解体工事では、重機だけでなくさまざまな道具を使うシーンがあります。
解体工事に馴染みがない人のなかには、「解体道具の差がわからない」「作業するときは何を身に着ければ良い?」などと、疑問がある方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、以下の4つのケースで使う道具について、解体工事のプロである「株式会社上池解体興業」がわかりやすく情報をお伝えします!
- ・内装解体工事
- ・外装解体工事
- ・建物を囲う用
- ・解体作業者が身に付ける道具
実家や付帯物の解体を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
解体工事では重機以外の道具も使う
解体工事に対してショベルカーなどの大きな重機を使って、大胆に壊していくイメージを持っている方も多いでしょう。実は、解体工事では以下のように重機以外の道具を使うシーンがたくさんあります。
- ・足場の組み立て・解体作業
- ・建物の屋根部分の撤去
- ・木造家屋・店舗・事務所などの内装解体
- ・外壁などの外装解体
- ・アスベストの撤去工事
建物の基礎や地中埋設物の撤去など、大きな破壊力が必要な工程以外は手持ちの道具を使って壊していきます。
また以下のような重機の搬入や作業が難しい条件の建物でも、手壊し解体で進めます。
- ・狭い道路に面している家
- ・隣家との距離が近い家
- ・耐震性に問題がある古い空き家
- ・敷地内に高低差がある家
- ・長屋の解体
- ・交通量が多い地域にある家
重機を搬入するには、「2メートル以上」の広さが必要です。
そのため耐震性の問題や構造など建物自体の条件だけでなく、周辺道路の環境や立地条件によっても手壊し解体となるケースがあります。
続いて、道具を使って解体するメリットについてチェックしておきましょう。
手作業で解体する理由|騒音や粉じんを抑えられる
道具を使って手作業で解体する場合には、一度に壊せる範囲が重機と比べて多くありません。
そのため、工事中の騒音や粉じんの発生を抑えられるメリットがあります。
手壊し解体は近所からのクレームの原因になりやすい工事音や粉じんを抑えることができ、近隣トラブルを防げる良さもあります。
手作業で解体する理由|重機よりも丁寧
道具を使って手作業で解体する場合には、重機よりも細かく粉砕ができるため、丁寧に解体できるメリットもあります。一方で重機を使って解体をする場合には、重機の操作ミスにより壁やブロック塀などの工作物を壊してしまう可能性が高く、トラブルが発生してしまうリスクもあります。
手作業での解体では隣の家への影響を最小限にできるため、隣家との距離が狭い場合や隣家の所有物を傷つけたくない場合におすすめです。
解体工事は自分でできる?
結論からお伝えすると、小規模の解体工事であれば個人の方でも可能です。
個人で解体工事をする場合には、業者に依頼する分の費用がかからないため、コスト面で大きなメリットがあります。ただし自分で道具一式をそろえたり、資格を取得する必要があるため、相当な時間と手間がかかるデメリットがあります。
そのため自分でスムーズに解体を進めるうえでは、解体の知識が豊富な「解体業者」に相談すると良いでしょう。
解体業者に相談すれば、解体ケースにあわせて最適な道具を教えてもらえるため、調べる手間がなくなります。また業者に依頼する場合にも、適切な工具を提案できるようになるメリットがあります。
都度調べる手間をなくすうえでは、自分自身で解体したい人も、業者に工事を依頼したい人も、解体工事に使われる道具について今のうちに知っておくと良いでしょう。
内装解体工事で使用する道具4つ
まずは「内装解体工事で使用する道具」を4つ紹介します。
それぞれの使用用途や特徴、種類もまとめたので、内装解体用の道具を探す際の参考にしてみてください。
ドライバー
内装の解体工事では、「インパクトドライバー」と呼ばれるドライバーがよく使われます。
インパクトドライバーは、ネジ・ナット・ボルトなどの部品を内装から外すための道具です。
本体と先端のビットを交換することで、養生シートを固定する際やカーポートなどの「プチ解体」や天井の下地を解体する際など、ドライバー1つでさまざまな用途に対応できます。
ドライバーの有無で内装解体のスピードが大きく変わってくるため、内装解体用の道具のなかでも特に重宝されています。
ハンマー
ハンマーは、柱の一部を叩き壊したり、内壁や天井を叩き割ったりなどと、内装の結合部を壊すときに使用される道具です。
ハンマーの種類 | 主な用途や特徴 |
