コロニアル屋根にはアスベストが含まれる?解体のプロが対処法を解説
コロニアル屋根には有害なアスベストが含まれている可能性があります。
「何の屋根にアスベストが含まれるか調べる方法は?」
「アスベストが含まれる場合にはどう対処すれば良いの?」
と、不安や悩みがある方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、アスベスト入りのコロニアル屋根の見分け方や対処方法、解体費用相場について紹介します。解体工事のプロである「株式会社上池解体興業」が初めての方にもわかりやすく責任を持ってご説明しますので、参考にしてみてください。
コロニアル屋根には有害なアスベストが含まれる可能性が高い
コロニアル屋根には、有害なアスベストが含まれている可能性が高いです。
しかしコロニアル屋根とは聞きなれない方も多いでしょう。では、コロニアル屋根について簡単に説明してみました。
そもそも「コロニアル屋根」とは?
「コロニアル屋根」とは「スレート屋根」の一種で、現在のケイミュー社が販売する屋根の商品名です。これまでに販売されてきたコロニアル屋根のシリーズには、「クァッド・カラーベスト・シャッフル」などさまざまな種類があります。
またコロニアル屋根は「セメントと繊維質」を混合し、「1枚あたり薄さ5mm㎜・重さ3kg程度」の薄い板状に形成されます。粘土瓦等の屋根材と比較すると軽量で、柱や梁などの骨組み部分に負荷がかかりにくい特徴があります。
とはいえ現在は、アスベスト入りのコロニアル屋根の製造が禁止されています。そのため基本的には、完全に禁止される前に建てられた「古民家や古い空き家などの古い家屋の屋根」が対象となります。
では、なぜ数多くある屋根材のなかでもコロニアル屋根が危険とされるのでしょうか?
コロニアル屋根とアスベストの関係性
コロニアル屋根とアスベストには、どのような背景や関係性があるのでしょうか。こちらでは「コロニアル屋根とアスベストの関係性」について、以下の5つの観点から紹介します。
- ・屋根材の耐久性を高めるためにアスベストが使用されていた
- ・健康被害増加で2004年以降からアスベスト入りの屋根材が使用禁止に
- ・コロニアル屋根のアスベストレベルは低め
- ・近年アスベスト入りのコロニアル屋根が再注目される理由
屋根材の耐久性を高めるためにアスベストが使用されていた
古い家における屋根のイメージにあるように、昭和より前の年代は「瓦屋根」が主流でした。しかしながら関東大震災の際に瓦が地震の揺れで道路等に落下する事象が多く見られ、瓦屋根における耐震性の低さが問題視されました。
大地震がきっかけで屋根材に耐震性が求められるようになり、急速に普及したのが「アスベスト入りのコロニアル屋根」です。アスベストは「防火性・耐久性・断熱性」など頑丈な建築物に適した素材であるため、1960年代後半〜2000年代前半にかけて瓦屋根に代わる屋根材として、一般住宅にも多用されていました。
健康被害増加で2004年以降からアスベスト入りの屋根材が使用禁止に
1970年代から徐々にアスベストを扱う工場勤務者や建設業者を中心に、アスベストが原因と思われる肺ガンや悪性中皮腫などの健康被害の報告が増加。アスベストの被害拡大を防ぐために、2004年には「全重量に対して1%以上のアスベストを含む製品の製造・使用」が禁止されました。
さらに2005年には、当時アスベスト入りのコロニアル屋根を製造していた「クボタ」の工場内外で、アスベスト関連の公害や労働災害が発生していたことが発覚。クボタの事件も大きなきっかけとなり、2006年には「重量に対して0.1%以上のアスベストを含む製品の製造・輸入・提供・使用」が禁止されました。
コロニアル屋根のアスベストレベルは低め
アスベスト入りのコロニアル屋根は、危険度がもっとも低い「レベル3」に該当します。
レベルが低い理由は、屋根材に使用されるアスベストはセメントで固定されているため、吹き付け材等と比較すると飛散性が低いからです。
またレベル3のアスベスト含有建材は、日常生活を送るうえでは問題ないとされています。ただし家の建て替え工事や修理作業時には、屋根の解体に伴いアスベストを含む粉じんが空気中に舞い、作業者や近隣住民が被害に遭うリスクがあります。そのためレベルが低いコロニアル屋根の扱いにおいても、十分な防塵対策が必要です。
近年アスベスト入りのコロニアル屋根が再注目される理由
近年アスベスト入りのコロニアル屋根が再注目されています。再注目される理由の一つに、大気汚染防止法の改正により「アスベストの事前調査結果の報告が義務化」されたことが挙げられます。
