敷地を更地にするときやリフォームのときに必要なのが解体工事です。
一般の方は触れる機会が少ないので、不安を感じる方もいるかもしれません。
スムーズな解体工事に大切なのは、「よくあるトラブルへの対策」と「優れた解体業者の選定」です。
この記事では、解体工事で知っておきたいトラブルと優れた解体業者の特徴を紹介します。
戸建て住宅からの引っ越しや事業の転換など、解体工事を依頼する機会がある方は、ぜひご覧になってみてください。
作業に関するトラブル
ここでは、解体工事の作業に関するトラブルを紹介します。
なかでも、近隣問題は依頼主と近隣住民との良好な関係性でトラブルを避けられるケースがあるので、積極的に取り組んでみてください。
近隣との関係性に関するトラブル
優良解体業者に依頼した場合でも、解体工事には騒音や振動といった近隣への影響が付き物。
近隣住民の日常生活にストレスを与えてしまうことがあるかもしれません。
そのため、解体業者は作業前に近隣挨拶を行い、作業工程や工事による影響を説明するのが一般的です。
その際、依頼主が近隣住民と良好な関係性を築いている場合は同席するとよいでしょう。
依頼主を介して解体業者と近隣住民が和やかに接することができるため、トラブルが生じた際にコミュニケーションを取りやすくなります。
特に、道路に工事車両を停車させて作業する場合は、そのときの道路の使用可否についてしっかり説明するのが重要です。
近隣住民の生活に直接的な影響が生じることはしっかりと周知するようにしましょう。
近隣説明は解体業者が率先して行うべきことではありますが、挨拶前に周知する内容を共有してもらえると安心ですね。
騒音・振動・粉じんに関するトラブル
解体工事でトラブルになりやすいのが、騒音・振動・粉じんです。
解体工事では、バックホウなどの重機やハンマードリルなどの建設機械を使って、コンクリートや鉄骨を壊していきます。
硬いものをガツガツ削る際に発生する“騒音”と“振動”がトラブルの原因になりがちです。
その他にも、工事車両が走行するときの音や振動、解体作業員の発する声など、さまざまな音や振動が考えられます。
これらは近隣住民のストレスに繋がる可能性があるため、対策が必要です。
コンクリートや内装ボードなどのセメント系の材料には砂が含まれるので、解体時に“粉じん”が発生します。
また、建物に蓄積した埃や塵が飛び散ってしまうことも考えられます。
粉じんは、近隣敷地への飛散や近隣住民の健康被害といったトラブルに繋がるのが特徴。
精神的な被害だけでなく、身体的な被害にも繋がるのがこわいところです。
このような騒音・振動・粉じんによるトラブルを避けるため、必要に応じて防音・防塵シートで建物を養生したり、振動が発生する作業の時間帯を調整したりするのが一般的。
基本的には解体業者の判断になりますが、特に意識したい場合は相談してみてください。
コストにも影響する内容なので、早めに調整しておくのがよいでしょう。
解体範囲に関するトラブル
解体せずに残しておく物がある場合、解体業者と範囲の確認を行うのが大切。
具体的には、リフォームや、居抜き物件に向けた解体、外構の塀などの解体を行うケースです。
特に、賃貸物件の場合は、オーナーが認識している範囲以外を解体してしまうと大きなトラブルに繋がりやすいので留意しましょう。
賃貸借契約に解体範囲に関する記載があるケースもあるので、確認してみてください。
依頼主と解体業者の範囲の認識違いを防ぐには、事前現地調査での密なコミュニケーションが効果的です。
現地で現物を見ながら、どこまで解体するのかを共有することで、必要な物まで解体してしまうようなトラブルを防げるでしょう。
仕上がりの状態に関するトラブル
解体後に注意したいのが、仕上がりの状態です。
例えば、借りている土地を更地に戻す場合、解体した後に整地して平坦にしなければいけないケースがあります。
なぜなら、整地をしていない土地は、次の施主がイニシャルコストをかけて整地する必要があり、土地を高く売れない可能性が生じるからです。
自分が所有する土地であっても同様です。
解体工事完了後に更なる整地の必要性が生じた場合、解体業者の追加コストが発生したり、オーナーから違約金を求められたりする可能性があります。
