解体工事では、さまざまな工程が発生します。初めて自宅や実家を解体する方のなかには、「どのような手順で進んでいくの?」「工事を依頼する前には何を気を付ければ良い?」などと、流れがわからなくて不安な方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、一般的な木造住宅における解体工事全体の流れについて紹介します。
また工事依頼前のチェックリストもまとめました!
解体工事のプロである「株式会社上池解体興業」が初めての方にもわかりやすく情報をまとめて責任を持ってご説明しますので、参考にしてみてください。
【全体】解体工事の流れ
まずは、解体工事全体の流れを紹介します。家屋の解体は、一般的に以下のような手順で進みます。
解体の流れ | 詳細な作業工程 |
1.工事のための前準備作業 | ・行政への届出手続き
・近隣への挨拶回り |
2.建物の解体施工 | ・養生設置
・建物解体 ・産業廃棄物処理 ・清掃 |
3.解体完了後の後始末 | ・引き渡し
・行政への届出手続き ・近隣への挨拶回り ・解体工事に関する金銭処理 |
解体工事は大まかに分けると、「前準備・解体施工・完了後」の3つです。
さらにそれぞれにおいて、複数の作業工程が存在します。
また悪質な業者の場合には、上記の大切な工程を省き、法律違反事例や近隣住民とのトラブルが発生してしまう可能性があります。解体関連のトラブルに巻き込まれないためにも、施主も解体工事の手順をきちんと把握しておくと良いでしょう。
【前準備】解体工事の流れ
契約完了後は、まず工事をスムーズに進めるための準備が行われます。解体工事の準備工程は、主に以下の2つです。
- ・解体に必要な手続きを進める
- ・現場近隣へ挨拶をする
こちらでは、解体工事における「前準備」を具体的に紹介します。
施主が関係する準備もあるため、今のうちに確認しておきましょう。
解体に必要な手続きを進める
解体工事の着手前には、いくつか解体関連の手続きを処理する必要があります。
たとえば、以下のような届出が必要です。
- ・解体工事届出
- ・道路使用許可申請・道路占用許可申請
- ・特定粉じん排出等作業の実施の届出
「解体工事届出」のように発注者である施主に義務付けられた手続きは、施主から委託された場合に業者が作成から窓口への申請まで行います。書類提出を怠った場合には業者だけでなく施主にも罰則が科されるリスクもあるため、委託する場合には忘れずに業者へお願いしましょう。
関連記事:家の解体工事に必要な手続きは?損をしないための注意点も解説
現場近隣へ挨拶をする
工事中には大きな騒音や振動、粉じんが発生するため、近隣住民へ迷惑をかけるケースが考えられます。そのため工事にともなうトラブル対策の一つとして、事前に現場近隣へ直接出向き、挨拶を行います。
また挨拶回りを希望する場合には、施主も一緒に同行できる場合があるため、相談してみると良いでしょう。
関連記事:家の解体工事前の挨拶に粗品は必要?失敗しない7つの品物を紹介!
【施工中】解体工事の流れ
家屋の解体工事は重機で一気に壊していくイメージを持っている方も多いと思いますが、実際のところは以下のようにいくつかの段階に分けて少しずつ取り壊していきます。
- 1.養生シートと足場を設置する
- 2.残置物を撤去する
- 3.屋根を撤去する
- 4.内装を撤去する
- 5.建物本体を解体する
- 6.基礎を撤去する
- 7.地中埋設物を確認する
- 8.廃棄物を処分する
- 9.現場の清掃と後片付けを行う
こちらでは、解体工事の「施工中」の流れを具体的に紹介します。
建物の種類や条件によって異なる場合があるため、参考程度にご覧ください。
1.養生シートと足場を設置する
解体を始める前に、まずは養生の設置です。
解体中の粉じん飛散や騒音を抑えるために、建物全体に防音性や遮音性に優れる「養生シート」を被せます。また、屋根等の高い場所でも作業員が安全に作業ができるように、「足場」を組み立てます。
養生シートについて解説した記事もあります。
関連記事:養生シートなしの解体工事は違法?対策方法を解体のプロが解説!
