アスベストの解体費用相場は?場所別の目安や安くするコツも紹介
アスベストの解体費用は、施主が負担する必要があります。
そのため解体を予定している方のなかには「屋根と壁のアスベスト解体費用は同じ?」「解体費用を安く抑える方法が知りたい」と、疑問や興味がある方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、アスベストの解体費用相場や場所別の目安、安くするコツについて徹底的に紹介します。解体工事のプロである「株式会社上池解体興業」が初めての方にもわかりやすく責任を持ってご説明しますので、参考にしてみてください。
アスベストが使用されている可能性が高い建物
アスベストはビルや一戸建て住宅など、あらゆる建築物に使用されています。
アスベストが使用されている可能性が高い建物や場所は、以下の通りです。
- ・鉄骨構造の柱・梁・エレベーター
- ・ビルのボイラー室や機械室の天井・壁
- ・工場や病院、公共施設などの床・屋根・煙突
- ・古い木造家屋の洗面所や台所
- ・アスベストが一般住宅に普及した「1960〜1990年代」に建てられた家
アスベストは耐火性や防音性、断熱性など頑丈な建物を作るうえで必要となる性質を多数有しているため、人が多く集まる場所や水回りを中心に使用されていました。
また法律によりアスベストの使用が全面禁止された「2006年」以降に建てられた家は安全な可能性が高いですが、法規制前に建築された家は注意が必要です。
アスベスト解体工事の費用相場
アスベスト解体工事の費用は、処理面積によって大きく変わります。
下記の表にて「3つの面積別にアスベストの除去工事の費用相場」をまとめましたので、参考としてご覧ください。なお調査内容は「2007年度の施工データ」から算出された金額であり、現在とは異なる可能性もあるため注意してください。
処理面積 | 費用相場 |
300㎡以下 | 2~8.5万円/㎡ |
300〜1,000㎡ | 1.5~4.5万円/㎡ |
1,000㎡以上 | 1〜3万円/㎡ |
同じ面積のなかでも費用金額に差がある理由は、屋根や天井など「アスベストがある場所」によって費用が異なるからです。
次の章にて場所別に除去費用相場を紹介しますので、あわせて確認してみてください。
【場所別】解体工事でのアスベスト除去費用
アスベストを含む住宅をすべて解体する際の費用相場は「100〜300万以上」です。
200万円もの差がある理由は、場所の除去難易度や周辺状況などの違いにより費用が大きく異なるからです。こちらでは「アスベスト入り建築物の解体費用相場」について、以下の6つの場所別に紹介します。業者から出してもらう見積もり価格が適正かどうかを判断するために、今のうちに確認しておきましょう。
- 1.屋根
- 2.柱・梁
- 3.天井
- 4.内壁
- 5.外壁
- 6.配管
屋根
相場:1平方メートルあたり2〜5千円
屋根材の撤去方法は主に「カバー工法」と「葺き替え工事」の2種類。カバー工法は古い屋根は取り壊さず別の屋根材を取り付ける方法なので、まったく新しい屋根材に替える「葺き替え工事」の費用の方が高額です。
アスベストが含まれている可能性のある屋根としては、特に法規制で禁止される2006年以前に建築された家屋の「スレート屋根やセメント瓦」が該当します。
柱・梁
相場:1平方メートルあたり2.0~8.5万円
柱には「吹付けアスベストや吹付けロックウール」など、飛散性が高く危険なアスベストが使われていることが多く、費用が高くなる傾向にあります。
アスベストが吹き付けられている可能性のある柱や梁には、耐火被覆が必要な「鉄骨造建築物の梁や柱」が挙げられます。一方で木造住宅においては、アスベストを含む柱が使用されている可能性は低いです。
天井
相場:1平方メートルあたり1.5~8.5万円
アスベストが含まれている可能性のある天井材は、主に「ロックウール吸音天井板」「バーミキュライト」「石膏ボード」です。
内壁
相場:1平方メートルあたり1~4.5万円
一般住宅の内壁にアスベストが使用されていることは稀で、また含まれていてもごく少量です。そのためトータルの除去費用は、ほかの建材と比較すると安くなる傾向にあります。
外壁
相場:1平方メートルあたり2〜9万円
外壁には有害性が高いアスベストが使用されていることが多く、内壁と比較し除去費用が割高になります。
外壁でアスベストが多用されていたのは、「仕上げ塗装材や下地材」部分です。ひび割れ等の劣化が激しい場合や、塗装に伴い高圧洗浄を実施する場合には、アスベストが飛散する可能性が高くなるため外壁の撤去を行う必要があります。
配管
相場:1平方メートルあたり1〜6万円