そのような状況を避けるためにも、敷地のオーナーに仕上がり状態の事前確認を行うとともに、解体業者とよく共有しておきましょう。
器物破損に関するトラブル
解体作業中のミスなどにより他者の所有物や公共物を破損してしまうケースがあります。
その場合、依頼主に責任はなく、解体業者が補償するのが基本です。
しかし、解体業者が損害賠償保険に入っておらず、金銭的な事情から補償できない場合、トラブルに繋がる可能性があります。
そのときも依頼主に賠償責任が生じることはありませんが、トラブルに巻き込まれたり、工事が遅延して予定が狂ったりする可能性はあります。
そのため、損害賠償保険の加入の有無や、器物破損をしたときの対応を確認しておくと安心して依頼できるでしょう。
解体業者に関するトラブル
著作者:senivpetro/出典:Freepik
ここで紹介するのは、解体業者の質がよくなかった場合に発生しやすいトラブルです。
解体業者を選定する際は口コミなどを参考に注意してみてください。
作業員に関するトラブル
作業員が近隣によくない印象を与えてしまうケースがあります。
作業員は、出退勤時に近隣の目に触れるだけでなく、休憩時に近くの飲食店やコンビニエンスストアを利用します。
そのときに、交通ルールを守らなかったり、店員によくない態度で接したりしてしまうと、印象が悪くなってしまいます。
依頼主の印象まで直接的に悪くなるようなケースはあまりありませんが、知り合いに迷惑をかけてしまう事態は避けたいところです。
また、前節で紹介したような作業に関するトラブルが近隣との間で生じた際に、印象が悪いとスムーズに解決するのが難しくなる可能性が高くなってしまいます。
解体工事中に作業員の態度が気になった場合は、解体業者の営業担当者に連絡してみてください。
隣家や道路の使用に関するトラブル
隣家や道路を使用して作業を行う場合、許可が必要です。
隣家の敷地に養生の足場を設置する場合や、道路に工事車両を停めて作業する場合などが当てはまります。
隣家に関しては住民の許可を得ることになります。
また、道路の使用に関しては、警察署に「道路使用許可」を届け出なければいけません。
これらは解体業者が行うことで、依頼主に責任が生じることはありません。
道路使用に関しては、事務的な手続きを済ませて警察署の指示通りに作業すれば問題は生じにくいといえます。
一方、隣家の使用に関しては、作業内容や工事による影響を住民にしっかりと説明しておかないとトラブルに繋がりがちです。
足場の設置の妨げになるからといって庭木の一部を無断で切ってしまうようなことがあると問題に発展します。
依頼主と住民の関係性を悪化させないためにも、隣家の使用に関しては解体業者に事前に状況を確認すると安心です。
書類に関するトラブル
建物を解体したあとは、「建物滅失登記」を行わなければいけません。
そのためには、「建物取毀(こわ)し証明書」が必要です。
建物取毀し証明書は、解体工事を行った解体業者が発行する書類ですが、発行が遅れたり発行されなかったりするケースが稀にあります。
そのようなことがあると、依頼主のその後の手続きに遅れが生じ、さまざまなトラブルに発展してしまいます。
解体工事を依頼するときは、発行される書類の種類と期限を確認するようにしましょう。
コストに関するトラブル
著作者:wirestock/出典:Freepik
ここでは、コストに関するトラブルを紹介します。
主には契約後に発生する追加コストに関する内容ですが、必ずしも解体業者に責任があるわけではありません。
しかし、依頼主としては想定外のコストが発生することになってしまいます。
あらかじめどんなことが考えられるのかを知っておき、どのような追加コストの可能性が見積書や契約書で謳われているかを確認しておくとよいでしょう。
工事着手前に明らかでなかった事象
解体工事中に、予期しないトラブルが発生することがあります。
よくあるのは、建物の基礎を解体するときに出てくる地中障害物です。
昔その土地に存在していた建物の基礎や、埋めて処分されたコンクリートガラ、越境して設置された配管など、さまざまなモノが出てくることがあります。
問題になるのは、これらの解体で発生する追加コストや工事の遅延です。
解体業者としても掘削するまで存在を把握できないので、見積もりには入っておらず、契約後の追加コストになってしまいます。