大ハンマー | ・金属製の大きなヘッドがついているハンマー
・風呂場やキッチンのタイルなど硬いものを壊すときに使う |
カケヤ | ・松などを使った木製のハンマー
・天井や床などを一気に壊すときに使用 |
ネイルハンマー | ・打撃面の反対側に釘抜きがついているのが特徴的なハンマー
・内装材を引きはがすときや釘を抜くときに使う |
また、ハンマーを選ぶ際は上記の種類に加えて、ハンマー自体のヘッドの大きさや全長、重さも解体する対象にあわせて比較・検討しましょう。
のこぎり
のこぎりは、柱・梁などの木材のほかに鉄やアルミなど、さまざまな部材を切断できる便利な道具です。
解体工事では、「レシプロソー」と呼ばれる電動型ののこぎりが一般的です。
手動型とは異なり、大きく頑丈な木材でも労力や時間をかけずに簡単に解体することができます。大きなハンマーで壊せない頑丈な柱や、バールが隙間に入らない固い床材では、レシプロソーを使って切断します。
バール
バールとは、鉄製で細長く先端が「L字」に曲がっているのが特徴的な道具です。
以下のように、形状の異なるさまざまな種類のバールがあります。
バールの種類 | 主な用途や特徴 |
平バール | ・先端が釘抜き用にV字に切り込みが入っているのが特徴的なバール
・釘抜きや壁材のはがし作業などで使う |
パイプバラシバール | ・両端がそれぞれ別の方向に曲がっているのが特徴的なバール
・さまざまなはがし作業に対応できる |
六角・八角バール | ・断面に六角や八角の特殊鋼材が使われているバール
・頑丈で折れ曲がりにくいことから、床板の取り外し作業に使用される |
先端部で釘抜きや壁を壊す作業が可能で、テコ部分では内装材のハガシ作業ができるため、さまざまな内装解体のシーンで役立ちます。
外装解体工事で使用する道具4つ
次は「外装解体工事で使用する道具」を4つ解説します。それぞれの使用用途や特徴、種類を確認してみましょう。
ハンドブレーカー
ハンドブレーカーは、ホッピングのような見た目で持ち手がついており、平らな先端部を対象物に対して打撃することで壊していく道具です。例えば、強力なパワーが出せる「油圧タイプ」や、軽量で低振動の「電動タイプ」など、駆動方法でいくつかの種類に分けられます。
コンクリートを撤去する目的や、外壁に穴を開ける目的で使用されます。
タガネ
タガネは、先端がのみのような形をしている棒状で小型の道具です。
外装の解体工事では、以下の2種類が使用されます。
タガネの種類 | 主な用途や特徴 |
平タガネ | ・先端が平らなタガネ
・分厚い両刃でコンクリート・アスファルトなどを割る作業で使う |
チスタガネ | ・先端が四角錘形状などに尖っているタガネ
・コンクリートやブロック塀を割る作業で活用される |
ほかのはつり作業用の道具に比べ小型なことから、重機についた泥を落とす際や、狭い場所などでコンクリートを削ったり穴をあけたりするような、細かく正確性が必要な作業で使われます。
チッパー
チッパーとは、ノミのような形状の先端部とえんぴつのようなボディー部分が特徴的な道具です。解体工事では、「エアーチッパー」と呼ばれる圧縮した空気を動力とするタイプが主流です。
チッパーは、コンクリートが剥離している箇所や土間コンクリートのはつり作業で使用されます。
カッター
カッターは、円盤型の刃が特徴的な道具です。解体工事ではエンジンやモータで動く電動タイプが主流で、土間コンクリートやブロックなど頑丈な構造物でも簡単に解体できます。
カッターは、コンクリートを切断する作業や穴を開ける作業で使われます。
解体工事で作業者が身に着ける道具
続いて、解体工事で「作業者が身に着ける道具」を紹介します。 個人で解体をする際にも必要になるため、安全に作業を行うためにもしっかりとチェックしておきましょう。
ヘルメット
作業者の頭部を守るうえで、ヘルメットの着用が義務付けられています。
基本的にはすべての解体工事で着用が必須で、具体的には2メートル以上の高所作業や、コンクリート造の工作物の解体作業や足場の組み立て作業、フォークリフトや移動式クレーンなどの機械を使用する作業が該当します。
そのため個人で解体工事をする際にも、忘れずにヘルメットを着用しましょう。
作業用ゴーグル・防じんマスク
解体工事で重機や道具を使って木材やコンクリートを壊していくと、ちりやほこりなどの粉じんが大量に発生します。特にアスベストを含む屋根や外壁の撤去工事では、アスベストの飛散による人体への健康リスクが考えられます。