非常に危険性が高く慎重な作業を要するアスベストが使用されている配管もあるため、費用が高くなる傾向にあります。
アスベストが含まれている可能性のある配管は、主に工場や倉庫への使用が一般的でした。そのため保温の必要がない一般住宅の配管に含まれるのは稀です。
アスベストの解体費用が高くなる3つの要素
アスベストの解体費用が通常よりも高くなるケースがあるのをご存知でしょうか?主に次の3つの要因があります。
特に複数のアスベスト含有建材の解体を計画している方は、それぞれ参考にしてみてください。
- ・アスベストレベルの高さ
- ・面積の広さ
- ・除去工法
1.アスベストレベルの高さ
アスベストは発じん性(飛散性)の高さで、「1〜3」のレベルに分類されます。
危険レベルがもっとも高い「レベル1」の除去作業の費用は、作業時のリスクが上がるため割高に設定されています。
以下の表にて「アスベストレベル別の除去費用目安」をまとめました。
アスベストレベル | 具体例 | 除去費用目安 |
レベル1 | ・吹付けアスベスト ・アスベスト含有吹付けロックウール | 1.5〜8.5万円/㎡ |
レベル2 | ・断熱材 ・保温材 ・耐火被覆材 | 1〜6万円/㎡ |
レベル3 | 石綿含有成形板 | 3千円〜/㎡ |
上記の表より、レベル3と比較してレベル1・2の費用は「3倍以上」高くなることがわかります。ただしレベル3の建材は種類が多く、費用目安から大きく異なる場合もあるため、見積もりの段階で業者に確認を取ることをおすすめします。
2.面積の広さ
アスベストの解体費用は、基本的に「アスベストのレベルと除去面積」で決まります。そのため除去する面積が広いほど、費用が高くなる傾向にあります。
またアスベストを取り除く面積が多いと除去後の廃材も大量になるため、全体的に高額な解体費用が請求されます。
3.除去工法
同じ建材に対してもさまざまな除去工法があり、工法により費用が異なります。
例えば、以下の「石綿含有仕上塗材の3つの除去工法」にあるように、主に「工法の難易度と追加施工」がコストに影響を及ぼします。
除去工法名 | 工法の特徴 | コスト面 |
---|---|---|
剥離剤併用手工具ケレン工具 | ・専用器具で剥離させる工法で作業が簡単 ・下地までは除去不可能 | ・比較的低コスト ・ただし完全剥離ができないため、追加施工が必要となり余分に費用がかかるケースも |
ウォータークリーン工法 | ・超高圧水で除去する工法 ・湿潤化し飛散を抑制しながら、下地まで確実に除去できる | ・湿潤化および吸引機能が備わっているため養生不要であり、養生作業分の費用削減可能 |
選ぶ工法によって費用が変わるため、多種多様な工法を扱える業者に依頼すると解体費用を安くできる可能性があります。
アスベストを含む建物の解体費用を安くする2つのコツ
アスベストの解体費用は、少し工夫することで相場よりも低く抑えることができます。こちらでは「アスベストを含む建物の解体費用を安くするコツ」について、以下の2つを紹介します。安くできるポイントを理解し、解体費用の負担を少なくしましょう。
1.アスベストの解体が得意な業者に依頼する
アスベストの解体を担っているすべての業者が、高い専門性を持つわけではありません。実際のところエクステリア会社等の専門外の業者はアスベスト専門業者と委託契約を結び、直接施工しないケースも。下請け会社が存在する場合には、仲介手数料や紹介料が別途かかるため注意が必要です。
またアスベストの解体に慣れていない業者の場合には一般的な工期よりも長くかかり、費用が相場よりも高くなる可能性もあります。
そのためアスベスト関連の費用を安くするためには、複数の業者の見積もりを比較したうえでアスベストの解体が得意な業者に直接依頼すると良いでしょう。
2.自治体の補助金を利用する
事前調査やアスベストレベル1の解体工事には、地方公共団体の補助金を利用できる場合があります。アスベスト解体用の補助金のなかには、「300万円以上」も助成してもらえる制度も。
以下の表にて自治体から提供されている補助金を簡単に紹介しますので、参考としてご覧ください。
制度カテゴリー | 補助金制度名 | 提供自治体 | 概要 | 補助内容・金額 |
---|---|---|---|---|
アスベストの事前調査 | 目黒区アスベスト(石綿)調査助成制度 | 東京都目黒区 | ・建築物におけるアスベスト含有の有無等を専門の調査機関に分析調査を依頼する場合に、必要な費用を一部助成 ・ただし「吹付け材・耐火被覆材・保温材・断熱材・仕上げ塗材」を対象とし、「スレート板」は対象外 | ・費用の半額を助成 ・上限金額:一戸建ての場合は10万円 |
