解体工事ではさまざまなトラブルが発生するため、施主側が注意すべきことがたくさんあります。初めて解体工事を依頼する方のなかには、「何に気を付けるべきかわからない」と不安がある方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、契約後・施工中・完了後の4つのシーン別に解体工事の注意点を紹介します。解体工事のプロである「株式会社上池解体興業」が初めての方にもわかりやすく情報をまとめて責任を持ってご説明しますので、参考にしてみてください。
解体工事の注意点|業者探し
まずは、解体業者を探すときの注意点を紹介します。さまざまな解体業者がいるため、意識して注意しなければ、悪質な業者にあたってしまいます。業者選びで後悔しないためにも、今のうちにチェックしておきましょう。
複数の業者を比較する
契約する解体業者は、複数の業者から探すようにしましょう。
その理由は、1社だけに絞ってしまうと、契約する業者が悪質なケースでも気付けないからです。
複数の業者から探す場合には、見積書の内訳や金額を相対的に見比べることができるため、解体相場から外れるような悪質な業者を避けることができます。
悪質な業者によるトラブルに巻き込まれないためにも、2社以上の業者をしっかりと見比べることが大事です。時間がない場合には「一括見積もりサイト」を利用して、比較するようにしましょう。
関連記事:業者が解説!解体工事の流れ・準備|依頼前のチェックリスト付き
現地見積もりに立ち会う
現地見積もりには、必ず立ち会うようにしましょう。
現地見積もりとは、建物の状態や周辺環境を業者がしっかりとチェックしたうえで、見積書を出す方法です。業者と一緒に状況の確認を行うことで、より信頼性の高い見積書を出してもらえます。
また業者のなかには、アスベストの有無を調べるために家の図面や設計図の提出を求めてくる場合があるため、立ち会い前に準備しておくとスムーズです。
許可・免許の種類を確認する
解体業者は建築業・産業廃棄物収集運搬など、解体工事を行ううえで必要になる許可を取得しています。許可の種類によって、請け負える解体の規模が変わったり、扱える廃棄物の種類や工程が異なったりするので、業者を探す際には各業者の許可の種類を確認するようにしましょう。
また、解体を実際に行う職人が適切な免許を持っているかも確かめるようにしましょう。
例えば、足場作業者には「足場の組み立て等作業従事者」などが必要で、重機の操縦やアタッチメントを交換する作業者は「車両系建設機械(解体用)」などの免許を取得する必要があります。免許を保有していない作業者が工事をすると、隣家補修などのトラブルが発生する可能性が高くなるため、トラブルを回避するうえでもチェックしておくと安心です。
関連記事:解体工事には免許がいる?プロが良い業者の見極め方や注意点を解説
見積もりの内容まで細かくチェックする
解体業者から見積書を提示されたら、総額だけを見るのではなく内訳まで細かくチェックしましょう。
例えば、以下の項目の内容と金額が相場よりかけ離れていないか見てください。
- ・建材別の解体費
- ・アスベスト関連費
- ・産業廃棄物の処理費
- ・地中埋設物の撤去費
- ・書類作成代
上記の項目ごとに単価と合計金額が記載されている見積書は、信頼性が高い良い見積書です。
一方で「解体一式」といったように内訳が隠されているものは、関係のない項目が費用として計上されていたり、損をする可能性があるため注意しましょう。
関連記事:解体工事の見積もり総まとめ!チェック項目や事例をわかりやすく解説
保険の加入有無を確認する
業者を探す際には、解体工事用の「損害賠償保険」に加入している業者かどうかも確認すると安心です。解体工事では大型の重機を使って作業を行うため、隣の家を傷つけてしまったり、通行人を巻き込んでしまったりと、事故が起きやすいからです。
また工事向けの保険は、足場作業時の補償内容に特化しているタイプや、10億円以上もの対人・対物補償を完備したタイプなどさまざまですが、なかには解体工事でのトラブルが補償対象外の保険もあります。そのため、業者が加入している保険の補償対象が解体工事を含んでいるかまでしっかりとチェックすると良いでしょう。
想定外の出費に備えるうえでは、解体工事用の保険に加入している業者を探して依頼することをおすすめします。
関連記事:解体工事は保険の対象外?トラブル対処法と未加入業者の見分け方
解体工事の注意点|契約後
続いて、解体業者と契約したあとの注意点を紹介します。契約後には、施主側もいくつか手続きや準備を行う必要があります。解体工事をスムーズに進めてもらうためにも、あらかじめチェックしておきましょう。
ライフラインの停止・撤去手続きを行う
解体工事が決定すれば、水道や電気などのライフラインの停止・撤去手続きを進めましょう。