2.残置物を撤去する
建物内に家具やゴミが残っている場合には、業者の方で撤去します。
無料で不用品の片付けを行なっている業者もあれば、「産業廃棄物収集運搬業許可証」を持っていないため施主が片付けなければならない場合もあります。どこまで片付けるべきかわからない場合には、業者に相談してみると良いでしょう。
関連記事:家を解体するときの家具の処分方法は?自分でできる7つのテクニック
3.屋根を撤去する
建物内が空っぽ状態になれば、いよいよ解体工事の開始です。
建物の上部から下部へ解体を進めていくのが一般的で、まずは屋根を撤去します。
手作業で解体していく場合が大半で、瓦やトタンなどの屋根材を剥がし終わったら、手工具で釘等を一つずつ外していきます。
4.内装を撤去する
屋根の撤去後は、照明器具等の室内設備や床材・壁材などの「内装」を撤去する工程に進みます。
内装の撤去は重機ではなく人力です。ハンディタイプのノコギリである「手のこ」や「ハンマー」、「電動ドライバー」など、身近な工具を使って解体材を割ったり、ネジを外したりしていきます。
また内装の解体にともない、さまざまな種類の廃材が出るため、ホウキなどで掃除を行いつつ細かく分別します。
5.建物本体を解体する
建物内部の撤去が終了すれば、重機により建物本体を一気に解体していきます。
ただし敷地内に段差があったり、前面道路が狭かったりなど、重機の搬入が難しい場合には、重機ではなく「手壊し解体」で進むケースもあります。
6.基礎を撤去する
建物自体を壊したあとには、建物を支える基礎が残るため、重機を使って撤去していきます。大まかに解体したあと、細かく砕いて産業廃棄物のコンクリートガラとして処分します。
7.地中埋設物を確認する
基礎部分の解体後には、敷地内の地面に埋まっている「地中埋設物」があるかどうかの確認が必要です。瓦や古い基礎、浄化槽などの地中埋設物が見つかるケースがあります。
また瓦礫等の簡単に撤去できる地中埋設物であれば重機を使って掘り起こし、産業廃棄物として処理を行います。
8.廃棄物を処分する
建物の撤去が完了すれば、建物の撤去中に発生した廃棄物やゴミを処分していきます。
廃棄物の種類は、木材やコンクリート片、瓦礫など、解体する建物の構造によってさまざまです。
解体で発生した木くずやガラス片など、小さなカケラまで残さず掃除して、トラックで処理場まで運搬します。
9.現場の清掃と後片付けを行う
ひと通りの作業が完了すれば、敷地内と周辺道路を清掃します。
施主に整地を頼まれている場合には、更地状態から砂利を敷き詰めたり、コンクリートで舗装したりします。また周辺道路もトラックや重機の搬入・搬出にともない土汚れがつくため、しっかりと汚れを落としていきます。
最後に工事期間中に使用した工具等の片付けを行えば、解体工事の全作業が完了です。
【完了後】解体工事の流れ
解体工事が終わり次第、以下の4つの工程を行います。
- ・工事完了現場を引き渡す
- ・追加費用を請求する
- ・解体後に必要な手続きを進める
- ・現場近隣へ完了報告をする
こちらでは、解体工事が「完了したあと」の流れを紹介します。
施主が関係する工程もあるため、それぞれチェックしてみてくださいね。
工事完了現場を引き渡す
工事が完了すれば、まず施主に現場を確認してもらう必要があります。遠方の場合には、解体現場の写真で確認してもらうケースもありますが、基本的には現地立ち会いにより、直接現場を見ていただきます。
また立ち会い時には、周辺道路の清掃や敷地内の整地などをチェックしてください。施主から了承の連絡をいただき次第、工事完了現場を引き渡します。
追加費用を請求する
引き渡し後、「1週間前後」で最終費用の請求を行います。
地中埋設物や工法の変更などにより、追加費用が発生した場合にもまとめて請求されます。
悪質な業者の場合には、多額の追加費用を説明なしに支払いを請求してくるケースがあるため、少しでも納得できない項目がある場合には業者に確認するようにしましょう。
解体後に必要な手続きを進める
解体後には「建物滅失登記」の申請手続きが必要です。
解体前の手続きと同じく、施主から委託された場合には業者側で行います。
建物滅失登記は解体後「1ヵ月以内」に行う必要があるため、業者に代行してもらいたい場合には早めに伝えておくことをおすすめします。
現場近隣へ完了報告をする
工事が完了したあとには、解体前に訪問した近隣住宅へ完了報告を行います。
報告時には、工事中に解体関連のトラブルがなかったかどうかもあわせて確認します。トラブルが発覚した場合には、速やかに業者の方で対処を行うので安心してくださいね。
解体工事を依頼する前のチェック事項6つ
施主が解体工事を依頼する前にチェックすべき項目は、次の6つです。
チェック | チェック項目 |
解体にかかる費用相場 | |
見積もりの内訳例 | |
解体工事前後で必要な手続き | |
スケジュールの目安 | |
補助金の有無 | |
