解体重機のアタッチメントの種類まとめ!作業例や必要な資格まで解説
解体重機のアタッチメントにはさまざまな種類があります。とはいえ解体工事に馴染みがない人のなかには、「細かい違いがわからない」「アタッチメント交換は誰でもしていいの?」などと、アタッチメントに関する疑問がある方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、解体現場で使われる重機のアタッチメントの種類や、交換が必要な作業例について紹介します。解体工事のプロである「株式会社上池解体興業」が初めての方にもわかりやすく情報をまとめて責任を持ってご説明しますので、参考にしてみてください。
そもそも解体重機のアタッチメントとは?
解体重機のアタッチメントとは、重機の先端部分につける付属品のことです。
人間の身体で例えると「手」の役割を持ち、アタッチメント部分を操作することで、対象物を壊したり、モノをつかんだりといった、あらゆる動作を行うことができます。
解体工事では建物を壊す作業以外にも、廃棄物の分別や、地中埋設物の撤去などさまざまな作業があるため、必要に応じて適切なアタッチメントを選ぶ必要があります。
解体工事で使う重機のアタッチメントの種類
それでは、「解体工事で使う重機のアタッチメントの種類」を紹介していきます。
それぞれの特徴や機能性を詳しく見ていきましょう。
オーガ
「オーガ」とは、ドリルのような見た目で軸に沿ってらせん状の羽がたくさん付いているアタッチメントです。
先端のドリル部は用途に合わせて、円錐形の鋭い歯がついた「ロックピック」や、鋭利な「カッター」状のものなどに変更することができます。
またオーガは「掘る」作業に特化したアタッチメントで、軟弱地盤から軟岩・切り株、硬質地盤までさまざまな箇所を掘り進めることができます。
クラッシャー
「クラッシャー(大割機)」とは、クワガタのアゴのような見た目で2つの大きく頑丈な刃が特徴的なアタッチメントです。
ハサミと同じ仕組みで動き、強力な挟む力で硬いコンクリートを「粉砕する」ことができます。またクラッシャーの内側にカッターがついているタイプでは鉄筋も切断できるため、「鉄骨造・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート」の3種類の解体現場を1台でカバーすることができます。
パクラー
「パクラー(小割機)」とは、恐竜の頭のような見た目で2つの爪で形成されるアタッチメントです。
クラッシャーにより粉砕されたコンクリートの大塊をさらに細かく砕石状にまで「粉砕する」用途で使用されます。細かく噛み砕くことで、ダンプトラックに積み込みやすくし、産業廃棄物処理場まで大量のコンクリート片を効率良く運搬します。
また鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリートの解体現場において、コンクリートと鉄筋を正確に分別する際にも役立ちます。
グラップル
「グラップル(フォーク)」とは、ザリガニのはさみのように内側に湾曲した爪が特徴的で、「つかむ」操作に特化したアタッチメントです。
主に木造住宅の解体工事で使用され、木造の頑丈な「梁・柱」の撤去から、ダンプトラックへの積み込みまで、グラップル一つで完結することができます。
スケルトンバケット
「スケルトンバケット」とは、ザルのように網目状になっているバケットの一種です。
すくった対象物を「選別する」ことが得意で、残土のガラ処理で主に使用されます。
また網目の大きさを自在に変えられるタイプであれば、複数の廃棄物が混ざっている場合にもきれいに分別することができます。
バケット
「バケット」は、油圧ショベルに標準装着されているアタッチメントで、スコップのような受け皿と先端の爪が特徴的です。解体現場における地面を「掘る」作業や土砂を「すくい取る」作業で、主に利用されます。
バケットにはさまざまな種類があり、底の形状が平らな「法面バケット」や、狭い場所の作業を得意とする「幅狭バケット」があります。
また、つかむ機能もある「ストレンジャーバケット」のように、複数の用途で利用できるバケットを選ぶことで、頻繁にアタッチメントを交換する手間がなくなるメリットがあります。
ブレーカ
「ブレーカ」とは、ドリルのような見た目で、コンクリートのような硬いものを「粉砕する」機能に特化したアタッチメントです。先端のチゼル部分を対象物に対して連続的に打撃を与えることで、細かく破砕します。
鉄筋コンクリート造の解体作業はもちろんのこと、庭石や岩石の撤去・分別時にも使用されます。
重機のアタッチメント交換が必要になる作業
こちらでは、「解体重機のアタッチメント交換が必要になる作業」を6つ紹介します。
どのようなアタッチメントが適切か解説するので、自分で作業をする際の参考にしてみてください。
建物本体・付帯物の解体
建物本体や付帯物の解体は、その構造の種類によって使用するアタッチメントを変える必要があります。
例えば木造家屋を壊す際には「グラップル」で、マンション等の頑丈な建物や駐車場の撤去工事では「ブレーカーやクラッシャー」が適しています。
異なる構造物を同時に取り壊す際には、それぞれの性質に合わせて適切なアタッチメントを用意しましょう。
産業廃棄物の処理
解体工事中に出た産業廃棄物を処理する場合には、細かく砕いたり、種類別に分けたりする必要があります。例えばコンクリートが混在している場合は「パクラー」、木材の場合には「グラップル」を使って細かく粉砕します。
また土の中に混ざっている場合には、「スケルトンバケット」によりふるいにかけます。
廃材の処理を自分で行う際には、発生する対象物に合わせた「粉砕用アタッチメント」と適切な網目サイズの「スケルトンバケット」を準備すると良いでしょう。
積み込み作業
解体工事で発生する大量の産業廃棄物や草をダンプトラックに積み込む際にも、専用のアタッチメントが必要です。積み込み作業では、対象物をつかんで持ち運ぶ作業が得意な「グラップルやバケット」が活躍します。
