家の解体工事で電話線は取り外すべき?手続きの流れや注意点まで解説
家の解体工事をする際には、電話線を取り外す必要があります。とはいえ、「どこに撤去をお願いすれば良いの?」「いつ、どのタイミングで取り外すの?」と、電話線撤去に関する疑問がある方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、電話線撤去から家解体までの流れや撤去費用、手続きの注意点について紹介します。解体工事のプロである「株式会社上池解体興業」が初めての方にもわかりやすく情報をまとめ、責任を持ってご説明しますので参考にしてみてください。
家の解体工事前には電話線の取り外しが必要
家の解体工事前には、必ず「電話線の取り外し」が必要です。
電話線は家の天井や壁の中を通って電柱へとつながっているため、取り外さないと家屋解体と同時に下へ垂れ下がってしまいます。道路に垂れ下がった電話線が原因となり、自転車や人が転倒したり、クレーンが引っかかり大規模な通信障害が引き起こされたりといった可能性も。
そのため、電話回線の契約者である「施主」が責任をもって取り外し手続きを行う必要があります。ここからは「電話線を撤去するタイミング」について、具体的に解説していきます。
家解体で電話線を撤去するタイミングは?手続きと流れを解説
電話線の取り外しは解体前に必要であることはお伝えしましたが、実際どのタイミングで撤去手続きを進めれば良いのでしょうか。こちらでは「電話線を撤去する手続きと流れ」について、以下の4つの流れにそって紹介します。
- 1.解体業者の選定
- 2.電話線の契約会社に撤去依頼
- 3.電話線の撤去作業
- 4.解体工事開始
解体工事まで滞りなく進めるために、今のうちに確認しておきましょう。
解体業者の選定
家の解体が決まれば、まず初めに「解体業者を選ぶ」ことから始めましょう。業者を比較検討する際には、以下の条件を参考に選ぶと良いでしょう。
- ・解体予定の家と類似した条件の施工事例がある
- ・解体する家の地域で根付いている業者
- ・下請けが存在せず直接施工を行う
また上記以外に重要な業者の条件については、こちらの記事も参考にしてみてください。
「家の解体業者の損しない選び方!トラブルを避ける方法も解説」
業者が運営するホームページの「施工事例」や「お客さまの声」などから検討して、最終的に問い合わせをする業者を「2〜3社程度」ピックアップしましょう。
電話線の契約会社に撤去依頼
解体業者との相談で工事着工日が決まれば、すぐに「電話線の契約会社に撤去依頼」をしましょう。すぐにしなければならない理由は、契約会社によっては別業者を手配する必要があり、撤去までに時間がかかるからです。
また撤去依頼は、NTTやソフトバンク、楽天コミュニケーションズなどの契約会社に電話をするだけで、簡単に済ませられます。連絡先は、電話線利用中の有無により異なる場合もあるため、各種Webサイトを確認のうえ連絡してください。
なお空き家の解体等で電話線の契約会社がわからない場合には、「116」にかけてみてください。自動音声で「こちらはKDDIです」と流れてくるため、契約会社名を知ることができます。
電話線の撤去立ち会い
電話線を撤去する際には、「立ち会い」が求められる場合があります。例えばauひかりやフレッツ光などの「光回線」を利用している場合は、宅内の撤去作業となるため立ち会いが必要です。
立ち会いが必要になるかどうかは契約中の電話回線によって異なりますので、撤去依頼時に聞いておくと良いでしょう。
解体工事開始
電話線の撤去等の必要な手続きが完了すれば、計画通りに「解体工事が開始」されます。
もし工事開始日までに電話線の撤去が間に合わない場合には、契約会社の方から「解体業者に電話線の切断をお願いしてください」と指示があるケースも。そのときには契約会社からの指示内容に従い、解体業者に電話線の処理を依頼しましょう。
ただし解体業者に撤去を依頼するのはやむを得ない場合に限られますので、基本的には解体日に間に合うように段取りを組みましょう。
家屋解体中の電話代や撤去・再開費用は?
