解体業者のなかには、地方に密着した中・小規模の業者からCMでよく聞く大手業者まで、さまざまな規模の企業があります。とはいえ解体業者に馴染みがない人のなかには、「中小と大手業者は何が違うの?」「どこに依頼すればいいの?」などと、疑問や悩みがある方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、規模別の特徴や大手と中小規模業者に依頼するメリット・デメリットについて徹底的に紹介します。解体工事のプロである「株式会社上池解体興業」が初めての方にもわかりやすく情報をまとめて責任を持ってご説明しますので、参考にしてみてください。
解体業者の違いとは?大手と中・小規模の特徴を解説
まずは、「大手解体業者と中・小規模の特徴」を解説します。解体業者の場合には単に従業員数の違いだけではなく、請け負う解体工事の種類や規模も異なります。
自分の解体ケースに合った業者を選べるように、それぞれの違いを今のうちにチェックしておきましょう。
大手解体業者の特徴
大手解体業者の特徴は、古くから建設業に参入し、現在では東京・大阪・愛知などの大都市以外の地方や海外にも支店を持ち、全国規模で解体工事を請け負っている点です。一般的な大企業と同じように、総従業数が1,000人を超える企業も多くあります。
また解体業以外にも広く事業を手がけ、家のことに関することなら幅広く対応してもらえます。解体業に関しては、高層ビルや商業施設など、大規模な解体工事を企業や自治体から受注しています。
中規模の解体業者の特徴
中規模の解体業者は、平成から解体業に参入し比較的新しい業者も多く、創立されてから10〜20年ほどの企業が一般的です。東京・神奈川・千葉といったいくつかのエリアで解体業を営んでいる企業が多くあります。従業員数は10〜100名程度で構成され、熟練した技術を持つ職人も在籍しています。
また中規模の解体業者は、個人向けの解体工事を主に受注しており、「プチ解体」と呼ばれるカーポートやベランダなどの付帯物の解体工事も請け負っています。
小規模の解体業者の特徴
小規模の解体業者は、比較的最近に解体業を始めた業者から家族代々引き継ぎながら長年解体工事を請け負っている業者まで、さまざまです。
また小規模の解体業者の多くが、地方のハウスメーカーや工務店、大手解体業者の下請け契約をしています。多くても10名程度の少人数の従業員しか在籍していないため、大規模な解体工事はほぼ請け負っておらず、個人向けの木造家屋解体業に特化している場合が大半です。
【2023年最新】大手解体業者の売上ランキングTOP5!
こちらでは「全国に展開する大手解体業者」について、2023年度前期の売り上げ順に5つまとめました。大手解体業者について、どのような企業があるかイメージをつかみたい方は順番にチェックしてみてくださいね。
1.鹿島建設
「鹿島建設」は、世界貿易センタービルディングなどの超高層ビルの解体や、六本木ヒルズ森タワーなどの建設工事など、有名な建築物の建設・解体を手がける大手企業です。
また環境にも考慮した事業が特徴的で、同社では「鹿島スラッシュカット工法」と呼ばれる、二酸化炭素の排出を削減し環境に配慮する手法を開発しています。
2.大林組
「大林組」は高層ビルや焼却施設、大型ホテルなどの大規模な建物の解体はもちろんのこと、解体後の建設施工まで一貫してサービスを提供している建築業の大手です。
また同社では高層ビルの解体需要に合わせて「キューブカット手法」を開発し、騒音問題に考慮した工法も積極的に開発しています。
3.清水建設
「清水建設」は、設立してから長年有名建築物の建設に携わり続け、高い技術力で日本の建築業界を支えている大手企業です。過去には、日本経済新聞社などの解体工事を請け負っています。
また同社の「シミズ・クールカット」は、騒音・粉塵飛散防止に効果がある手法で、さまざまな工事に適用されています。
4.大成建設
「大成建設」は、高層ビルや病院など、公共の大型施設の建て替え工事を担っている建築業の大手企業です。
また同社では「テコレップシステム」を開発し、施工時の周辺環境と安全性の両方を改良する開発事業に力を入れています。
5.竹中工務店
「竹中工務店」は、創業してから400年以上経つ、歴史ある建築業の大手企業です。大阪に本社があることから、大阪三菱ビルや神戸御幸ビルなど関西の解体工事を主に請け負っています。
また「竹中ハットダウン工法」などを開発し、安全に配慮しながらの解体工事に定評があります。
大手解体業者に依頼するメリット
こちらでは先ほど紹介した大手企業の特徴を踏まえて、「大手解体業者に依頼するメリット」を3つ紹介します。