電気や電話線の停止手続きが完了していない場合には、感電事故が発生したり、手続きのために工期が延長されたりと、トラブルが生じてしまいます。
また、水道は解体工事中に業者が使用するため、撤去ではなく停止手続きを行う必要があります。ほかのライフラインの手続きとは異なるため、間違えないように注意してくださいね。
それぞれの手続きは1〜2週間以上かかる場合もあるため、工事開始に間に合うように早めに取りかかりましょう。
関連記事:家の解体工事で電気や水道は止めるべき?手続きのタイミングと流れ
解体工事前に家の中を片付ける
解体前には家の中を空っぽの状態にする必要があるため、家の中の片付けも済ませておきましょう。
自分にとって大切な家具や思い出の品でも、「残置物」として撤去されてしまう可能性があるため注意が必要です。また、業者に家や庭の片付けを頼める場合もありますが、業者に処分を任せると別途費用が上乗せされてしまいます。
そのため大切なものを取っておきたい方や少しでも解体費用を節約したい方は、不要な家具や家電はなるべく自分で処分することをおすすめします。
関連記事:解体前に家の中は片付けるべき?不用品処分費や注意点も解説
解体前に必要な届出を提出する
解体工事を行うためには、施主が各自治体へ届け出なければならない書類がいくつかあります。
例えば、工事計画届出や、特定粉じん排出等作業実施届出などの提出が義務付けられています。工事計画届出を行わない場合には50万円以下の罰金刑が課されるように、解体に必要な届出を提出しないと、重い罰則が下されてしまうため注意しましょう。
なお必要な届け出のなかには解体業者に委託できるものもあるため、時間がない場合や不安な場合には業者に相談することをおすすめします。
関連記事:家の解体工事に必要な手続きは?損をしないための注意点も解説
近隣住民へ挨拶をする
解体工事では粉じんや騒音、振動が発生し、近隣住民に迷惑をかけることになるため、近所への事前挨拶も大事です。事前に工事で迷惑をかける旨を伝えておくことで、クレームの予防になります。
解体業者のなかには、一緒に挨拶回りをしてくれる場合もあるため、自分だけで行うのが不安な場合には相談してみると良いでしょう。
関連記事:家の解体工事前の挨拶に粗品は必要?失敗しない7つの品物を紹介!
家や付帯物のお清め儀式の手続きをする
家や土地に対しては「解体清祓」、樹木や井戸に対しては「魂抜き」といった、解体する家や付帯物に対してお清めの儀式を行うことができます。自分で塩をまいたり、盛り塩をしたりすることで簡単にお清めすることも可能ですが、心配な場合には神主を通じてお清めを行ってもらうと良いでしょう。
ただし解体業者の方でお清めの手続きや準備をしてもらえるのは稀なため、解体業者との契約が決まればすぐに手続きを始めましょう。
関連記事:家の解体時のお祓いは自分でできる?流れや注意点も解説
解体工事の注意点|施工中
次に、解体施工中の注意点を紹介します。解体工事をスムーズに行ってもらううえでは、施主側のチェックや安全意識も重要です。どのようなことを確認すれば良いのか、それぞれ見ていきましょう。
工期の延長が発生していないか確認する
解体工事では天候や近隣住民からのクレームなどさまざまな理由で、工期スケジュールが延長されてしまうケースも。そのためある程度工事が進み始めたら、工期の延長が発生していないか、業者に確認を取るようにしましょう。
特に、家の解体後に新築の建て替えや土地の引き渡しを控えている場合には、解体工事が遅れてしまうとトラブルに発展するため要注意です。差し入れを持っていく際に、さりげなく聞いてみると良いでしょう。
関連記事:家の解体期間は面積や構造で違う?延期させないための注意点も解説
日曜作業の有無や時間帯をチェックする
解体工事では、法律によって作業時間の上限が決まっています。しかしながら悪質な業者の場合には、規定で禁止されている日曜日に作業をしたり、許可を得ず夜遅くや早朝から作業をするケースも。
違法な時間帯で作業をしている場合には、行政から勧告が入るだけではなく、近隣住民からの苦情につながってしまいます。近隣住民とのトラブルを避けるためにも、日曜作業の有無や作業時間帯をチェックしておくと良いでしょう。
養生をチェックする
一般的な木造住宅の解体工事では、粉じんや音が外部へ影響するのを防ぐために、養生シートを設置します。養生シートがしっかりと建物全体を覆うように設置されていない場合には、粉じんが周囲に飛散し、近所からクレームが発生する可能性が高くなります。
近隣住民とのトラブルなくスムーズに解体工事を進めてもらうためにも、建物全体に養生シートが設置されているかを直接見てチェックしましょう。また、マンションやビルなどの大型建築物の解体工事の場合には、養生パネルなどの囲いがあるかどうかもチェックしてくださいね。
関連記事:養生シートなしの解体工事は違法?対策方法を解体のプロが解説!
