解体工事の見積もり総まとめ!チェック項目や事例をわかりやすく解説
悪質な業者に騙されないためには、「見積書の見きわめ」が大事です。とはいえ初めて家を壊す方のなかには、「解体の見積書の見方が何もわからない」「見積書の良い・悪いの判断がつかない」と、悩みや不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では解体工事のプロである「株式会社上池解体興業」が、解体工事の見積もりを見るときに押さえておくべき情報をまとめて紹介!
- ・解体工事の見積書のチェック項目
- ・良い見積書の条件
- ・見積もり依頼時の注意点
初めての方にもわかりやすく責任を持ってご説明しますので、参考にしてみてください。
解体工事の見積もり内容が業者で違いすぎる?その理由とは
解体工事の見積もり内容は、業者ごとにまったく異なります。
その理由は、業者によって解体費・人件費の単価設定が違ったり、保有している重機、選ぶ工法が大きく異なるからです。例えば解体に必要な重機を自社で保有している業者であれば、「重機リース代」は見積もりに含まれません。一方で重機やトラックがない業者の見積もりでは、重機リース代が発生します。
そのため解体費用を安く抑えるためにも、「良い見積書の特徴や解体工事における見積書の内訳」を知っておくことが大事です。
解体工事の見積書でチェックすべき項目
解体工事の見積書の内訳には、さまざまな工事費用が含まれます。ここでは「解体工事の見積書で最低限チェックすべき項目」について、以下の5項目を紹介します。
- ・建物本体の解体費
- ・付帯工事費
- ・アスベスト関連費
- ・廃棄物処分費
- ・諸費用
またそれぞれの項目における「見積書上の表記方法」についても解説するので、提示された見積書をチェックする際の参考にしてみてください。
建物本体の解体費
「建物本体の解体費」とは、建物の内装・屋根・基礎部分などの建物全体を撤去するのにかかる費用のことです。建物本体の解体費は、坪単位で計算され、建物の延床面積と構造で大きく変わります。
また見積書では「木造瓦葺30坪住宅 手壊し解体」といったように、構造と坪数、解体方法があわせて記載されることが一般的です。
建物本体の解体費はほかの内訳と比較して金額が大きいため、「最適な単価かどうか」を必ずチェックするようにしましょう。
付帯工事費
「付帯工事費」とは、家本体以外を撤去するための費用のことです。例えばブロックフェンスや土間コンクリート、物置などの撤去費用が含まれます。
付帯物はそれぞれ単価が異なるため、見積書では「カーポート 撤去」といったように解体した付帯物ごとに記載されます。
また複数の付帯工事項目がある場合には、それぞれの単位があっているかをチェックするようにしましょう。
アスベスト関連費
「アスベスト関連費」とは、アスベストの調査・除去・運搬にかかる費用のことです。
見積書の表記上では「アスベスト調査費」「アスベスト運搬費」というように、調査と除去、運搬ごとに分けられています。また撤去費に関しては「屋根材ストレート(アスベスト)撤去費」といったように、アスベストの使用場所がわかるように記載されています。
なおアスベスト関連費の詳細は、こちらの記事で解説しています。
『アスベストの解体費用相場は?場所別の目安や安くするコツも紹介』
廃棄物処分費
「廃棄物処分費」は、解体工事で発生する木くずやコンクリート片などの「産業廃棄物」の処理にかかる費用のことです。
室内のゴミや家財の処分にかかった費用は、「建物内残置物処分」とひとまとめにされることが一般的です。一方で解体で出る廃材は種類ごとの分別が義務付けられているため、「木材・石膏ボード・瓦」といったように細かく内訳と費用が記載されます。
廃材ごとに単価や単位が異なるため、間違いがないか細かくチェックするようにしましょう。
諸費用
上記以外の項目にかかる費用は「諸費用」として、ひとまとめに記載される場合があります。諸費用には、近隣住民のトラブル対策・消耗品・交通整備費・官公庁届出申請費などが含まれます。
解体業者によって含まれる項目が異なるため、悪質業者が改ざんしやすい項目です。特に「諸費用 一式」となっている場合は、内訳をしっかりと確認するようにしましょう。
家屋解体工事の流れ
ここでは「家屋解体工事の流れ」を簡単に紹介します。実際の解体工事においてどのタイミングで見積もりが行われるのか、チェックしておきましょう。
- 1.業者探し〜問い合わせ
- 2.現地見積もり立ち会い
- 3.業者による見積書提示(郵送・メール)
- 4.見積書比較
- 5.本契約
- 6.着手金支払い
- 7.解体前準備(補助金・ローン申し込み等)
- 8.解体工事
- 9.解体現場確認
- 10.追加費用確認・解体費用支払い
おおよその解体費用を知ることができるのは、「業者探し」のタイミングです。業者のホームページ上の「施工事例」で、条件が似ている解体事例があるかどうか確認してみましょう。
そして施主からの問い合わせ後に業者による「現地調査」が実施され、見積書が提示されます。
複数の見積書を比較して、1番納得がいく金額を提示してきた業者と契約を結びましょう。
家屋解体工事の見積もり事例