そのため解体工事で発生する粉じんから目や身体を守るために、作業用ゴーグルと粉じんマスクの着用が必要です。それぞれJIS規格や国家検定規格などより、作業内容に応じて適切なものが決められているため、注意してくださいね。
作業用手袋
解体工事では、鋭利な道具での解体や重機アタッチメントの交換を手作業で行います。そのため作業時に手を守るために、作業用手袋を装着することが推奨されています。
作業用手袋に関しては国家検定品の指定はありませんが、通常の布製のものではなく革製などの丈夫な手袋がおすすめです。
安全靴
工具が手から滑り落ちた際に足先への衝撃を保護するためや、雨天時の作業で転倒を防ぐために、安全靴の着用も必要です。解体工事向けの安全靴には、つま先部分に金属や樹脂が内蔵されているため、重量物や鋭利な落下物からの衝撃にも耐えられる素材になっています。
安全靴は「JIS規格・JSAA協会品」の使用が義務付けられているため、個人で用意する際には注意しましょう。
解体工事中に建物を囲うための道具
ここでは、解体工事中に「建物を囲むための道具」を2つ紹介します。どちらも解体作業で出る工事音や粉じんの発生を軽減するうえで、とても重要な道具です。自分のケースではどのようなものが適切か、事前にチェックしておきましょう。
養生シート
養生シートとは、建物自体を覆うためのシートです。
以下のように、解体工事ではさまざまなシートが使用されます。
養生シートの種類 | 主な用途や特徴 |
防音シート | ・防音効果の高い養生シート
・一般的な木造住宅の解体工事で使用する |
防炎シート | ・ポリエチレン製や塩化ビニル製などが使用された燃えにくい素材のシート
・病院や飲食店などの大規模な建物の解体で使う |
養生シートは周りに建物がまったくない住宅の解体など特殊なケースでない限り、基本的にはすべての解体工事で設置が必要です。そのため自分で家を解体する際や業者に依頼する際には、適切な養生シートかどうかチェックするようにしましょう。
関連記事:養生シートなしの解体工事は違法?対策方法を解体のプロが解説!
養生パネル
養生パネルは、建物の外周に沿って立てる囲いのことです。以下のように、さまざまな養生パネルがあります。
養生パネルの種類 | 主な用途や特徴 |
防音パネル | ・遮音性が高いパネル
・RC・S造の解体工事で使用される |
アドフラットパネル | ・景観保護を目的としたデザイン性に優れる養生パネル
・木目調や草・花などデザイン性のあるフィルムが採用されている |
また養生パネルには関係者以外の侵入を防ぐ効果があるため、大きな重機をたくさん使う高層ビルや病院などの大規模な建物解体で使用されます。一方で、一般的な住宅の解体工事では養生シートのみで十分とされ、パネルは使用されないことがほとんどです。
解体・付帯工事に必要な道具の悩みは「解体業者」に相談
解体工事で使う道具にはさまざまなものがあり、工事が初めての方にとっては複雑です。そのため解体・付帯工事に必要な道具の悩みや質問は、「解体業者」に相談しましょう。
もちろん、ハウスメーカーや不動産会社など、他業者にも工具や作業服の相談は可能です。とはいえ、解体が専門でない業者は自社で解体施工を行っていないことが多く、適切な工具や作業服の規格を正しく判断できない可能性があります。
一方で解体業者なら実際に使って作業をしているため、道具の性能や適切な利用シーンを丁寧に説明してくれます。そのため道具関連の心配事をなくすためにも、解体業者へ直接委託し相談に乗ってもらいましょう。
まとめ
解体工事で使われる道具はさまざまで、ドライバーやハンドブレーカーなど工事の内容ごとで異なります。それぞれの解体ケースに合った道具を利用することで、大幅に作業効率を上げることができます。また作業をする際には国が指定するヘルメットや安全靴を着用し、安全を確保して行いましょう。
また自分で道具を使い分けたり、作業服をそろえたりする手間をかけたくない場合には、解体に関する豊富な知識と経験を有する「解体業者」への直接委託がおすすめです。
東京都目黒区の株式会社上池解体興業(BOCCOS/ボッコス)では、解体工事をフルサポートしております。東京都内を中心に関東エリアにおいて「空き家・木造家屋・店舗内装」などの解体工事を承っており、難しい解体工事の実績も豊富です。また当社では丁寧なサービス対応を心がけておりますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。お見積もりは完全無料ですので、当社ホームページに掲載している「電話やメール」からお気軽にお問い合わせください。