今回の法改正により、以前までは調査が不要であった「アスベストレベル3」の建材においても報告が義務となりました。レベル3に該当するアスベスト含有屋根材の扱いが厳しくなったことで、完全に禁止された年から時間が経った今、再び解体業者や家を持つ人から注目されています。
アスベストを含むコロニアル屋根の対処方法3つ
自分の家や実家の屋根にアスベストが含まれる場合には、どのように対処すれば良いのでしょうか。こちらでは「アスベストを含むコロニアル屋根の対処方法」について、以下の3つを紹介します。
- 1.カバー工事で新しい屋根材を被せる
- 2.葺き替え工事で新しい屋根に張り替える
- 3.屋根を含む家本体ごと解体
またそれぞれの対処方法におけるメリットやデメリットを踏まえて、どのような方におすすめな方法かも簡単に解説します。
1.カバー工事で新しい屋根材を被せる
「カバー工事」とは、古い屋根の上に新しい屋根材を重ねて張り付ける工法です。一般的にコロニアル屋根の上には、「ガルバリウム鋼板」や「SGL鋼板」などの比較的軽量な金属屋根が被せられます。
カバー工事は屋根材を撤去しない方法であるため、アスベストの解体費用や廃材処理費を節約できるメリットがあります。ただしいくら頑丈とはいえ屋根材の劣化は避けられないため、いずれ解体するタイミングが発生します。
カバー工事は今すぐに解体費用を用意するのが難しい場合や、長く住み続ける予定がない場合に適した方法です。
2.葺き替え工事で新しい屋根に張り替える
「葺き替え」とは古い屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材へ張り替える工法です。葺き替え工事の際には、アスベストの除去工事も行われます。
アスベストがない屋根材へ変えられるため、健康被害の心配がなくなるメリットがあります。そのため葺き替え工事は、長く住み続ける場合におすすめの方法です。
3.家本体ごと解体
屋根だけの部分工事ではなく、家本体ごと解体するのも一つの方法です。アスベスト建材が複数の場合に、建材ごとに工事をすると事前調査費用と除去費用が都度かかります。建材別に依頼するとアスベスト建材が多ければ多いほど負担する金額も増えるため、家を丸ごと解体した方がお得になります。
家本体ごと解体する方法は、アスベストが屋根以外にも含まれている場合におすすめの方法です。
コロニアル屋根のアスベスト解体にかかる費用相場
コロニアル屋根のアスベスト解体にかかる費用は、「1坪あたり3,000〜5,000円」が相場です。
以下の表にて、坪数ごとの解体費用相場を確認してみましょう。
坪数 | 解体費用相場 |
20坪 | 20〜33万円 |
30坪 | 30~50万円 |
50坪 | 50〜83万円 |
80坪 | 80〜135万円 |
屋根材に含まれるアスベストの解体工事は飛散リスクが低めで、レベル1・2ほど厳重な設備や手順を必要としないため解体費用も比較的安くなります。
ただしアスベストが含まれない屋根材の撤去料金は「1坪あたり1,500円」程度であるため、通常の解体費用と比較すると「2倍」以上高くなります。
コロニアル屋根のアスベスト除去・解体手順
コロニアル屋根のアスベストを除去するためには、決められた手順に従う必要があります。こちらでは「コロニアル屋根のアスベスト除去・解体手順」について、以下の4つの流れに沿って紹介します。
- 1.アスベストを扱う業者の選定
- 2.業者によるアスベスト含有の事前調査・分析
- 3.調査報告
- 4.アスベスト除去作業開始
1.アスベストを扱う業者の選定
まず、アスベストを扱う業者を選びましょう。どこの業者に「アスベストの事前調査」と「除去工事」を任せるか、複数の業者から検討する必要があります。事前調査を依頼する場合には、専門資格を有していない業者でも可能です。一方で除去工事の場合には、「石綿作業主任者」がいる業者に依頼する必要があります。
ただし2023年10月以降の解体工事からは、事前調査においても資格保有者への依頼が義務となります。とはいえ義務付け適用前であっても、安全に施工してもらううえで専門業者に依頼を行うことをおすすめします。
2.業者によるアスベスト含有の事前調査・分析
業者との契約後には、業者によるアスベスト含有の事前調査が行われます。2022年4月以降からアスベストのレベルに関係なく、すべての建材に対して事前調査が義務付けられました。
事前調査では「書面調査と現地調査」が行われます。現地調査でアスベストの恐れがある検体を採取したあと、アスベストの有無や含有率が分析されます。
3.調査報告
分析完了後、施主に対して書面上で調査内容の報告が行われます。調査書には以下のような内容や項目がまとめられます。