「解体中にも電話代はかかるのか」「撤去してから再開する場合の費用はいくら必要なのか」と、撤去後の電話関連費用について疑問がある方も多いでしょう。こちらでは「家の解体中の電話代や、撤去・再開費用」について以下の3つを紹介します。
- ・解体中にも基本料だけかかる場合も
- ・撤去工事費は無料
- ・電話を再開する際には工事費が必要
なお撤去手続きにともない、回線契約を「解約・一時中断・利用休止」の3つから選ぶ必要があります。選択した契約により、解体中や再開する際の費用が異なります。
解体中にも基本料だけかかる場合も
解体工事中の契約状況次第では、「基本料金」がかかる場合があります。
工事中の回線契約を「解約・利用休止」にした場合には支払いは不要です。一方で「一時中断」にした場合には、基本料金のうち「回線使用料」を毎月支払う必要があるため注意してください。
解体中に利用予定がないのであれば、撤去依頼と同時に解約をおすすめします。
電話線の撤去工事費は無料
電話線の撤去工事費は基本的に「無料」です。
ただし「auひかり」の引き込み線撤去には「11,000円(税込)」かかるように、電話線の種類によっては費用負担が必要な場合も。そのため撤去料金が気になる方は、契約会社に確認すると良いでしょう。
電話を再開する際には工事費が必要
解体にともない「一時中断および利用休止」にした電話を再開する際には、工事費が必要です。
再開の工事費は「2,200〜11,000円(税込)程度」が相場で、工事内容や回線状況によって大きく金額が異なります。
家屋解体中に発生する電話線の事故と施主の責任
電話線の撤去を怠ると、さまざまな事故やトラブルが発生する可能性があります。こちらでは「家屋解体中に発生する電話線の事故例」について以下の3つを紹介します。
- ・切断事故
- ・垂れ下がりによる転倒事故
- ・大規模な通信障害
基本的に解体工事で近隣住民等の第三者へ損害を与えた場合には、民法709条に基づいて「解体業者」が責任を負います。
ただし「短い工期での強制作業」等の事故を引き起こす原因になり得る無理な注文があったと認められると、民法716条に基づいて「施主」が損害賠償を支払う義務が生じるケースも。
故意でなくとも、施主に莫大な金額の損害賠償が請求される可能性も十分あります。撤去をしなかった電話線が原因で大きなトラブルを生まないためにも、事前に確認しておきましょう。
切断事故
「切断事故」は、解体工事中に発生する電話線や通信ケーブル関連の事故のなかで最も多く報告されている事故です。具体的な切断事故例は以下の通りです。
- ・地中に埋設された電話線に作業スタッフが気付かず、重機での堀削作業中に電話線を切断
- ・作業スタッフが引き込みケーブルと不要配線と誤認し、ケーブルを切断
- ・監視人がバックホウから目を離した隙に、バックホウが動いて通信ケーブルを切断
- ・道路を横断する架空電線にトレーラーが引っかかり、電線を支えるワイヤーを切断するとともに、ポール支柱を折り曲げ破損
- ・アームを上げたまま移動させたバックホウが、携帯電話会社の光ケーブルを1本切断
- ・ダンプトラックが荷台を上げたまま走行し、通信ケーブルを2本分損傷
切断事故は作業員の感電事故に発展するケースもあり、撤去を怠った「施主側」に損害賠償が請求された事例もあります。
垂れ下がりによる転倒事故
家が取り壊されると、建物内へ引き込まれていた電話線が道路上へ垂れ下がってしまう場合もあります。垂れ下がった電線に通行人や運転手が気付かずに、転倒事故となってしまった事例も過去に発生しています。
電話線の垂れ下がりが原因の事故は、持ち主である「施主」の責任が追及される場合もあるため注意が必要です。
大規模な通信障害
電話線の切断事故が原因となり、「近隣への大規模な通信障害」を引き起こしてしまったケースも少なくありません。具体的には、以下の事故例が挙げられます。
- ・堀削作業中に光ケーブルを切断し、4時間もの通信障害が発生
- ・バックホウの移動中に電話線4本と光ケーブル1本を切断し、近隣学校の電話が6時間不通となった
たった1本の電話線が切断されるだけで、複数の地域で長時間固定電話での通話ができない事態になります。そのため通信障害で多くの方に迷惑をかけないためにも、必ず電話線は撤去しておきましょう。
【家屋解体前にチェック】電話線手続きの注意点3つ
電話線の手続きを行っていくうえで、いくつか注意すべきポイントがあります。こちらでは「電話線手続きの注意点」について以下の3つを紹介します。
- ・撤去依頼時には解体する旨を伝える
- ・電話線は自分で撤去しない
- ・撤去手続きは早めに進める