また、工事の遅延に関しては、解体に時間がかかることだけが原因ではありません。
越境物が埋設されていた場合、所有者を確認し、壊していいかを確認する必要があります。
行政が管理する下水管などが越境していた場合は、確認に多くの時間がかかってしまうケースも少なくありません。
解体業者はレンタルの足場などを設置しているだけでコストが発生します。
そのため、予期せぬ事態で工事が遅延すると、解体業者から追加コストを求められることがあります。
その他にも、地震や台風といった天災、感染症など、さまざまなケースが考えられるでしょう。
アスベスト
古い建物には、アスベスト(石綿)が使われていることがあります。
現在は有害物質とされ、原則的に使用が禁止されている建材です。
また、解体には一定の要件を満たす者による事前調査や解体作業、労働基準監督署への届出などが必要です。
事前調査の段階でアスベストの存在が確認できれば見積もりや工程表に反映されます。
しかし、解体をはじめてから隠蔽部などでアスベストの存在が判明した場合、追加のコストと工期が発生するのが問題です。
解体業者は建物の竣工年でアスベストの可能性をある程度判断できます。
解体業者が、事前調査が必要と判断した場合は、見積書と工程表を確認するようにしてみてください。
優れた解体業者の特徴
著作者:partystock/出典:Freepik
作業や解体業者に関するトラブルは、優れた解体業者に依頼することで避けられたりスムーズに解決できたりします。
ここでは、優れた解体業者にみられる特徴を紹介します。
実績が豊富
わかりやすい指標のひとつが、解体業者の実績です。
実績が豊富ということは、よい仕事が評価され、継続的に依頼されているということなので、信頼できるといえるでしょう。
また、実績が豊富ということは、経験が豊富ということです。
さまざまな作業環境で生じうるトラブルを避ける能力や、いざというときの解決力に期待できます。
実績を確認するには、ホームページや口コミが便利です。さらに、解体業者から説明を聞くときに同じような建物の実績を教えてもらえると安心できるでしょう。
会社の基本情報が信頼できる
解体工事には、建設業許可や解体工事業登録などが必要です。
解体業者から説明を受けるときは、これらの登録を確認しましょう。
また、損害賠償保険や産業廃棄物管理票などを確認することで、器物破損によるトラブルや、不法投棄の防止に役立ちます。
担当者が信頼できる
前述のとおり、スムーズな解体工事には、近隣説明などのコミュニケーションが重要な要素のひとつ。
そのため、担当者の作業工程などに関する説明が丁寧で信頼できるのであれば、作業内容だけでなく、近隣との関係性の観点からも安心といえます。
また、解体作業に当たって大切にしていることや気を付けていること、トラブルが発生したときの対応などについても聞けるとより一層信頼できるでしょう。
人柄を見るというのも優れた解体業者を見分けるポイントです。
見積書がわかりやすい
コストの観点からは、見積書がわかりやすいと安心して依頼できます。
大項目しか表示されておらず詳細がわからない見積書では、追加コストが発生した際に根拠を確認しづらくなってしまいます。
また、追加費用規程が明記され、どのようなときに追加コストが発生するのかが明確な解体業者は信頼できるといえます。
おわりに
スムーズな解体工事に欠かせない「よくあるトラブルへの対策」と「優れた解体業者の選定」について解説しました。
依頼主として重要なポイントは、「近隣との良好な関係性を保つために挨拶や説明を行うこと」と「優れた解体業者の特徴をしっかりと押さえること」です。
東京都目黒区の株式会社上池解体興業(BOCCOS/ボッコス)では、解体工事をフルサポートしております。東京都内を中心に関東地域において「空き家物件・木造家屋・マンション・ビル・店舗内装」などの解体工事を承っており、難しい解体工事の施工の実績も豊富です。また当社では丁寧なサービス対応や近所間のトラブル対策を心がけておりますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。お見積もりは無料ですので、当社Webサイト上の「電話やメール」からお気軽にお問い合わせください。