近隣の解体工事のせいで家が揺れる!相談先やトラブル対策方法を紹介
近隣の解体工事のせいで家が揺れて耐えられない。「解体業者にクレームを入れるべき?」「どこに相談すれば良いの?」と、不安に思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では解体工事のプロである「株式会社上池解体興業」が、解体工事の振動トラブルで押さえておくべき以下の情報をまとめて紹介!
- ・クレームを入れる基準
- ・解体工事で振動が発生する原因
- ・解体工事施工開始から後始末までの解体スケジュール
- ・被害を受けたときの対応手順と相談先
初めての方にもわかりやすく責任を持ってご説明しますので、参考にしてみてください。
解体工事で家が揺れる!クレームを入れる基準とは
近隣の解体工事にともない自宅で揺れを感じるときは、なるべく早めにクレームを入れるようにしましょう。対応が遅れると、自宅の壁にヒビが入ったり、睡眠障害・体調不良になったりと、被害が大きくなっていくからです。
とはいえ、苦情を入れることに抵抗がある方も多いかと思います。以下の表にて国や地方公共団体で定められる「解体工事の振動に対する規制基準」をまとめたので、クレームを入れる目安として参考にしてみてください。
規制対象 | 規制法令等 | 振動の規制基準値 |
くい抜機を使用する作業 | 振動規制法 | 75デシベル |
ブルドーザーやパワーショベル等の掘削機械を使用する作業 | 環境確保条例(東京都) | 70デシベル |
バックホウを使用する作業 | 低騒音型・低振動型建設機械の指定に関する規程(国土交通省) | 55デシベル |
上記より、基準値とされる「55〜75デシベル」を超える振動が確認された場合には、各行政機関に相談してみると良いでしょう。
ただし規制基準はあるものの、振動に対しては「受忍限度論」も重視される傾向にあります。受忍限度論とは、「日常生活を営むうえで我慢できる範囲を超えた被害は違法」とする考え方のことです。振動の被害においては、法律上の基準だけでなく、被害者側の主観も考慮されます。
したがって普段の暮らしを営むうえで支障が出ている場合には基準値未満であっても、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
解体工事で揺れる原因
そもそも解体工事で、なぜ振動が発生するのかご存じでしょうか?ここでは「解体工事で揺れる原因」について、以下の3つを紹介します。
- ・家の基礎解体
- ・重機の搬入・搬出
- ・掘削
家の基礎解体
解体工事の全工程のうち、家の基礎解体はもっとも振動がひどくなる工事です。基礎は地面に接しているため、重機で解体する際に地面を通じて伝わってきやすいからです。
また基礎の種類のなかでも「杭基礎」の撤去工事は、地面の深くまで打ち込まれた杭を引き抜く必要があるため、大きい振動が発生する傾向があります。
重機の搬入・搬出
解体工事現場までの走行ルートの周りでは、重機の搬入と搬出でも揺れが生じます。重機を載せたトラックや2トンもの重い重機が道路を走るたびに、その衝撃が地面を通じて伝わるからです。
なお「重機の走行にともなう周辺道路の振動」についても規制基準が定められている場合があるため、気になる場合には行政や業者に相談してみると良いでしょう。
掘削
掘削は、地面に埋まっている基礎やゴミなどの「地中埋設物」の確認や、敷地内の樹木を抜根するときに行われる工事です。掘削は地中まで重機を使って地中を掘り進める作業であるため、地面を通じて振動が伝わってきます。
なお掘削については、衝撃が強くなる工法や乱暴な運転を避けるように指定されています。
揺れるのはいつまで?解体工事のスケジュールをチェック
ここでは「解体工事施工中のスケジュール」を簡単に紹介します。木造住宅の解体工事では、以下のようなスケジュールで実施されます。
工程 | 期間目安 |
足場・養生シート設置 | 1〜2日 |
重機搬入 | 半日以内 |
屋根解体 | 1日程度 |
手壊しで内装解体 | 3日程度 |
重機で建物本体の解体 | 3〜7日 |
重機で基礎部分解体 | 2日程度 |
掘削で地中埋設物確認 | 1日程度 |
重機搬出 | 半日以内 |
整地・清掃 | 1日程度 |
木造家屋の解体工事は、一般的に「2〜3週間程度」で完了します。全工程のうち、重機の搬入・搬出はそれぞれ「半日程度」で、工事用車両による揺れに対するストレスを感じる期間は比較的短めです。一方で重機を使った建物本体〜基礎解体工事は「1週間以上」かかるケースもあるため、重機が原因の揺れには長時間耐える必要があります。