解体を任せられる業者の種類 |
こちらでは、それぞれのチェック項目で確認すべきことを具体的に紹介します。
特に初めて解体工事を依頼する方は、それぞれ確認しておきましょう。
1.解体にかかる費用相場
解体にかかる料金は、建物の構造によって大まかに決められています。以下の表にて、構造別の解体費用相場をまとめたので今のうちに確認しておきましょう。
構造 | 30坪 | 50坪 |
木造 | 90~150万円 | 150~250万円 |
鉄骨造 | 150~210万円 | 250~350万円 |
鉄筋コンクリート造 | 180~240万円 | 300~400万円 |
悪質な業者の場合には、上記の費用相場よりもかなり高額な費用を請求してくるケースがあります。だまされないためにも、自分の建物がどれくらいの金額で解体できるのか、大まかな「費用相場」をチェックしておくことをおすすめします。
2.見積もりの内訳例
解体の見積書の記載内容は、同じ建物の解体工事であっても依頼する業者によって異なります。
悪質な業者の場合には存在しない項目を請求してくるケースもあるため、悪い見積書を判断できるように、解体工事の見積もりの内訳事例をいくつかチェックしておくと安心です。
関連記事:解体工事の見積もり総まとめ!チェック項目や事例をわかりやすく解説
3.解体工事前後で必要な手続き
解体前後で施主が行わなければならない手続きは、必ずチェックしておきましょう。
例えば、水道・電気・ガスなどのライフラインの停止・撤去やお祓い行事の手配など、解体前に済ませておく必要がある手続きも。
また行政機関への届出は、業者や専門家に委託できる場合があるため、自分自身でしなくても良い手続きについても調べておくと良いでしょう。
関連記事:家の解体工事に必要な手続きは?損をしないための注意点も解説
4.スケジュールの目安
解体工事のスケジュール目安も、大まかに確認しておくことをおすすめします。
解体工事は想像しているよりも工程が多く、工期が長引いてしまうこともしばしば。特に新築建て替えや土地の売却を予定している場合には、予定変更が発生しないように要チェックです。
関連記事:家の解体工事スケジュールは?全体の流れやかかる日数の目安を解説
5.補助金の有無
各自治体では、解体工事に使える補助金や助成金が提供されています。
条件が合う場合には「100万円以上」も受け取ることができる例もあるため、できる限り解体費用を抑えたい方は自分のケースで使える補助金があるかどうか事前に確認しておくと良いでしょう。
また解体やアスベストの補助金に関してはインターネット上で検索すれば出てきますが、業者が詳しく知っている場合もあるため、一度業者に相談してみるのがおすすめです。
関連記事:家の解体費用にローン・補助金は利用できる?種類や注意点も解説
6.解体を任せられる業者の種類
解体工事は、建設会社や工務店、リフォーム会社などさまざまな業者に依頼できます。そのため「どのような業者が最適か」「どこの業者に依頼すれば安くできるのか」など、業者ごとの違いを事前に比較しておくことをおすすめします。
解体にかかるお金だけでなく、施工の質や期間などにも影響するため、解体を任せられる業者の種類は特に時間をかけてチェックするようにしましょう。
解体工事をスムーズにしたいなら「業者選び」が重要
家の解体工事をスムーズに進めるうえでは、「業者選び」が重要です。
もちろん、ハウスメーカー等の解体業者以外にも依頼できますが、解体工事に慣れていないため、工事自体が長引いてしまう可能性が考えられます。
一方で解体業者は、難しい立地条件の家屋解体や特殊な構造の家屋解体など、さまざまな解体業務の経験があるため滞りなく取り壊してくれます。そのため解体関連のトラブルなくスムーズに終えたい方は、解体業者への直接委託がおすすめです。
関連記事:家の解体業者の損しない選び方!トラブルを避ける方法も解説
まとめ
家屋の解体工事の全体的な流れは、「前準備・施工中・完了後」の3つに大まかに分けることができます。建物の解体工事はすぐに取り壊し始めるものではなく、各種手続きや養生設置など、さまざまな工程を経て解体を進めていきます。
また解体手順の大幅な変更を避けるためには、「建築会社やリフォーム会社」など解体のプロではない業者に依頼するのではなく、解体に関する豊富な知識と高い技術力を有する「解体業者」がおすすめです。
東京都目黒区の株式会社上池解体興業(BOCCOS/ボッコス)では、東京都を中心に関東地域の解体工事をフルサポートしております。「木造住宅・空き家・ビル・マンション・店舗内装」などの解体工事を承っており、難しい解体工事の実績も豊富です。また当社では丁寧なサービス対応を心掛けておりますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。お見積もりは無料ですので、当社Webサイト上の「電話・メール・LINE」からお気軽にお問い合わせください。