貸事業の運用で十分にお金が貯まってから解体を行えるメリットがあります。
ただし賃貸物件としての需要がない場合には、解体費用を回収できないリスクもあるため、リフォームを迷っている場合には事前に業者へ相談することをおすすめします。
実家の解体費用を安く抑えるコツ5つ
解体費用はいくつかのポイントを抑えることで、相場よりも安く済ませることができます。こちらでは、「実家の解体費用を安く抑えるコツ」を紹介します。
1.2社以上の業者に見積もりを依頼する
依頼する業者を決める際には、2社以上の業者に見積もりを依頼することをおすすめします。見積もり内容は解体業者によって大きく異なるため、同じ建物であってもかかる料金がまったく違うからです。
複数の業者を探す手間をかけたくない場合には、「解体業者の一括見積もりサイト」を活用するのもおすすめです。
関連記事:解体工事の見積もり総まとめ!チェック項目や事例をわかりやすく解説
2.解体前に家財を処分しておく
解体前には発注者側がしなければならないことが多く手が回らないこともありますが、費用を安くするうえでは家財の処分だけでも自分でするようにしましょう。家財が建物内にそのまま残っている場合には業者が片付けてくれますが、処分にかかった費用が上乗せされてしまいます。
家財を撤去しておくだけで「10万円以上」もお得になるケースがあるため、実家と自宅が離れている場合にもなるべく片付ける時間を確保することをおすすめします。
関連記事:家を解体するときの家具の処分方法は?自分でできる7つのテクニック
3.近隣住民への挨拶まわりをする
解体工事関連の余計な出費をなくすという点では、近隣住民への挨拶まわりが重要です。
なぜなら古い実家の場合には害虫が住みついており、解体作業と同時に近所の家へ移動し迷惑をかける可能性があるため。害虫が原因で近所トラブルに発展するケースも多いため、トラブルを最小限に抑えるためにも近所の方へひと言声をかけておくと好印象です。
挨拶まわりが不安な方は、業者が同行してくれる場合もあるため相談してみてくださいね。
4.自分で解体関連の手続きを行う
解体の前後には多くの手続きがあります。もちろん、解体業者や専門家に依頼することもできますが、委託費用がかかってしまいます。業者に任せると「5万円程度」かかる場合もあるため、少しでも費用を抑えたいなら自分で手続きを行うことをおすすめします。
関連記事:家の解体工事に必要な手続きは?損をしないための注意点も解説
5.業者の繁忙期には解体を依頼しない
業者の繁忙期では、人員不足により人件費が割高に設定されていることが多いため、解体単価が高くなる傾向にあります。また人員不足により工期が長くなる分、通常の費用よりも高くなります。
そのため解体単価を安くしたい場合には、解体業者の繁忙期にあたる「12〜3月」の依頼はなるべく避けて解体スケジュールを組むと良いでしょう。
実家の解体費用を払えない時の注意点2つ
解体費用を安くしたいがゆえに、金額ばかりに目がいってしまうと悪質な業者にだまされてしまう可能性があります。こちらでは、「実家の解体費用を払えないときの注意点」を紹介します。
1.安すぎる解体業者に騙されない
解体費用の相場よりも安すぎる見積もりを提示してくる業者には注意が必要です。
不法投棄で廃棄物処理費を浮かせていたり、取り除くべき地中埋設物を放置したりと、本来必要な工程を省いて安くしている悪質な業者である可能性が高いからです。
そのため金額の安さだけで業者を選ぶのではなく、見積もりの内訳もしっかりと判断したうえで依頼することが大事です。
業者の選び方のコツを紹介している記事もあります。
関連記事:家の解体業者の損しない選び方!トラブルを避ける方法も解説
2.譲渡後の土地を売却する時は譲渡所得の特別控除申請を忘れない
親から譲渡された実家を解体し、その土地を売る際には「譲渡所得の特別控除申請」を忘れず行いましょう。
特別控除の申請を行えば、「最大3000万円」もの控除を受けることができ、大幅に節税できます。実家の解体に関連する費用を抑えるためにも、必ず自治体へ申請を行いましょう。
実家の解体費用が払えないならまずは「解体業者」へ相談
実家の解体費用の支払いが難しい場合には、まずは解体業者へ相談しましょう。
もちろん、ハウスメーカーや不動産会社など、他業者にも解体費用の相談は可能です。とはいえ、解体が専門でない業者は自社で解体施工を行っていないことが多く、単価の仕組みや高くなる理由を知っていない可能性があります。また新築建て替えの際に工務店に依頼すると、下請けの解体業者とコミュニケーションを取る機会がなく、費用の交渉ができない可能性も。
一方で解体業者に直接委託をすれば、費用負担を軽減する方法や取り壊す方法以外の手段も親身に相談に乗ってくれます。そのため解体費用の悩みを抱えている方は、解体業者へ直接委託し相談に乗ってもらうことをおすすめします。
まとめ
実家の解体費用が払えない場合には、さまざまな対処法が考えられます。例えば、補助金やローンを利用して費用負担を軽減する方法や、賃貸運用や不動産買取により費用を工面する方法などが挙げられます。
また解体費用を安くするうえでは、「建設業者やリフォーム会社」など解体のプロではない業者に依頼するのではなく、解体に関する豊富な知識を有する「解体業者」への直接委託がおすすめです。
東京都目黒区の株式会社上池解体興業(BOCCOS/ボッコス)では、解体工事をフルサポートしております。東京都内を中心に関東エリアにおいて「空き家物件・木造建築・マンション・アパート・店舗内装」などの解体工事を承っており、難しい解体工事の実績も豊富です。また当社では丁寧なサービス対応やトラブル対策を心がけておりますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。お見積もりは無料ですので、当社ホームページに掲載している「電話やメール」からお気軽にお問い合わせください。