解体工事の見積書は、建物の構造や条件によってさまざまです。ここでは「家屋解体工事の見積もり事例」について、以下の4パターンを紹介します。
- ・一般的な木造2階建て住宅
- ・鉄骨造の2階建て住宅
- ・平屋住宅
- ・アスベストが含まれる木造2階建て住宅
なおそれぞれの坪面積は同じ「30坪」です。面積以外のほかの条件の違いにより、異なる点を比較してみましょう。
一般的な木造2階建て住宅
まずは、「一般的な木造2階建て住宅」の見積書例を以下の表にて紹介します。
項目 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
足場・防音シート養生 | 160 | m2 | 500 | 80,000 |
重機回送費 | 1.0 | 式 | 50,000 | 50,000 |
木造2階建て住宅 解体工事 | 30 | 坪 | 30,000 | 90,0000 |
木くず処分 | 20 | m2 | 5,000 | 10,000 |
瓦処分 | 4.5 | m3 | 3,000 | 13,500 |
コンクリート | 9 | m3 | 4,000 | 36,000 |
諸経費 | 1.00 | 式 | 40,000 | 40,000 |
付帯物やゴミの撤去が必要になった場合には、上記の見積書の項目に追加されます。
鉄骨造の2階建て住宅
次に「軽量鉄骨造の2階建て住宅」の見積もり例を見てみましょう。
項目 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
仮設工事(足場・養生シート設置) | 160 | m2 | 700 | 112,000 |
重機回送費 | 2 | 回 | 15,000 | 30,000 |
S造2階建て住宅 解体工事 | 30 | 坪 | 40,000 | 1,200,000 |
コンクリートブロック塀 撤去 | 40 | m2 | 2,000 | 80,000 |
諸経費(官公庁の届出書作成代行・近隣対策費) | 1.00 | 式 | 100,000 | 100,000 |
鉄骨造住宅の解体費用相場は「1坪あたり3.5〜5.5万円」で、木造住宅よりも少し高くなります。また鉄骨造の解体工事では防音性の高い養生シートが必要になることが多く、上記例のように養生シートの単価が高くなる傾向にあります。
平屋住宅
「平屋住宅」における見積もり例は以下の通りです。
項目 | 数量 | 単価 | 単価 | 金額 |
建物養生 | 300 | m2 | 500 | 150,000 |
木造平屋住宅 解体工事 | 30 | 坪 | 40,000 | 1,200,000 |
手壊し解体 | 5 | 坪 | 5,000 | 25,000 |
残置物撤去処分 | 確認後別途 | |||
屋根材(日本瓦)処分 | 90 | m3 | 1,500 | 135,000 |
土間コン撤去 | 20.00 | m2 | 3,000 | 60,000 |
浄化槽撤去 | 1.0 | 式 | 30,000 | 30,000 |
平屋住宅の見積もりで特徴的なのは、「建物養生」の金額の高さです。平屋は横に長くなる構造であるため、同じ面積の2階建て住宅と比較し養生シートで覆う面積が増えて、養生にかかる費用が高くなります。
アスベストが含まれる木造2階建て住宅
最後に、「アスベストが含まれる木造2階建て住宅」の見積もり例をチェックしてみましょう。
項目 | 数量 | 単価 | 単価 | 金額 |
防炎シート養生 | 160 | m2 | 850 | 136,000 |
散水設備 | 1 | 式 | 5,000 | 5,000 |
重機回送費 | 2 | 回 | 40,000 | 80,000 |
木造2階建て住宅 解体工事 | 30 | 坪 | 30,000 | 90,0000 |
外壁材アスベスト撤去 | 10 | m3 | 35,000 | 350,000 |
アスベスト運搬・積込 | 1 | 式 | 30,000 | 30,000 |
混合廃棄物 処分 | 7.0 | m3 | 25,000 | 175,000 |
リサイクル法の届出 | 1.00 | 式 | 30,000 | 30,000 |
こちらの事例で特徴的なのは、「アスベスト撤去・運搬費用」が記載されている点です。また「養生シート・散水設備・重機回送費」など、アスベストの撤去作業にともない単価が上がるため、アスベストがない家の解体費用と比べると全体的に割高となっています。
解体工事の「良い見積書」4つの条件
これまで紹介してきた内容を踏まえて、ここでは「解体工事の良い見積書における4つの条件」を紹介します。損をしないためにも、今のうちに確認しておきましょう。
1.内訳ごとに単価表示が記載されている
良い見積書における1つ目の条件は、「内訳ごとに単価表示が記載されている」ことです。
良い見積書では、解体工事で発生する費用の内訳と単価表示がきちんと記載されています。一方で悪い見積書では「解体工事費用一式」といったように費用詳細が明記されていないこともしばしばです。
費用内訳がわからない見積書では、同じ項目が複数計上されていたり、関係がない項目があったりしても指摘できません。だまされないためにも、内訳が細かく記載されている見積書の業者と契約するようにしましょう。
