解体工事の音がうるさくて耐えられない・・・。
「解体業者に苦情を入れて良い?」「自分で騒音を楽にする方法はある?」
と、悩まされている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では解体工事のプロである「株式会社上池解体興業」が、解体工事の騒音トラブルで押さえておくべき以下の情報をまとめて紹介!
- ・解体工事の騒音の法規制
- ・解体期間中のスケジュール
- ・騒音の原因
- ・騒音クレームを入れる前のチェックポイント
- ・相談先
- ・クレームを入れるときの注意点
また「騒音以外で、解体工事でよく発生するトラブル」も紹介します。初めての方にもわかりやすく責任を持ってご説明しますので、参考にしてみてください。
解体工事に騒音はつきもの…だけど法規制もある
解体工事を行なうときに、騒音や振動は避けることはできません。
環境省が行った令和2年度の「騒音規制法等施行状況調査」によると、日本国内の騒音に関するクレーム件数のなかで圧倒的に多いのが「建設作業」に対するクレームです。実際のところ騒音に関するクレームの全体件数のうち、37.7%(20,804件中7,841件)も報告されました。
そのため近隣住民の健康や安全、安心を確保するために、騒音規制法や振動規制法では解体工事に対して一定の制限をかけています。例えば騒音規制法では、解体工事の騒音は「85デシベル以下」に抑えなければならないと定めています。
そのため優良な解体業者は法規制を守るために、養生シートや静音仕様の重機を使うことで騒音を減らせるように工夫しているのです。
解体工事の騒音の主な原因
まずは、解体工事の騒音が発生する主な原因について紹介します。解体工事では建物本体の撤去時だけではなく、重機の搬入・搬出時や足場の組み立て作業でも大きな音が発生します。
どのような音が原因になっているかを行政などへ説明する際の参考にしてみてくださいね。
重機作業
もっとも大きな音が出るのは、重機での作業中です。
硬い木材やコンクリートを一気に破壊していくため、解体現場から離れている場所でも大きな音が聞こえます。特に鉄筋コンクリート造の高層ビルやマンションの解体工事では、大きな音が周囲に響きます。
重機を使う工事は1週間以上続くこともあるため、長時間悩まされることになります。
トラック・工事車両の通過
解体工事では重機を搬入・搬出する必要があるため、周辺の道路ではトラックや工事車両が通過します。重量のある重機を載せた大型トラックが何台も通過するときには、「ガタガタ」と大きな音と振動が発生します。
工事車両が通行する道路に面している家の場合には、現場から遠くても車両の通過するたびにストレスになるでしょう。
足場の組み立て・撤去作業
解体工事では、屋根の撤去工事など高所での作業のために、足場を組み立てる必要があります。足場の組み立てや撤去作業時には、ハンマーで釘を打つ甲高い音や外壁に穴をあける際のドリル音が響いてうるさく感じることも。
また撤去作業時では足場用の資材を地面に落とす音も、解体現場の近くでは聞こえる場合があります。
関連記事:家の解体工事に足場はいるの?種類や必要な資格・許可をプロが解説!
解体工事の騒音はいつまで続く?スケジュールをチェック
では解体工事の騒音がいつまで続くのか、工事期間中のスケジュールを確認しておきましょう。
以下の表は、一般的な木造一戸建て住宅の解体工事の内容と期間目安です。
内容 | 期間目安 |
足場の設置と養生 | 1日程度 |
屋根の解体 | 1~2日 |
内装解体 | 3日程度 |
建物本体の解体 | 3~7日 |
基礎の撤去工事 | 2日程度 |
産業廃棄物の処理 | 1日程度 |
整地と清掃 | 1日程度 |
上記スケジュールのうち、特に大きな音が発生するタイミングは「建物本体の解体工事」と「基礎の撤去工事」です。建物本体と基礎は大型の重機を使って壊していくため、屋根や内装部など手壊しで行う作業と比べて、どうしても大きな音が響いてしまいます。
解体業者もできるかぎり迷惑をかけないよう対策をしてはいますが、頑丈な建物を壊すという以上、限界があります。そのため「音に敏感」「小さな子どもがいる」といった場合には、「建物本体と基礎の解体工事」期間だけでも、実家に帰るなど別の場所で過ごすという選択肢もあります。
関連記事:家の解体工事スケジュールは?全体の流れやかかる日数の目安を解説
解体工事の騒音クレームを入れる前のチェックポイント4つ
騒音が気になる場合でも、クレームを入れるべきか迷うケースもあるでしょう。ここでは、解体工事の騒音でクレームを入れる前のチェックポイントを4つ紹介します。クレームを入れる際の判断材料として参考にしてみてくださいね。
1.養生シート・養生パネルの設置
養生シートや養生パネルの設置は、「解体仕様書」などで義務付けられています。養生シートとは建物全体を覆い被せるためのシートで、養生パネルは現場周辺に設置するパネルです。どちらも防音効果が高いものがあり、音が外へ響くのを抑えることが可能です。
木造住宅の解体工事では防音シートが使われることが一般的で、特に大きな音が発生する鉄筋コンクリート造や鉄骨造の建物では、養生シートに加えて養生パネルも設置する必要があります。
そのため養生がない解体工事で騒音がする場合には、仕様書を守れないような悪質な業者の可能性が高いため、クレームを入れることを検討しても良いでしょう。
関連記事:養生シートなしの解体工事は違法?対策方法を解体のプロが解説!
