コンクリート造の建物や駐車場の解体費用は、高くなる傾向があります。そのためコンクリート造の建物を壊す予定の方のなかには、「解体単価を下げる方法は?」「単価や費用はどうやって決まるの?」と、費用について疑問がある方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、コンクリート解体の単価相場や単価が決まる要素、安くするコツについて紹介します。解体工事のプロである「株式会社上池解体興業」が初めての方にもわかりやすく責任を持ってご説明しますので、参考にしてみてください。
【種類別】コンクリート解体の単価相場
コンクリートの解体にはお金がかかるとはいえ、実際のところいくらくらい必要になるかご存じでしょうか?ここでは「コンクリート解体の単価相場」について、以下の4つの種類別に紹介します。
- ・鉄筋コンクリート造の建物
- ・駐車場
- ・土間コンクリート
- ・ブロック塀
鉄筋コンクリート造の建物
単価相場:1坪あたり3~8万円
鉄筋コンクリート造の建物には一般住宅だけでなく、高層ビルやマンションなどの大規模な物件も含まれます。RC造の解体単価は坪数が多いほど低くなる傾向があるため、「一般住宅は5〜8万円」「ビル・マンションは3〜5万円」といったように建物の種類で大まかに分けることができます。
駐車場
単価相場:1平方メートルあたり5~8千円
駐車場の解体は、床面のコンクリート舗装を壊す工程のみで済むケースが一般的です。そのため解体に複雑な工程を必要としないため、コンクリート造の建物と比較すると単価相場は低めです。ただし厚みのあるコンクリートで舗装されている駐車場は、解体に手間がかかるため高くなる傾向があります。
土間コンクリート
単価相場:1平方メートルあたり700~1,500円
土間コンクリートとは「敷き詰めた砂利の上をコンクリートで打ち固めた床」のことで、昔の家の「台所や玄関」によく見られます。
駐車場と同じく、コンクリートの厚みが増すとその分単価が高くなります。ただし室内にある土間コンクリートの場合は、建物本体と一緒に撤去すれば単価の割引が可能です。
ブロック塀
単価相場:1平方メートルあたり3~5千円
ブロック塀は、面積によって単価相場が違います。特に一般住宅のブロック塀は面積が小さく手壊しで比較的簡単に壊せるため、単価は低めです。一方で「万年塀」の解体は、支柱の基礎も撤去する必要があり、一般的なブロック塀と比較し手間とテクニックが必要になるため、単価相場が「8千円以上」になるケースもあります。
コンクリート解体単価を決める要素
コンクリートの解体単価は、建物自体の特徴や場所によって大きく変わります。ここでは「コンクリート解体単価を決める要素」について、以下の5つを紹介します。
- ・鉄筋の有無
- ・規模
- ・敷地の広さ
- ・近隣の住環境
- ・周辺の道幅・交通量
鉄筋の有無
コンクリートの解体単価は、「鉄筋の有無」で大きく異なります。鉄筋がある分、解体の手間がかかるからです。一般的に鉄筋なしの解体単価と比べて、鉄筋ありの方が1.5倍ほど高くなる傾向にあります。
規模
コンクリートの解体単価を決める要素のなかで、解体対象の「規模」がもっとも大きな要素です。規模や面積の大きさで、作業量が左右されるからです。
例えば鉄筋コンクリート造の建物の場合、「30坪以下は2万円〜」「100坪以上は5千円以下」といったように、コンクリートの解体面積ごとに単価の目安が決められています。
敷地の広さ
コンクリートの建物を解体する場合には、「敷地の広さ」によっても解体単価が決まります。解体施工中に重機を敷地内に置けるかどうかによって、単価が変わるからです。
例えば敷地が十分広い場合には、重機を敷地内に置くことができるため、解体単価が安くなる傾向にあります。一方で敷地が狭い場合には、駐車スペースを確保する必要が出てくるため、単価相場よりも高くなってしまいます。
近隣の住環境
解体対象の建物本体や付帯物の条件に加え、「近隣の住環境」も解体単価を決める要素に含まれます。コンクリートの解体は大きな騒音や振動をともなう工事であるため、周りの住環境に合わせて養生シートや工法を変える必要があるからです。
例えば「住宅密集地」のコンクリート造の建物解体では、騒音や粉じん飛散を軽減するために、「防音パネルや防音シート」で徹底的に対策されます。そのため建物の周辺環境によっては「養生にかかる費用」が上乗せされ、解体単価が高くなるケースもあります。
周辺の道幅・交通量
「周辺の道路状況」も解体単価を決める要素の一つです。周辺道路の道幅や交通量によって、工法の変更が発生するからです。
