株式会社上池解体興業(ボッコス)

鉄骨造の実際の耐用年数は?寿命を左右する要素と最適な管理方法

鉄骨

鉄骨

 

鉄骨造の耐用年数は主に3種類あります。1つ目が税制上の減価償却時の計算などに用いる法定耐用年数、2つ目が建物自体の経済的価値に着目した経済的耐用年数、そして3つ目が建物の実際の寿命を指す物理的耐用年数です。

 

本記事では、法定耐用年数や経済的耐用年数の概要に触れつつ、鉄骨造の実際の寿命である物理的耐用年数について、解体工事のプロフェッショナルである「株式会社上池解体興業(ボッコス/BOCCOS)」が、深掘り解説します。記事後半では、寿命を迎えた建物の活用方法についても紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

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鉄骨造の耐用年数は主に3種類

 

 

耐用年数とは、本来、減価償却資産が利用に耐える年数のことをいいます。鉄骨造の建物に関しては、主に3つの耐用年数が存在します。

 

法定耐用年数

もっとも使用頻度が多いのは、税制上、減価償却の計算時などに使用する指標となる法定耐用年数です。法定耐用年数は、減価償却の対象となる期間を定めたもので、鉄骨(鋼材)の厚さや用途(住宅か事業用か)によって異なります。鉄骨造の場合、法定耐用年数は次表の通りに定められています。

 

鋼材の厚さ 用途 法定耐用年数
4mmを超えるもの 事務所用 38年
店舗・住宅用 34年
飲食店・車庫用 31年
旅館・ホテル・病院用 29年
公衆浴場用 27年
工場・倉庫用 31年
3mmを超え、4mm以下のもの 事務所用 30年
店舗・住宅用 27年
飲食店・車庫用 25年
旅館・ホテル・病院用 24年
公衆浴場用 19年
工場・倉庫用 24年
3mm以下のもの 事務所用 22年
店舗・住宅用 19年
飲食店・車庫用 19年
旅館・ホテル・病院用 17年
公衆浴場用 15年
工場・倉庫用 17年

参考:国税庁「耐用年数(建物/建物附属設備)

 


 

経済的耐用年数

法定耐用年数とは別に、経済的な価値に注目した耐用年数も存在します。これは一般的に建物としての経済的価値がゼロになるまでの期間を表します。建物の劣化具合なども考慮に入れますが、主に市場において建物に価値があるのかどうかが焦点となるものです。経済的耐用年数は不動産鑑定評価などを用いて算出されます。

 

なお、経済的耐用年数は建物ごとに異なるため一般化できるものではありませんが、鉄骨造の場合、経済的耐用年数は法定耐用年数と同じく30年程度と考えられるケースが多いでしょう。しかし、築年数だけで判断するものではなく、立地条件や過去の修繕回数、災害による被害の有無なども考慮したうえで算出されるものです。

 


 

物理的耐用年数(寿命)

法定耐用年数や経済的耐用年数のように建物の価値に基準をおいたものではなく、本来の建物の寿命つまり「いつまで使用できるか」を指すのが物理的耐用年数(「実際の耐用年数」などとも呼ばれます)です。物理的耐用年数は、法的にその期間が定められているものではなく、建物自体の品質や管理状況によって異なるといえるでしょう。

 

なお、早稲田大学の小松幸夫名誉教授が2011年に行った講演会の資料によると、日本における鉄骨造の建物の平均寿命は40〜50年だと推計されています。

 

引用元:建物は何年もつか

 

ただし、この推計データは、あくまでこれは建て替えのサイクルなどが基になっており、限界ぎりぎりまで建物を使用した結果の寿命ではありません。

 

また、鉄骨造の家づくりを行う大手ハウスメーカーである、セキスイハイムやヘーベルハウスの保証期間は、60年間となっています。

 

参考:アフターサポート(購入後のサービス)|セキスイハイム

参考:60年無料点検システム | LONGLIFE SERVICE | HEBEL HAUS BRANDSITE

 

これらから総合的に判断すると、鉄骨造の物理的耐用年数は40年〜60年だと考えられます。もちろん、施工時の品質や管理方法などによって、この期間は短くも長くもなるという点は留意しておかなければなりません。

 


 