2.工事の時間帯
解体工事では、周辺の住宅環境に合わせて施工しても良い時間帯が決まっています。例えば、工業地帯の解体工事は「6〜22時」まで可能ですが、閑静な住宅地の場合は「7〜19時」と短く設定されています。
基本的に住宅街であれば、深夜帯や早朝などは施工が禁止されている時間であるため、近隣住民への説明を行わずに作業をしている場合は違法にあたります。そのため深夜早朝の解体工事の騒音で悩まされている場合には、速やかに第三者に相談するようにしましょう。
3.業者からの説明の有無
解体工事前には、近隣住民に対して業者から「挨拶まわり」が行われます。解体仕様書や各自治体の条例にて、近隣対策の一環として義務付けられているからです。
木造住宅の解体工事の場合は、解体する家から見て「前後左右3軒隣」の住宅に挨拶が行われることが一般的です。一方で高層ビルや病院など大型建築物の解体工事では、より広範囲に迷惑をかける可能性があるため、地域一帯の住民に対して説明が行われます。
また挨拶まわりの形式は、直接近隣宅へ訪問する場合や地域の公民館などで説明会を開く場合、郵便で簡易的に済ませる場合など、業者によってさまざまです。近くで解体工事が行われるにもかかわらず、解体工事について説明がなく、連日騒音がひどい場合にはクレームを入れることをおすすめします。
4.騒音の基準・受忍限度を超えていないか
解体工事では、住民の快適な日常生活を守るために住宅環境ごとに騒音基準が定められています。例えばバックホウやくい抜機、ブルドーザーを使用する解体工事に対して決められている騒音の基準は、以下の通りです。
住宅環境 | 閑静な住宅街・中高層マンション地帯 | 工業地帯 |
騒音の基準値 | 工事現場の敷地境界で85デシベル以下 |
参照:騒音規制法/環境省
上記より、自宅や解体現場の近くで「85デシベル」を超える工事音が連続的に聞こえる場合には、違反業者の可能性が高いといえます。そのため騒音計測アプリなどで調べてみた音が基準値を超える場合には、速やかに近くの自治体へ相談すると良いでしょう。
また騒音に関しては、「受忍限度」も重視される基準です。受忍限度とは、許容範囲を超える騒音であれば違法として扱って良いとする考え方です。上記の基準値を超えていない場合にも、法的論点となるため一つの基準にすると良いでしょう。
解体工事の騒音被害を相談する先
ここでは、解体工事の騒音被害を相談する先を紹介します。どのようなケースで利用すべきかを解説するので、相談先を選ぶ際の参考にチェックしてみてくださいね。
解体している建物の「施主」
解体工事の騒音被害は、まず解体している建物の施主に相談しましょう。施主であれば解体業者に直接クレームを伝えてくれるため、比較的早く解決できるからです。
昼夜問わず解体工事の騒音に悩まされている場合など、すぐに解決したい場合におすすめの相談先です。
消費者センター
消費者センターは、第三者の視点から騒音トラブルの解決策の提案を行う行政機関です。基本的には、直接業者とやり取りを行うことはありませんが、場合によっては斡旋対応までしてもらえます。
消費者センターは、業者と話し合う内容や解決方法を相談したい場合に利用することをおすすめします。
各自治体の窓口
各自治体の窓口でも解体工事の騒音トラブルの相談を受け付けており、業者に対して作業を改善するように直接勧告してくれます。悪質な場合には、解体工事を強制中止してくれる場合もあります。
そのため特に騒音がひどい場合や、注意を入れてもなかなか解決できない場合には、自治体へ相談すると良いでしょう。
解体工事の騒音クレームを入れる時の注意点3つ
ここでは、解体工事の騒音クレームを入れるときの注意点を3つ紹介します。
クレームを入れる際は気をつけなければ、ただの文句として処理されてしまったり、さらに状況が悪化してしまったりと、スムーズに解決できないことがあります。
騒音のクレームをスムーズに処理してもらうためにも、それぞれチェックしておきましょう。
1.解体業者へ直接クレームを入れるのは避ける
騒音のクレームを入れる際は、解体業者へ直接伝えるのは避けるようにしましょう。 騒音が発生するような解体工事をしている業者は悪質な場合が高く、誠実に話し合いに対応してもらえず、さらに大きなトラブルに発展する可能性があるからです。