例えば建物周辺の「道幅が狭い」場合には大きな重機の運搬ができないため、小さな重機や手壊し解体に変更となり手間が増える分、単価が高くなるケースがあります。
また「車の交通量や人通りが多い道路に面している」場合には、「交通誘導員」を手配する必要があるため単価が高くなります。
鉄筋コンクリート造の建物を解体する流れ
鉄筋コンクリート造の建物を解体する手順を知っておくことで、値引き交渉や費用を相談するタイミングを見きわめられます。そのため少しでもお得に解体したい方は、大まかな流れを知っておくと良いでしょう。
鉄筋コンクリート造の建物の解体は、一般的に以下の4つの工程で進みます。またそれぞれの工程で「施主・解体業者がそれぞれ行うこと」もまとめたので、確認しておきましょう。
大まかな工程 | 施主側が行うこと | 解体業者側が行うこと |
1.契約前 | ・業者選定
・問い合わせ ・見積もり比較 ・本契約 |
・現地調査
・見積書提示 |
2.解体前準備 | ・ライフライン停止手続き
・補助金やローンの申請 ・建物内の不用品処分 ・業者と一緒に近隣住民への挨拶回り ・着手金支払い |
・解体に必要な届出手続き
・アスベスト調査 ・施主が残した残置物撤去 ・足場や養生シートの設置 |
3.解体工事 | 必要に応じて工事の進捗確認 | ・建物内部の取り壊し
・屋上部分の撤去 ・基礎解体 ・地中埋設物撤去 |
4.解体後処理 | ・解体後の土地確認
・近隣住民への完了報告 ・追加費用の確認 ・業者への支払い ・建物滅失登記申請 |
・埋戻し工事
・整地と清掃 |
解体単価の値引き交渉は、契約前の「見積もり比較」のタイミングがおすすめです。単価相場や一括見積もりサイトの情報を参考に、業者に掛け合ってみてください。そして複数の業者の見積書を比較し、もっとも納得がいく見積書を提示してきた業者と契約しましょう。
また解体費用をお得にするうえでは、「解体前準備」が重要です。特に「建物内の片付け」は業者にしてもらうと費用がかかるため、時間をかけてでも自分で行うことをおすすめします。
後処理の工程における「追加費用の確認」も大事です。「追加費用が高額すぎる」「あいまいな費用がある」などの疑問点があれば、業者に確認を取りましょう。
コンクリートの解体費用が高くなる理由
コンクリートの解体単価は、さまざまな要因で高くなってしまいます。ここでは「コンクリートの解体費用が高くなる理由」について、以下の3つを紹介します。
- ・処分費用が割高なため
- ・特殊な重機と技術が必要なため
- ・アスベストが使用されているケースが多いから
処分費用が割高なため
コンクリート解体で出る産業廃棄物のなかで、もっとも多いものが「コンクリートがら」です。ほかの廃材と比較すると、コンクリートがらの処分費用は割高であるため、解体単価も高くなってしまいます。
例えば「小さい無筋・有筋のコンクリートガラ」の処分単価相場は「1立方メートルあたり5〜8千円程度」で、比較的安く収まります。ただし「万年塀や1辺が50センチ以上の大きなコンクリートがら」は「1立方メートルあたり1.2〜1.5万円」もかかり、廃棄物のなかでも高額な方に分類されます。
コンクリート解体では産業廃棄物の処分費がかかる分、解体単価も高めに設定されています。
特殊な重機と技術が必要なため
鉄筋コンクリート造の家やビルは、とても頑丈です。そのため木造家屋の解体で使っているような重機や工法では、解体できないケースがあります。
コンクリート解体には特殊な重機と熟練した技術が必要になるため、重機リース代や人件費が上乗せされ、解体単価が高くなります。
アスベストが使用されているケースが多いから
昭和30年ごろから平成元年までに建てられた「鉄骨鉄筋・鉄筋コンクリート造のビルや駐車場、倉庫」には、アスベストが使われているケースが多くあります。また古い家にある「車庫の屋根や壁」に、アスベストが含まれている可能性も。
そのためコンクリートの建築物を解体する際には、アスベストを除去する費用も加わるため、解体単価が高くなってしまいます。
なおアスベストについて詳しく知りたい方は、こちらをチェックしてみてください。
『アスベストの解体費用相場は?場所別の目安や安くするコツも紹介』
コンクリートの解体単価を安くするコツ3つ
コンクリートの解体単価は少し工夫すれば、安く済ませることができます。ここでは「コンクリートの解体単価を安くするコツ」について、以下の3つを紹介します。
- 1.コンクリート解体の経験が豊富な業者に依頼する
- 2.近隣住民へのあいさつを必ず行う
- 3.補助金を活用する
コンクリートの解体費用を安く抑えるためにも、今のうちに確認しておきましょう。
1.コンクリート解体の経験が豊富な業者に依頼する
解体単価は業者によって設定が異なるため、単価を安くするうえでは「どのような業者を選ぶか」がかなり重要です。