鉄骨造の分類

 

 

鉄骨造(S造)は、建物の構造体に鉄骨を用いた建築物のことです。鉄骨(鋼材)の厚さによって、主に軽量鉄骨造重量鉄骨造の2つに分類されます。

 

軽量鉄骨造

軽量鉄骨造は、使用する鉄骨(鋼材)の厚さが6mm未満の場合の構造を指します。一つひとつの鋼材が薄く軽量のため、重量鉄骨造に比べて、コストを抑えて建築できる点がメリットです。一方、火災に弱い、また柱を多く用意しなければならないため間取りの自由度が低いというデメリットもあります。なお、軽量鉄骨造は、住宅やコンビニなど、主に小規模な建物に採用される構造です。

 


 

重量鉄骨造

重量鉄骨造は、使用する鉄骨(鋼材)の厚さが6mm以上の場合の構造を指します。一つひとつの鋼材に厚みがあり丈夫なため、強度や耐震性が高く、高層建築にも用いられています。また、柱と柱の間隔を広く取れるため、広々とした空間を実現できる点も重量鉄骨造の特徴の一つです。一方、軽量鉄骨造に比べてコストがかかる点はデメリットといえます。なお、重量鉄骨造は、高層ビルやマンションなど、主に大規模な建物に採用される構造です。

 


 

RC造やSRC造との違い

RC造とは、鉄筋コンクリート造(Reinforced Concrete Construction)の略で、鉄筋とコンクリートを一体化させた構造を用いた建築物です。また、SRC造とは、鉄骨鉄筋コンクリート造(Steel Reinforced Concrete Construction)の略で、鉄骨と鉄筋コンクリートを一体化させた構造を用いた建築物です。両者とも、鉄骨造に比べて、コストがかかるというデメリットはありますが、コンクリートを組み合わせて使用しているため、耐震性や耐火性に優れています。耐久性の面でも、鉄骨造に比べて優位性があり、場合によってはRC造やSRC造の寿命は100年以上ともいわれています。なお、法定耐用年数に関しても、RC造とSRC造は鉄骨造に比べて、減価償却の期間が長く設定されています。

 


 

鉄骨造の寿命を左右する要素

 

 

鉄骨造の寿命はどの建物でも一律というわけではなく、さまざまな要因によって変化すると考えられています。本章では、鉄骨造の寿命に大きく影響する2つの要素を紹介します。

 

メンテナンス

鉄骨造の寿命を延ばすためには、適切なメンテナンスを行うことが重要です。メンテナンスには、定期的な点検や修繕、塗装などが含まれます。定期的な点検では、鉄骨の腐食や損傷などの異常がないかを確認しましょう。異常が見つかった場合は早めに修繕を行うことで、建物全体の寿命の延長につながります。塗装は、鉄骨の腐食を防ぐために重要なメンテナンスです。塗装の種類には、防錆塗料、防水塗料などがあり、建物の用途や環境に合わせて適切な塗料を選ぶ必要があります。

 


 

災害の影響

鉄骨造の寿命を左右する要素として、災害の有無も挙げられます。地震や台風などの災害によって、鉄骨に大きな損傷が生じると、寿命が短くなる可能性があります。鉄骨造の建物を災害から守るためには、耐震工事や防災対策を行うことが重要です。耐震工事では、建物の構造を強化することで、地震による損傷を防ぎます。また、鉄骨は熱に弱いという特徴があるため、火災にも注意が必要です。これら、自然災害や火災の被害を受けてしまったときは、建物全体の耐久性を調査し、適切な対策を取る必要があるでしょう。

 


 

鉄骨造の解体や建て替えを検討すべき時期とは?