なるべく当事者間の話し合いは避け、消費者センターや自治体などの第三者に相談することをおすすめします。
2.騒音の証拠を集める
騒音のクレームを入れる際には、騒音の被害状況などを説明するために客観的な証拠が必要です。そのため音を計測できるアプリを使って騒音のレベルを集めたり、作業現場を動画で撮ったりなどと、騒音の証拠をなるべくたくさん集めると良いでしょう。
証拠があるとその事実に基づいて、自治体や弁護士が動いてくれます。 ただ「うるさい」と伝えるだけでは事実確認ができないことから相談だけになってしまうため、具体的に解決してもらいたい場合にはまずは証拠を集めるようにしましょう。
3.騒音基準を超えてなくてもすぐ相談する
騒音のトラブルは、「受忍限度」も大事な論点になります。
そのため騒音の基準以下の音でも日中絶え間なく聞こえて我慢できないときなど、日常生活に支障が出ている場合には、すぐに自治体や消費者センターに相談すると良いでしょう。
【騒音以外にも】解体工事のよくあるトラブル例
解体工事では、騒音以外にもトラブルが発生します。ここでは、騒音以外の解体工事トラブルを紹介します。
粉じん飛散トラブル
解体工事では、ほこりやチリなどの粉じんが大量に発生します。
養生シートがしっかりと設置されていない解体工事では、外で干してる洗濯物へチリがたくさん付着したり、室外機から室内へ入ってきたりと、粉じんが飛散してくるケースがあります。
騒音と同じく粉じんもひどい場合にも、自治体や弁護士に相談すると良いでしょう。
関連記事:近隣のアスベスト解体中に洗濯物を干していい?対策や注意点も解説
振動トラブル
重機での作業中や車両の出入りにともない、振動が伝わってくるケースもあります。振動がひどい場合には自宅の外壁にヒビが入ったり、屋根瓦が崩れたりと自宅の補修が必要になるケースも。
特に隣人宅で解体工事が行われる場合は、家屋事前調査を依頼しておき、自宅へ影響があった場合に備えておくと良いでしょう。
関連記事:近隣の解体工事のせいで家が揺れる!相談先やトラブル対策方法を紹介
工事の騒音トラブルを防ぐためには解体業者へ相談
自分が解体工事を依頼したい場合、騒音トラブルを防ぐためには、解体業者へ直接委託がおすすめです。
もちろん、不動産会社やハウスメーカー、工務店などの他業者にも解体工事を依頼することは可能です。とはいえ解体が専門ではない業者は、養生シートの設置方法や騒音関連の法律に詳しくない可能性もあります。また新築建て替えの際に工務店などに依頼する場合には、下請けの解体業者とコミュニケーションを取ることが難しいため、騒音トラブルに対して早急に対応してもらえないデメリットも。
一方で解体業者であれば騒音を抑えられる工法や重機を詳しく知っているため、騒音トラブルが起きないように周囲に配慮しながら施工してくれます。また解体関連の知識や経験が豊富なため、騒音トラブルが起きても丁寧に対応してくれます。
そのため解体工事の騒音トラブルを最小限に抑えたい場合には、解体業者に直接委託すると良いでしょう。
関連記事:家の解体業者の損しない選び方!トラブルを避ける方法も解説
まとめ
解体工事では重機作業や足場の組み立て作業により、周囲に大きな音が響きます。近隣で行われている解体工事の騒音が気になる場合には、消費者センターや自治体へ相談することをおすすめします。
また自宅や実家の解体時で騒音トラブルを回避するうえでは、解体のプロである「解体業者」への直接委託がおすすめです。
東京都目黒区の株式会社上池解体興業(BOCCOS/ボッコス)では、解体工事をフルサポートしております。東京都内を中心に関東地域において「空き家物件・木造建築・マンション・アパート・店舗内装」などの解体工事を承っており、難しい解体工事の実績も豊富です。また当社では丁寧なサービスや近所間のトラブル対策を心がけておりますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。お見積もりは無料ですので、当社ホームページ上の「電話やメール」からお気軽にお問い合わせください。