大規模な工事にも対応できる
大手解体業者では熟練した職人が多数在籍していることに加え、大型の重機を自社で保有しているため、高層ビルなどの大規模な工事も行ってもらえるメリットがあります。また防音効果の高い養生シート・パネルの設置や近隣住民への説明会の実施など、大規模な工事で周辺住民からクレームが発生しないようにも対応してもらえます。
そのため所持しているマンションやビルの撤去工事を任せたい場合には、大手解体業者に依頼してみると良いでしょう。
独自の工法で解体してもらえる
大手解体業者では、工法の開発事業も独自に行っています。そのため騒音や粉じんが外部へ出ないように、周辺を考慮しながら解体してもらえるメリットがあります。
特に鉄筋コンクリート造や鉄骨造などの頑丈な建物の撤去工事では、近隣住民との騒音や粉じんトラブルが発生しやすいため、さまざまな工法から選べる大手解体業者に依頼する方が安心です。
技術のムラが少ない
大手解体業者では長年解体を手がける職人が解体工事を担当するため、技術のムラが少なく、難しい工事でも丁寧に施工してもらえるメリットがあります。
建物の構造や立地条件が特殊な場合には、重機の操縦ミスや足場の設置ミスにより、大きな事故が発生しやすくなります。そのため特殊な立地条件の場合には、大手解体業者に依頼すると安心です。
大手解体業者に依頼するデメリット
メリットに続いて、「大手解体業者に依頼するデメリット」についても解説していきます。業者選びで失敗しないためにも、大手業者のマイナス面についても確認しておきましょう。
費用が高い
大手解体業者が個人向けの工事を請け負う場合には、自社で施工せずに下請けの解体業者に委託しているケースが多くあります。そのため大手が下請けの解体業者に委託する際にかかる「仲介手数料」を負担する必要があるため、同じ解体工事でも中小規模の業者に依頼する場合より高額になる傾向にあります。
そのため費用を少しでも安くしたい場合には、大手解体業者を通さず、直接中小解体業者へと依頼することをおすすめします。
要望が通らない
大手解体業者に依頼すると、下請け会社との間に1社入ることになるため、解体工事に関する要望が伝わりにくくなってしまいます。大手が下請けと費用やスケジュールなどの打ち合わせを行うため、施主本人が下請けの解体業者と話す機会がないからです。
そのため費用やスケジュールに関する相談ができなかったり、近隣住民とのトラブルが発生した場合に勝手に進められてしまったりと、コミュニケーション面でさまざまなデメリットがあります。
解体業者とのコミュニケーション不足により、金銭トラブルや訴訟問題が発生する可能性もあるため、大手解体業者に依頼する際は注意しましょう。
個人の解体工事には対応していないケースも
大手解体業者のなかには、個人の小規模な解体工事には対応していないケースもあります。例えば一般住宅にある倉庫などの付帯物の撤去作業や、空き家の解体工事は請け負っていない大手業者が大半です。
そのため見積もりを効率良く進めるためにも、個人の解体工事を大手業者に依頼する際には、業者ホームページ上の「施工事例」や「過去の実績」をチェックするようにしましょう。
中小解体業者に依頼するメリット
地域に密着したサービスを展開する中小解体業者は、大手業者にはないメリットがたくさんあります。
それでは、「中小解体業者に依頼するメリット」についても解説していきます。
コストが低い
中小解体業者の多くが直接施工を行っているため、仲介手数料がかかりません。また解体現場の近くにある業者も多いため、「重機回送費」も相場よりも安くなる傾向にあります。
このように解体工事にかかるさまざまなコストを低くできるメリットがあるため、少しでも解体コストを削減したい方は中小解体業者に依頼すると良いでしょう。
現場の職人とやり取りできる
大手に依頼する場合には下請けの解体業者が選べないため、質の悪い業者に当たることも。一方で中小業者であれば現場の責任者などと直接打合せができるため、業者の人柄や仕事に対する意識を確かめたうえで契約できるメリットがあります。
解体工事関連のトラブルや事故を避けるうえでは、職人と直接話してから契約できる中小業者がおすすめです。
中小解体業者に依頼するデメリット
中小解体業者に依頼するデメリットも少なからず存在します。
では、そのデメリットについても今のうちに確認しておきましょう。
優良業者を選ぶ手間がかかる
中小解体業者はホームページを運営していない業者も多く、施工事例や費用相場など業者に関する情報を得るのは簡単ではありません。そのため情報が出てきやすい大手と比べると、中小の優良業者を自分で見きわめる手間がかかるデメリットがあります。