 

 

鉄骨造の寿命をしっかりと見極めることは難しいといえるでしょう。安全対策の面からも、大きな損傷などが発生する前に、解体や建て替えを検討するケースが大半だと思います。物理的耐用年数(寿命)のところでも述べたように、鉄骨造の建て替えサイクルは40〜50年とされています。さらに、鉄骨造で家づくりを行う大手ハウスメーカーの保証期間が60年と設定されていることからも、結論としては、40年〜60年ほどが鉄骨造の寿命の目安と考えられるでしょう。ただし、維持管理の仕方によっては、この寿命は短くも長くもなる点には留意しておかなければなりません。

 

鉄骨造の寿命=大規模修繕が必要となるタイミング

修繕にかかるコストから鉄骨造の寿命を判断する方法もあります。建物の老朽化にともない、設備面なども含めて大規模修繕が必要となれば、非常に多くの費用がかかります。場合によっては、建て替えがコスト的に有利なことさえあるでしょう。そのため「建物としてはまだ使用可能だが、将来を考えて安全に使い続けるためには大規模な修繕が必要」つまり解体や建て替えなどを検討すべき状態なのであれば、それを鉄骨造の寿命と考えても良いかもしれません。

 

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寿命を迎えた鉄骨造の建物はどうすればいいか?

 

 

寿命を迎えた鉄骨造の建物をどうすべきか、主な選択肢としては、次の3つが挙げられます。

 

建て替え

建て替えは、もっとも確実な方法といえるでしょう。建物の構造体からすべて新しくすることで、耐震性や耐久性の向上が期待できます。また、最新の設備や仕様を導入することも可能です。しかし、当然多額の費用がかかることが想定され、また建物が担っていた役割を建て替え中はどこが担うのかという問題も生じます。

 


 

大規模修繕

大規模修繕は、建物の構造体はそのままに、内装や設備などを新しくする方法です。建て替えに比べて費用や工事期間を抑えられます。ただし、建物の構造部分に大きな破損などが生じている場合は、いくら大規模な修繕とはいえ、対応できない可能性もあるでしょう。修繕や建て替えを検討する際は、専門家の意見を仰ぎながら、慎重に検討を進める必要があります。

 


 

売却

土地も含めて売却するというのも一つの手です。場合によっては、建て替えや大規模修繕よりも選択肢として挙がりやすいかもしれません。法定耐用年数を超えた建物は減価償却できないこともその理由の一つです。事業規模によっては、法定耐用年数が建て替えサイクルとなっているケースもあるでしょう。また、老朽化した建物は維持管理に多くの費用がかかるため、早めに売却して現金化することで、新たな物件の購入やほかの用途に資金を回せるメリットもあります

 


 

売却を検討するなら2パターンの方法がある

 

 

鉄骨造の建物の売却には、主に2通りの方法があります。

 

建物を残して売却

スピーディな売却を希望する場合、建物を残したまま売りに出してみるという方法があります。ただし、法定耐用年数を超えた建物の場合、建物自体の評価が低く担保とできないケースも多々あり、買い手側としては金融機関から融資を受けにくいというデメリットがあります。そのため、建物を残したまま売りに出したとしても、いつまでも買い手がつかないかもしれません。そのような場合は次に紹介する解体をして更地にしてから売りに出す方法をおすすめします。

 


 

建物を解体して更地にしてから売却

老朽化が進み建物自体に価値がないような場合は、建物を解体して更地にすることで、売却しやすくなるかもしれません。買い手側にとっては、購入後の解体費用を負担せずに済み、スムーズに次の用途に利用できる点がメリットです。なお、次の記事では、株式会社上池解体興業(ボッコス/BOCCOS)が、実際に施工した鉄骨造3階建ての解体工事の様子を紹介しています。住宅密集地での解体作業にはプロフェッショナルならではのコツが存在します。鉄骨造の解体を検討されている方はぜひご一読ください。

 

関連記事:鉄骨造3階建ての解体 | 施工事例

 


 

まとめ

 

鉄骨造の実際の耐用年数(物理的耐用年数)は40年〜60年と考えられています。寿命を迎えた鉄骨造の建物をそのまま使用することは安全管理の面からも避けるべきで、その場合、建て替えや大規模修繕、売却などの検討が必要です。

 

東京都目黒区の株式会社上池解体興業(ボッコス/BOCCOS)では、解体工事をフルサポートしております。東京都内を中心に関東地域において「空き家物件・木造家屋・マンション・ビル・店舗内装」などの解体工事を承っており、本記事で解説した鉄骨造の解体工事実績も豊富です。また当社では丁寧なサービス対応や近所間のトラブル対策を心がけておりますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。お見積もりは無料ですので、当社Webサイト上の「電話やメール」からお気軽にお問い合わせください。

 

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