建物の構造や立地条件によってそれぞれの工事内容に必要な期間が変わるため、気になる方は業者に聞いてみると良いでしょう。
なお解体工事の全体スケジュールは、以下の記事をご覧ください。
『家の解体工事スケジュールは?全体の流れやかかる日数の目安を解説』
解体工事による振動被害を受けた時の対応手順
やみくもに振動に関するクレームを入れても、相手にされない可能性があります。ここでは「解体工事による振動被害を受けたときの適切な対応手順」について、以下の流れで紹介します。
1.家の状態や振動を動画で記録する
まず「家の状態や振動を動画で記録」しましょう。記録が必要な理由は、被害状況を証拠として残しておくことで、専門家に被害を説明する際に説得力が増すからです。「外壁・窓への傷や破損したモノ」があれば、動画や写真を撮って保存しておくと良いでしょう。
2.専門家に相談する
次に記録内容をもとに、どのように対処すれば良いかを「専門家に相談」しましょう。
振動関係のトラブルは複雑で、関係法令や条例もたくさんあります。そのためスムーズに解決するうえでも、自分1人で抱え込まず専門家の力を借りることをおすすめします。
解体工事で家が揺れる時に相談する先
適切な専門家に振動被害を相談することで、スムーズに解決できます。ここでは「近隣の解体工事で家が揺れる悩みを相談する先」について、以下の4つを紹介します。
- ・家主
- ・解体業者
- ・市区役所・都道府県庁などの地方公共団体
- ・公害・環境なんでも110番
家主
1つ目の相談先は「家主(解体依頼者)」です。
業者に頼みにくい場合や家主が知り合いの場合には、業者や専門家を頼るのではなく、「家主」にひとまず相談するのがおすすめです。施工している業者に家主を介して解体工事の影響で困っている旨を伝えてもらいましょう。
解体業者
2つ目の相談先は「解体業者(施工業者)」です。
建物を解体している「解体業者」に直接伝える方法が、もっとも手っ取り早い方法です。業者によっては重機の種類変更や、時間帯をズラすなどの対応をしてくれるケースもあります。
相談する際には、業者のホームページ上に掲載されている「電話・メール・LINE」などから、業者にコンタクトを取ってみると良いでしょう。
市区役所・都道府県庁などの地方公共団体
3つ目の相談先は「市区役所・都道府県庁などの地方公共団体」です。
規制基準を超える振動により近隣住民の生活に支障が出ている場合に、地方公共団体は業者や元請けに対して改善勧告や改善命令を行えます。被害者による相談内容を踏まえて、作業時間や使用重機、重機の使用方法など、振動を軽減するように業者へ直接指導してくれます。
そのため地方公共団体を頼る方法は相談したいだけでなく、具体的に解体業者へ改善を行ってほしい場合におすすめの方法です。
公害・環境なんでも110番
4つ目の相談先は「公害・環境なんでも110番」です。
あまりにも振動がひどい場合には弁護士への相談を考える方も多いと思いますが、弁護士に相談したいならまずは「公害・環境なんでも110番」を活用することをおすすめします。公害・環境なんでも110番は、振動や騒音、廃棄物など、身近な生活上の問題を弁護士に電話で相談できるサービスです。
初回は面談相談料が無料なので、積極的に利用すると良いでしょう。
悪質な解体業者の特徴
解体工事で揺れがひどいからといって、悪質な業者とは限りません。ここでは「悪質な業者の特徴」について、以下の3つを紹介します。
- ・事前の挨拶がなかった
- ・説明なしに早朝・深夜に工事をしている
- ・看板・養生シートが設置されていない
事前の挨拶がなかった
解体工事では振動トラブルのほかにも迷惑をかける可能性が高く、近隣住民とのトラブルを防ぐ対策が必要です。そのため解体工事開始前には、業者による「挨拶回りや説明会」が解体現場周辺に住む人に対して行われます。挨拶回りは、解体する家を中心に「両隣の家と裏側・道路を挟んだ向こう側3軒」に対して実施されることが一般的です。
挨拶回りをしない業者は、解体工事における最低限のマナーを守れない悪質な業者である可能性があります。そのため解体される家の隣人や近くにもかかわらず、業者による挨拶がなく振動トラブルが発生している場合には速やかに専門家へ相談すると良いでしょう。
説明なしに早朝・深夜に工事をしている
振動が出る工事ができる時間は、振動規制法により以下のように決められています。
解体作業時間の上限(1日あたり) | 作業禁止時間 | 作業禁止日 |