優良な中小業者を効率良く探したい場合には、地域独自の「解体業者の一括見積もりサイト」を利用したり、地域の情報誌を活用したり、積極的にツールなどを活用すると良いでしょう。
対応できない工事もある
中小業者のなかには専用の重機を自社で保有しておらず、イレギュラー対応できない場合も。そのため地中埋設物が見つかった場合や小型重機での解体が難しいとわかった場合に、スムーズに対応してもらえないデメリットがあります。
そのためどのようなケースでも最後まで取り壊してもらえるように、中規模で重機を自社保有している業者を選ぶことをおすすめします。
優良解体業者を選んでコストカットする方法3つ
解体費用を安くするうえでは、解体業者の規模に関係なく「優良業者」を探すことが1番の近道です。こちらでは「優良解体業者を選んでコストカットする方法」を3つ紹介します。
特に費用面を重視して業者を検討したい方は、それぞれ参考にしてみてください。
1.複数の業者の見積もりを比較する
どのような規模の解体業者に依頼する場合にも、複数の業者の見積もりを比較するようにしましょう。それぞれの業者で工法や持っている重機が違うため、金額面で大きく変わってくるからです。
そのため少しでも費用を安く抑えたい場合には、1社だけで決めてしまわずに、相対的に比べることをおすすめします。
2.建設業許可をチェックする
解体工事によって必要な免許が細かく異なるため、注意が必要です。特に解体工事を依頼する前には、業者が「建設業許可」を持っているかどうかをチェックするようにしましょう。建設業許可とは、500万円以上の解体工事を請け負う元請け・下請け業者に必要な許可です。
建設業許可を所有していない業者や「解体業登録」しか許可を得ていない業者に依頼してしまうと、自分の解体ケースが500万円を超える場合に施工してもらえない可能性があります。新たに対応してもらえる業者を探す分の費用と時間が無駄になってしまうため、「建設業許可」だけでも確認してから依頼すると良いでしょう。
関連記事:解体工事には免許がいる?プロが良い業者の見極め方や注意点を解説
3.繫忙期に依頼しない
解体業者のなかには、公共工事を多く請け負っている業者もあります。そのため公共工事の繁忙期には人手に余裕がなく、依頼すると工期が通常よりも長くなったり、人件費が高騰している関係で基本料金が高くなったりと、スケジュールと費用面でデメリットがあります。
同じ建物の解体工事でも時期が異なるだけで費用や坪単価に大きく差が出てきてしまうため、安く済ませたい場合には、繁忙期は避けてスケジュールを組むようにしましょう。なお業者の繁忙期は一般的に「12〜3月」なので、それ以外の時期で依頼することをおすすめします。
解体工事の質は「規模」で決まらない!正しい見きわめ方とは?
大手解体業者だと一定基準の職人が在籍しているため、技術にムラが少なく安心できます。ただし大手のなかには現場の近くに事務所がないために、重機回送費用が割高になるといったデメリットも多くあります。
一方で中小業者では情報が少ない分、優良業者を探す手間がかかりますが、施工する職人の人柄を見てから契約できるメリットがあります。
そのため大手と中小それぞれでメリットとデメリットがあるため、規模で決めずに適切な業者を見きわめることが大事です。解体業者を選ぶ際には、「施工実績・免許・見積もり」の3つを押さえると良いでしょう。特に見積もり依頼時には、職人の対応力や見積書の内容をしっかりと確認することをおすすめします。
トラブルなくスムーズに進めてもらうためにも、規模以外の基準で業者を探すようにしましょう。
関連記事:家の解体業者の損しない選び方!トラブルを避ける方法も解説
まとめ
解体業者には、大手から中・小規模までさまざまな規模の業者が存在します。大手では大規模な工事に対応できるメリットがあり、一方で中小業者には職人との密なコミュニケーションが取れるメリットがあります。
大手にも中小にも良い面と悪い面があるため、規模に依らず解体に関する経験や知識が豊富で信頼できる業者を見きわめることが大事です。
東京都目黒区の株式会社上池解体興業(BOCCOS/ボッコス)では、解体工事をフルサポートしております。東京都内を中心に関東地域において「木造家屋・マンション・アパート・店舗内装」などの解体工事を承っており、難しい解体工事の実績も豊富です。また当社では丁寧なサービスや近所間のトラブル対策を心がけておりますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。お見積もりは無料ですので、当社ホームページ上の「電話やメール」からお気軽にお問い合わせください。