コンクリート解体が得意な業者に依頼すれば、コンクリート専用の重機を所持している場合があり、「重機リース代」がかからないことも。また丈夫な養生シートを持っている場合も多く、「仮設養生費」も安く抑えられるケースもあります。
そのため契約前の段階で業者の「施工実績」をしっかりと確認し、コンクリート解体に豊富な経験を持つ業者に依頼すると良いでしょう。
なお業者選びのコツは、こちらをチェックしてみてください。
『家の解体業者の損しない選び方!トラブルを避ける方法も解説』
2.近隣住民へのあいさつを必ず行う
コンクリートの解体工事中は騒音や粉じんが発生しやすく、近隣住民とのトラブルや大きな問題に発展するケースが少なくありません。そのためトラブルを避けるうえで、工事開始前に近隣住民へ「工事で迷惑をかけること」を伝えておくことをおすすめします。
解体業者のなかには挨拶のポイントをわかりやすく教えてくれるだけでなく、施主と一緒に挨拶回りを行ってくれる業者もいます。そのため1人でするのが不安な場合には、遠慮せず解体業者に相談してみてくださいね。
3.補助金を活用する
解体費用を安くするうえでは、補助金の活用もおすすめです。
以下の表に「コンクリートの建物や付帯物の解体に利用できる補助金の事例」をいくつかまとめました。
補助金名 | 提供自治体 | 概要 | 補助金額 |
ブロック塀等安全対策促進助成制度 | 東京都 西東京市 | ブロック塀の除去や建て替え工事にかかる費用の一部を助成する制度 | 工事費用(税抜)の3分の2 |
空き家リフォーム補助事業 | 神奈川県 二宮町 | 「空き家バンク」に登録された空き家をリフォームする際に必要な費用を助成 | ・工事費用(税抜)の2分の1
・上限50万円 |
民間建築物のアスベスト除去等に対する補助制度 | 埼玉県(さいたま市等の12市を除く) | 延べ面積が1,000平方メートル未満の民間建築物を対象としたアスベスト含有吹付け材の事前調査・除去費用の補助制度 | 除去工事費の3分の2 |
上記のようにコンクリート解体向けの補助金では、面積等の「対象建築物」や「工事内容」などの条件が細かく指定されています。そのため自分のケースが当てはまるかどうかわからない場合には、一度解体業者や自治体の窓口に相談することをおすすめします。
コンクリート撤去単価を安くするなら「解体業者」へ直接委託がおすすめ
コンクリートの撤去費用を安くしたいなら、解体のプロである「解体業者」と直接契約すると良いでしょう。
もちろん、ハウスメーカーや工務店、不動産会社など、他業者にも解体を依頼できます。とはいえ解体専門でない会社はコンクリートの解体に慣れていないことが多く、工期の延長が発生し解体費用が余分にかかってしまう可能性も。また建て替え時に工務店に解体を依頼してしまうと、下請けの解体業者とコミュニケーションを取る機会がなく、価格交渉や相談ができないデメリットがあります。
一方で解体業者はマンションや事務所の撤去工事に慣れているため、無駄なくスムーズに解体を進めてくれます。また建物の種類や状況に合わせて、お得な補助金を詳しく教えてくれるでしょう。
そのためコンクリートの解体単価や費用をお得にしたい場合には、解体業者へ直接委託することをおすすめします。
まとめ
コンクリート解体単価は、以下のように種類別で決められています。
- ・鉄筋コンクリート造の建物:1坪あたり3~8万円
- ・駐車場:1平方メートルあたり5~8千円
- ・土間コンクリート:1平方メートルあたり700~1,500円
- ・ブロック塀:1平方メートルあたり3~5千円
解体単価は「鉄筋の有無や規模、住環境」など、さまざまな要素で決まります。そのため同じコンクリート造の建物でも単価が大きく異なる場合があるため、業者ホームページ上で公開されている解体単価を参考にする際には注意が必要です。
またコンクリート造の解体にかかる費用をできる限り安くするためには、「建設業者やリフォーム会社」など解体のプロではない業者に依頼するのではなく、解体に関する豊富な知識と高い技術力を持っている「解体業者」がおすすめです。
東京都目黒区の株式会社上池解体興業(BOCCOS/ボッコス)では、解体工事をフルサポートしております。東京都内を中心に関東地域において「ビル・マンション・アパート・店舗内装」など、コンクリート造の建物の解体工事も承っており、難しい解体工事の経験も十分です。また当社では丁寧なサービス対応を心がけておりますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。お見積もりは無料ですので、電話・メールからお気軽にお問い合わせください。