・閑静な住宅街や商業地域:10時間 ・工業地域:14時間 | ・閑静な住宅街や商業地域:19〜翌日の7時まで ・工業地域:22〜翌日の6時まで | ・日曜 ・日曜以外の休日 |
上記のように振動をともなう工事に対しては時間規制があるため、何の説明もなく早朝や深夜に工事をしている業者は違法な業者の可能性があります。そのため作業を中断してもらうためにも、行政機関へ相談するようにしましょう。
看板・養生シートが設置されていない
解体する家の前や防音シートに対して、「解体する旨がわかる看板の設置」が業者に義務付けられています。また解体工事にともない、「粉塵や騒音」が外部へ漏れるのを軽減するために「養生シート」の設置も必要です。
そのため看板や養生シートが確認できない工事は、悪質な業者によるものである可能性が高いといえます。ただし養生シートは解体工事の種類によっては義務でない場合もあるため、解体業者や家主に確認を取ると良いでしょう。
なお養生シートについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
『養生シートなしの解体工事は違法?対策方法を解体のプロが解説!』
【振動以外にも】近隣の解体工事でよくあるトラブル事例
解体工事をスムーズに進めるうえで、さまざまなトラブルに注意しなければなりません。ここでは「振動以外で解体工事でよくあるトラブル事例」について、以下の2つを紹介します。
粉じんトラブル
解体工事では建物を壊す作業にともない、埃や塵などの粉塵が舞ってしまいます。そのため通行人や現場周辺で駐車されている車が粉じんの被害に遭うケースがあります。
粉じんトラブル対策には、「養生シート」の設置が重要です。自分が解体工事を依頼する場合には、建物のサイズに合った養生シートが使用されているかどうかをチェックすると良いでしょう。
騒音トラブル
重機で解体を行う工事では、「騒音トラブル」もよく発生します。振動と同じく、騒音に対しても条例等により規制が設けられていますが、それでもトラブルになってしまうケースが少なくありません。
騒音トラブルを避けるうえでは、「近隣住民への丁寧な説明」が大切です。そのため自分が解体工事の依頼をするときには、業者と一緒に近隣住民へ挨拶を行いましょう。
【トラブル回避!】家の取り壊しは解体業者へ直接委託がおすすめ
家を取り壊す際に発生する振動トラブルを回避するうえでは、解体のプロである「解体業者」への直接委託がおすすめです。
もちろん、ハウスメーカーや不動産会社、リフォーム会社など、ほかの業者にも養生シートの相談は可能です。とはいえ、解体が専門でない業者は解体工事に慣れていないことが多く、大きな振動トラブルへ発展する可能性があります。また新築建て替えの際に工務店に依頼すると、下請けの解体業者とコミュニケーションを取る機会がなく、解体関連のトラブルを相談できない可能性も。
一方で解体業者は建物の解体に豊富な経験と知識があるため、振動や騒音などの解体関連のトラブルを最小限に抑えることができます。またトラブルが発生した場合にもしっかり対応できるため、安心して任せられます。
そのため振動トラブルに巻き込まれないためにも、自宅や実家を撤去する際は解体業者に依頼すると良いでしょう。
なお業者のかしこい選び方や探すときの注意点は、こちらの記事を参考にしてください。
『家の解体業者の損しない選び方!トラブルを避ける方法も解説』
まとめ
解体工事で発生する振動に対しては、「条例等の規制基準」と「受忍限度論」が重視されます。そのため解体工事で家が揺れるのが少しでも不快に感じる場合には、業者や地方公共団体に相談することをおすすめします。
また振動トラブルを回避しスムーズな解体工事を希望する場合には、解体のプロである「解体業者」への直接委託がおすすめです。
東京都目黒区の株式会社上池解体興業(BOCCOS/ボッコス)では、解体工事をフルサポートしております。東京都内を中心に関東地域において「空き家物件・木造建築・マンション・アパート・店舗内装」などの解体工事を承っており、難しい解体工事の実績も豊富です。また当社では丁寧なサービスや近所間のトラブル対策を心がけておりますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。お見積もりは無料ですので、当社ホームページ上の「電話やメール」からお気軽にお問い合わせください。
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