- ・調査方法
- ・調査範囲・対象建材
- ・調査機関
- ・分析結果
なお調査報告の実施は業者に義務付けられているため、報告がない場合には速やかに業者に確認をとるようにしましょう。
4.アスベスト除去作業開始
コロニアル屋根のアスベスト含有が確認された場合には、アスベストの除去作業が実施されます。屋根材におけるアスベストの除去作業の一般的な流れは以下の通りです。
- 1.作業計画書作成
- 2.養生シート設置・足場組み立て・事前調査結果の掲示
- 3.事前清掃
- 4.手作業で原形を保ったままアスベストを撤去する
- 5.取り残し等の有無を目視で確認
- 6.事後清掃・隔離養生撤去
- 7.石綿含有廃棄物処分
屋根を養生する際には、屋根よりも数メートル高めに足場を組み、養生シートで全体をドーム状に覆います。またほかのアスベスト建材とは違い湿潤化が難しいため、専用の掃除機や集じん機を稼働させながら撤去していきます。屋根材のように隔離が難しい屋根の撤去作業においても、業者によって飛散防止対策は徹底されているので安心してくださいね。
アスベスト入りコロニアル屋根の3つの見分け方
自分の家の屋根に、アスベストが含まれているかどうかが気になる方も多いでしょう。こちらでは「コロニアル屋根のアスベスト含有を自分で見分ける方法」について、以下の3つを紹介します。
- 商品名や建材名
- 製造元のメーカー名
- 製造期間
なおこれから紹介する内容は、国土交通省と経済産業省が運営する「石綿(アスベスト)含有建材データベース」に基づくものです。詳細な情報を知りたい方は、データベースもあわせて活用してみてください。
1.商品名や建材名
コロニアル屋根の「商品名や建材名」がわかる場合は、データベースもしくはケイミュー社の「石綿(アスベスト)に関する見解書」から、アスベストの使用有無をチェックできます。
一般的に屋根材の商品名や建材名は、「新築建設時の見積書や屋根工事の設計書」に記載されています。
2.製造元のメーカー名
屋根材の「製造元のメーカー名」が判明しているなら、データベースや建材メーカーのWebサイト上から調べられます。
またメーカーによってはアスベストに関する個別の問い合わせを行っている場合もあるため、自宅の屋根が該当するか詳しく知りたい方は直接問い合わせてみると良いでしょう。
3.製造期間
コロニアル屋根の「製造期間」からも、アスベストが含有されているかどうかを知ることができます。先述したように、アスベストの規制が厳しくなったのは2004年から2006年にかけてです。そのため2006年以降に製造されたコロニアル屋根は、アスベストが使われている可能性が低くなります。
なお2004年以降に建築された建物の場合にも、アスベストが含まれた屋根材が使われていることがあるため注意してください。
コロニアル屋根やアスベストのことは解体業者へ相談
コロニアル屋根やアスベストのことは、まず「解体業者」へ相談することをおすすめします。
解体工事のプロである解体業者であれば、アスベストに関連する法律について熟知しているため、法基準に基づいた正しい方法で解体できます。また助成金についても詳しく知っているため、相場よりも費用を抑えることも可能です。
そのため解体工事が初めての方は特に、アスベストの扱いや解体に慣れている「解体業者」がおすすめです。
まとめ
古い家や空き家のコロニアル屋根には、有害なアスベストが含まれている可能性があります。普段の生活上でアスベストの被害に遭う可能性は極めて低いですが、屋根の補修・解体工事など屋根が割れるような作業の場合にはアスベストが飛散し危険性が増します。
解体工事の際にアスベストの被害に遭う可能性を減らすためには、「建設業者やリフォーム会社」など解体のプロではない業者に依頼するのではなく、解体に関する豊富な知識と実績を有する「解体業者」がおすすめです。
東京都目黒区の株式会社上池解体興業(BOCCOS/ボッコス)では、解体工事をフルサポートしております。東京都内を中心に関東地域において木造住宅の解体工事を承っており、難しい解体工事の経験も豊富です。また当社では丁寧なヒアリングと対応を心掛けておりますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。お見積もりは無料ですので、当社ホームページの電話やメールからお気軽にお問い合わせください。
千葉・埼玉・神奈川・東京の住宅解体
会社名:株式会社 上池解体興業(ボッコス/BOCCOS)
住所:〒152-0003 東京都目黒区碑文谷2-6-22
TEL:03-6846-5035
営業時間・定休日:9:00~18:00 日曜日