解体工事の注意点|完了後
最後に、解体工事が終わったあとの注意点を紹介します。解体工事後にも、手続きや確認事項があります。解体後のトラブル発生を防ぐためにも、それぞれの注意内容を確認しておきましょう。
建物滅失登記の手続きを行う
自宅や実家を解体し終わったら、すぐに建物滅失登記の手続きを行いましょう。建物滅失登記は、保有する土地上の建物がなくなった場合に必要な届出で、解体してから14日以内に各自治体への届出が義務付けられています。
建物滅失登記の申請手続きは、土地家屋調査士に委託することもできるため、時間がない場合には相談してみると良いでしょう。
追加費用をチェックする
解体が完了すれば、業者から追加費用の支払い請求があります。
追加費用の請求があった場合には、それぞれの項目や金額をしっかりとチェックしましょう。
悪質な業者は追加費用として高額な金額を提示してくる場合があるため、少しでも違和感がある際には直接聞くことをおすすめします。
関連記事:実家の解体費用が払えない?対処方法や知ってお得なコツをプロが紹介
近隣住民へ完了報告をする
解体工事が終われば、近隣住民へ完了報告も忘れずに行いましょう。完了報告をする際には、感謝を伝えることとクレームの有無を確認してくださいね。
また事前挨拶と同じように、完了報告の挨拶回りも業者が同伴してくれるケースがあるため、相談してみると良いでしょう。
隣家補修の有無を確認する
解体工事のあとには、隣家補修の有無も必ず確認してください。
隣家補修とは、自宅の解体工事が原因で、隣家の補修工事が必要になることです。
解体工事中に、足場が崩れて隣家の屋根を壊したり、重機の操縦ミスにより外壁を傷つけてしまったりして、隣家補修トラブルが起きるケースも珍しくありません。隣家補修は訴訟問題に発展することもあるため、解体工事が終われば早めの確認が大切です。
関連記事:解体工事の隣家補修とは?プロがトラブル事例や費用負担を教えます
解体工事後の整地・清掃の状況を確認する
解体工事後には、土地の確認立ち会いがあります。解体後の土地を確認する際には、整地状況と周辺道路の清掃がきちんとできているかをチェックしてください。
解体後の土地を引き渡す予定の場合には、整地がきちんとされていないと、トラブルのもとになってしまうため、隅までしっかりと見ましょう。また周辺道路が泥や砂で汚れたままの場合には、近隣住民から苦情が発生する可能性もあるため要注意です。
解体・付帯工事で後悔したくないなら「解体のプロ」に直接委託がおすすめ
家の解体・付帯工事でのトラブルを避けるためには、「解体業者」に直接委託がおすすめです。
もちろん、不動産会社などの他業者にも依頼は可能です。とはいえ新築建て替えの際に解体が専門ではない業者に解体を任せると、解体工事に慣れていないため想定外のクレームやトラブルが発生する可能性があります。
一方で解体業者は実際に解体工事を施工しているため、しっかりと手続きを行い近隣住民の対応も丁寧にしてくれます。そのため、少しでもトラブルなくスムーズに進めるためにも、解体のプロへ直接委託するようにしましょう。
関連記事:家の解体業者の損しない選び方!トラブルを避ける方法も解説
まとめ
解体工事では、近隣住民からのクレームや金銭的なトラブルなど、さまざまなトラブルが発生します。そのため見積もりの内訳をチェックしたり、近隣住民への挨拶回りを行ったりと、施主側が注意して行うべきことがたくさんあります。
また解体工事をスムーズに行ってもらううえでは、解体業者への直接委託がおすすめです。
東京都目黒区の株式会社上池解体興業(BOCCOS/ボッコス)では、解体工事をフルサポートしております。東京都内を中心に関東地域において「木造家屋・マンション・アパート・店舗内装」などの解体工事を承っており、難しい解体工事の実績も豊富です。また当社では丁寧なサービスや近所間のトラブル対策を心がけておりますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。お見積もりは無料ですので、当社ホームページ上の「電話やメール」からお気軽にお問い合わせください。