2.追加費用が発生する旨が明記されている
良い見積書における2つ目の条件は、「追加費用が発生する旨が明記されている」ことです。
工法の変更があったり、地中埋設物の撤去が必要になったりと、解体工事には追加費用がつきものです。そのため良い見積書では、「追加費用が発生して高くなる可能性がある旨」が明記されています。
一方で追加費用のことを隠すような業者は、あとから高額な費用を請求してくる可能性があるため注意が必要です。
3.現地調査を踏まえた内容である
良い見積書における3つ目の条件は、「現地調査を踏まえた内容である」ことです。
良い見積書は、施主からのヒアリング内容に加え、担当者が現場に赴き調査した「建物の状態や立地条件」も踏まえて作成されます。
一方で施主からのヒアリング内容だけで見積もりを行う「口頭見積もり」には、注意が必要です。話を聞いてもらったうえで見積書を作成してもらえるため、一見すると良い見積書に思えますが、実は悪い見積書です。口頭見積もりの場合には、想定外の工事が発生して、次から次へと追加費用が請求されるケースがあるからです。
高額な追加費用に悩むことにならないためにも、必ず現地見積もりを行ってくれる業者に依頼するようにしましょう。
4.相場からかけ離れていない
良い見積書における4つ目の条件は、「相場からかけ離れていない」ことです。
相場よりも高すぎる見積書はもちろんのこと、安すぎるものも良い見積書とはいえない場合があるため注意が必要です。安すぎる見積書の場合には、違法投棄で廃棄物処分費を浮かせることができていたり、手抜き工事で解体費用全体を低価格で設定できていたりと、悪質なケースも多く見受けられます。
そのため悪質な業者にだまされないためにも、「相場よりも極端に低すぎる・高すぎる見積書」を提示してくる業者には依頼しないことが大事です。
【解体工事前にチェック】見積もり依頼時の注意点2つ
見積もりを依頼するときにも、注意すべきことがあります。ここでは、「見積もりを依頼するときの注意点」を2つ紹介します。
1.複数の業者に見積もりを依頼する
解体費用で得するためには、「複数の業者に見積もりを依頼する」ことが重要です。いくつかの業者を比較することで、金額の相場を把握できるうえに、悪質な見積書を避けることができるからです。
そのため1社だけに決めてしまわず、少なくとも3社以上に見積もりをお願いするようにしましょう。時間がない場合には、解体業者専用の「見積もり一括サイト」を活用するのも一つの方法としておすすめです。
業者選びのコツは、こちらの記事をチェックしてみてください。
『家の解体業者の損しない選び方!トラブルを避ける方法も解説』
2.依頼後すぐに見積もりを出してもらえないケースも
解体業者に見積もりを依頼すれば即日で出してもらえると思っている方も多いと思いますが、依頼してから「2週間以上」かかるケースもあります。時間がかかる理由は、現地調査で建物・敷地内の状況や前面道路等の周辺状況をチェックしたうえで、見積書を作成する必要があるからです。
解体工事の予定を決める際は、すぐに見積もりを出してもらえない前提で、余裕を持った解体スケジュールを組むと良いでしょう。
なお解体工事のスケジュール感は、こちらの記事で詳しく解説しています。
『家の解体工事スケジュールは?全体の流れやかかる日数の目安を解説』
信頼できる見積もりは解体業者に依頼するのがおすすめ
信頼できる見積もりは解体業者に依頼するのがおすすめです。
もちろん、ハウスメーカーや工務店、不動産会社など、他業者にも解体を依頼できます。とはいえ解体専門でない会社は解体に慣れていないことが多く、見積書の内容があいまいな可能性も。また建て替えの際に工務店に解体を依頼すると、下請けの解体業者とコミュニケーションを取る機会がなく、見積書の疑問点を確認できないデメリットもあります。
一方で解体業者は、見積書に関する不安や質問に対して丁寧に説明してくれます。
そのため初めて解体工事を依頼する方は特に、見積もり関連のトラブルを避けるうえでも解体のプロである「解体業者」に直接委託すると良いでしょう。
まとめ
同じ建物の解体工事であっても、業者によって見積もり内訳や金額は異なります。業者が設定している解体単価や人件費の設定が違うからです。
またわかりやすく信頼できる見積書を出してもらううえでは、「建設業者やリフォーム会社」など解体のプロではない業者ではなく、解体に関する豊富な知識と高い技術力を持っている「解体業者」に依頼することをおすすめします。
東京都目黒区の株式会社上池解体興業(BOCCOS/ボッコス)では、解体工事をフルサポートしております。東京都内を中心に関東地域において「木造家屋・空き家物件・ビル・アパート・店舗内装」などの解体工事を承っており、難しい解体工事の経験も十分です。また当社では丁寧なサービス対応を心がけておりますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。お見積もりは無料ですので、電話・メールからお気軽にお問い合わせください。
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