手続きを進める前に、それぞれ確認しておきましょう。
1.撤去連絡時には解体する旨を伝える
電話線の撤去依頼時には、解体する旨を伝える必要があります。理由は、電話線の撤去依頼は解体のほかにも、引っ越しや移転工事の際にも行うことがあり、それぞれ業者側で処理する手続きが異なるからです。
そのため解体のために契約会社へ撤去を依頼するときには、以下の内容を伝えると良いでしょう。
- ・撤去理由(解体のため)
- ・解体予定の家の住所
- ・契約者の氏名・電話番号
- ・連絡者の氏名・電話番号
- ・撤去工事希望日
- ・撤去後の契約有無(解約・一時中断・利用休止)
上記の連絡事項のうち、初めに「撤去理由」を伝えるとスムーズに案内してもらえます。また契約者の氏名等がわかる場合には、事前に準備しておくと良いでしょう。
2.電話線は自分で撤去しない
電話線はNTTに所有権があるため、自分で撤去してはいけません。
また「ひかり電話」等の光回線は、専門資格の「電気工事士」でなければ撤去できません。
そのため、どのようなタイプの電話線を撤去する場合にも、回線契約会社もしくは専門資格を有する業者に依頼するようにしましょう。
3.撤去手続きは早めに進める
依頼から即日で撤去してもらえる場合もありますが、業者の繁忙期には「2週間〜1ヵ月程」かかる場合も。電話線の撤去が遅れると、工期の遅れや延長が発生する可能性もあります。
そのため撤去手続きは、できるだけ早めに進めると良いでしょう。
家解体前には電話線以外のケーブル・ライフラインの撤去も必要!
家屋解体前には、電話線以外のケーブルやライフラインも撤去する必要があります。撤去手続きが必要なものは以下の通りです。
- ・電気・電線
- ・ガス
- ・ケーブルテレビ
- ・インターネット回線
それぞれ電話線の撤去手続きと同様に、「解体工事にともなう撤去依頼の旨」を電力会社等の各契約会社へ連絡し、取り外し作業をしてもらわなければなりません。すべての撤去手続きを解体工事前に完了させるためには時間がかかるため、必ず「2週間〜1ヵ月以上前」にそれぞれの連絡を済ませると良いでしょう。
ただしライフラインのなかでも「水道」は工事中に業者が使用するため、清算手続きのみで撤去は不要です。そのため間違って撤去手続きをしないように、注意してください。
なお電気の撤去手続きについては、以下の記事も参考にしてください。
「家の解体工事で電気や水道は止めるべき?手続きのタイミングと流れ」
家屋解体にともなう電話線の悩みは解体業者にまず相談
家屋解体工事に伴う電話線の悩みは、まず解体業者に相談すると良いでしょう。
もちろん、ハウスメーカーや不動産会社など、他業者にも解体工事の依頼や電話線の相談は可能です。とはいえ、解体専門でない会社は電話線の扱いに詳しくなく、間違って処理してしまう可能性があります。また工務店に依頼してしまうと、下請けの解体業者とコミュニケーションを取る機会がなく、電話線に関するトラブルが発生する可能性も。
一方で解体業者であれば、撤去依頼先や手続き方法などの電話線に関する初歩的な質問に対しても、丁寧に対応してもらえます。また電話線の扱いにも慣れているため、万が一垂れ下がりが発生していた場合にも適切な対処が可能です。
そのため解体工事が初めての方は特に、電話線やライフラインの手続き、これらの扱い全般に詳しい「解体業者」への依頼がおすすめです。
まとめ
家の解体前には、施主が電話線の取り外し手続きを行う必要があります。
電話線撤去には書類の提出等の面倒な手続きを必要とせず、契約会社へ電話をかけるだけで依頼ができます。依頼自体はすぐに完了しますが、取り外し工事までには「2週間以上」かかる場合も。解体工事に影響させないためにも、余裕をもってスケジュールを組むことが大切です。
また電話線に関連するトラブルを避けたい方は、「工務店やリフォーム会社」など解体のプロではない業者に依頼するのではなく、解体に関する豊富な知識を有する「解体業者」がおすすめです。
東京都目黒区の株式会社上池解体興業(BOCCOS/ボッコス)では、解体工事をフルサポートしております。東京都内を中心に関東地域において「木造家屋・アパート・店舗内装」などの解体工事を承っており、難しい解体工事の実績も豊富です。また当社では丁寧なヒアリングを心掛けておりますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。お見積もりは無料ですので、「電話・メール・LINE」からお気軽にお問い合わせください。
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