アスベスト解体工事 | アスベスト対策助成事業 | 東京都品川区 | 吹付けアスベスト・石綿含有吹付けロックウールのうち、アスベストを0.1%以上含有するものの除去工事費を助成 ・ただし「アスベスト含有成形板」等の吹き付け材に該当しないものは対象外 | ・除去工事費の3分の2相当 ・上限金額:一戸建ての場合は50万円 |
上記の補助金制度のように、助成する対象の条件は自治体によってさまざまです。そのため補助金を検討したい方は、必ず「各自治体や国土交通省のWebサイト」もチェックするようにしましょう。
建物の解体以外にかかるアスベスト関連費用
先述したアスベストの除去・解体費用以外にも、請求される費用があります。
こちらでは「建物の解体以外にかかるアスベスト関連費用」について、以下の2つを紹介します。
それぞれにかかる費用目安の解説も行いますので、アスベストの解体工事を予定されている方は今のうちに確認しておきましょう。
アスベスト事前調査費用
アスベストの解体着工前には「アスベスト含有の調査」が大気汚染防止法により義務付けられており、調査に関する費用は「アスベスト事前調査費用」と呼ばれる項目で請求されます。
アスベスト調査では専門の調査員による「現地調査やアスベスト含有率分析検査、調査結果報告書の届出手続き」など、さまざまな流れで行われます。複数の工程を経るため決して安いものではなく、事前調査だけでも「約1〜33万円」かかります。
アスベスト関連の費用を抑えたい方は、解体工事だけでなく事前調査も得意な業者に依頼すると良いでしょう。
アスベスト処理費用
アスベストの除去作業完了後には、法律で定められた方法に従い廃棄物として処分しなければなりません。廃棄物処理にかかる費用は「アスベスト処理費用」として計上されます。
以下の表にあるように、アスベストの処理費用は「飛散性アスベスト廃棄物」と「非飛散性アスベスト廃棄物」で異なります。
廃棄物の種類 | 廃棄物の詳細 | 処理費用目安 |
---|---|---|
飛散性アスベスト廃棄物 | ・除去された吹付け石綿等の飛散する恐れのあるもの ・「特別管理産業廃棄物」に指定されているもの | 5万円〜/㎥ |
非飛散性アスベスト廃棄物 | ・全重量の0.1%を超える分の石綿が含まれる産業廃棄物 | 3万円〜/㎥ |
またこれらの廃棄物を処理するには、除去作業現場から運搬する必要があります。
そのため運搬を別業者に委託する場合には、「運搬仲介費用」も処理費用に加えられるため注意してください。
建物解体に伴うアスベストの悩みは解体業者へ相談
建物解体に伴うアスベストの悩みや問題は、解体業者へ相談しましょう。
もちろん、ハウスメーカーや不動産会社、工務店など、ほかの業者を通じてアスベストの解体工事の依頼や相談が可能です。とはいえ解体が専門でない会社はアスベスト関係の補助金等の情報を正確に把握していないことが多く、お得な助成金を活用できない可能性があります。また建て替えの際に工務店に解体を依頼してしまうと、下請けの解体業者とコミュニケーションを取る機会がなく、希望の解体工法で行ってもらえない可能性も。
一方で解体業者はアスベストに関する助成金について熟知しているため、施主からの質問にも丁寧に対応できます。また解体のプロであるため、難易度の高い工法や最新の工法に対応している業者もいます。
そのためアスベストの解体工事がはじめての方は特に、アスベストの扱いに慣れている「解体業者」がおすすめです。
まとめ
アスベスト入りの家を壊す工事全体にかかる費用は、「100〜300万円」が相場です。建築物別の相場は「1平方メートルあたり1〜8.5万円」と、面積や場所によって大きく異なります。アスベストレベルが高い建材が多用されている家や坪面積が広い場合には、費用が高くなる傾向にあるため注意が必要です。
またアスベスト解体費用を安く抑えたい方は、「建設業者やリフォーム会社」など解体のプロではない業者に依頼するのではなく、解体に関する豊富な知識と実績を有する「解体業者」がおすすめです。
東京都目黒区の株式会社上池解体興業(BOCCOS/ボッコス)では、解体工事をフルサポートしております。東京都内を中心に関東地域において「木造住宅・ビル・店舗内装」などの解体工事を承っており、難しい解体工事の経験も豊富です。また当社では丁寧なヒアリングを心掛けておりますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。お見積もりは無料ですので、電話やメールからお気軽にお問い合わせください。
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