掘削
浄化槽等の地中埋設物や樹木を撤去する前には、土を掘り進める「掘削作業」工程があります。掘削作業では主に「バケット」が使用され、掘削する場所や土の状態によって使用されるバケットが異なります。
また「オーガ」を使う場合には、掘削だけでなく地中に埋まっている地中埋設物の粉砕も同時に行うことが可能です。
庭木の撤去
敷地内を更地にする際には、庭木も一緒に撤去されます。庭木を撤去する際には、「グラップルやストレンジャーバケット」が適しています。これらのアタッチメントであれば、木の根っこごと引き抜くことができるからです。
樹木の抜根は手作業で行えるケースもありますが、効率良く行いたいのであれば専用アタッチメント付きの重機を使用すると良いでしょう。
整地作業
解体工事後の土地を整備する際には、「整地作業」が行われます。整地の種類はさまざまですが、いずれの場合も地面を平らにする工程があります。そこで「法面バケット」により、敷地内の一部を掘削して切土を行い、基準よりも低い地点に土を盛っていきます。そして全体的に均一にならしながら、地面を固めていきます。
整地作業は手作業ですると時間がかかるため、専用アタッチメント付きの重機を活用して効率良く行うと良いでしょう。
解体重機のアタッチメントを安く買える方法3つ
新品のアタッチメントを購入するのは、金額面でかなり負担がかかります。
こちらでは、「解体重機のアタッチメントを安く買う方法」を紹介します。
中古重機販売メーカー
「中古の重機を取り扱うメーカー」では、新品の「10分の1程度」の価格で購入可能です。また販売前に動作確認を済ませている場合が多く、購入後すぐに利用を開始できるメリットもあります。
同じアタッチメントを頻繁に利用する場合には、中古重機販売メーカー経由で用意する方法がもっともコスパが良いといえます。
重機レンタル
重機のアタッチメントは「重機レンタルサービス」を利用することで、お得な料金で購入可能です。
通常のレンタル同様に、一定期間アタッチメントをレンタルすればリース会社へ返す仕組みであるため、買い切り型とは異なり長期間保管する必要がありません。個人の場合には1度限りの利用で終わることも多いため、使う日数分だけの管理で済むのは大きなメリットといえるでしょう。
使用する機会が少ないアタッチメントを使いたい場合には、重機レンタルを利用する方法がもっともお得です。
オークションサイト
ヤフオク!等の「オークションサイト」では、中古のアタッチメントが出品されているケースも珍しくありません。なかには、即決落札が可能なアタッチメントもあり、相場よりもお値打ち価格で購入することができます。
現状確認ができないアタッチメントも多いため、自分で良質な商品を見きわめることができるのであれば、オークション経由で購入するのもおすすめです。
【個人で解体するなら要チェック!】解体重機・アタッチメントのトラブル例
解体工事ではさまざまな事故が発生します。こちらでは、「解体重機やアタッチメント関連のトラブル例」を紹介します。自分で操作する場合に、大きな事故の発生を防げるように確認しておきましょう。
アタッチメントの取り付けミス
アタッチメントを使う前には、ボルトやナット、ブッシュなど複数の部品をズレないように取り付ける必要があります。そのため慣れていない場合には、アタッチメントの取り付けミスによる事故が発生してしまうケースも。
取り付け方が複雑なアタッチメントも多いため、慣れていない場合には一度解体業者に相談することをおすすめします。
重機の操作ミス
重機のオペレーションミスで、重機が転倒したり、物が落下してきたりして、作業員が怪我をしてしまう事故例も報告されています。専用の免許を取得している場合にも慣れないうちは、思うように動かせないこともしばしばです。
そのため操作ミスによる事故を防ぐためにも、重機の操作に少しでも不安がある場合には、解体業者に任せましょう。
重機の接触事故
重機には死角が多くあるため、移動した際に人にぶつかったり、車にぶつかったりする事故がよく発生します。クレーン車のような大型重機を扱う場合には、電線にぶつかってしまい、その地域全体を巻き込む大規模な停電を引き起こしてしまうケースも。
重機操作上で大きな事故やトラブルを防ぐためにも、解体のことは解体業者に依頼すると良いでしょう。
個人で解体重機を使うために必要な主な資格
重機を扱う作業は危険性が高く、作業者には専用の資格を取得することが義務付けられています。こちらでは、「解体重機を使うために必要な主な資格」を3つ紹介します。
知らなかったでは済まされないため、個人で家の解体工事や改修工事をする方はそれぞれチェックしておきましょう。
車両系建設機械(解体用)運転
ブレーカーやクラッシャーなどの解体用のアタッチメント付き重機を使う場合には、専用の資格が必要です。その資格とは「車両系建設機械(解体用)運転」と呼ばれるもので、重機の質量が3トン以上のものを運転する人に義務付けられた資格です。
自宅等を解体する際に重機を使いたい方は、「車両系建設機械(解体用)運転」の資格を取得すると良いでしょう。
小型移動式クレーン運転
クレーンを使って解体工事を行う場合には、専用の免許がなければ作業できません。例えば、つり上げ荷重が5トン未満のクレーン車の運転時には、「小型移動式クレーン運転免許」の取得が義務付けられています。
ラフタークレーンを使って、足場の解体や屋根の撤去作業をする際には、「小型移動式クレーン運転免許」を取得するようにしましょう。
運転免許証
車両系建設機械やクレーン車の資格を保有していても、重機やダンプトラックで公道を走る場合には、別途「運転免許」が必要です。「普通・小型特殊・大型特殊免許」のうち、重機ごとに必要になる免許の種類が異なるので注意してください。
重機の搬入・搬出にともない公道を走る場合には、指定される区分の運転免許を取得するようにしましょう。
解体重機のアタッチメントの種類は「解体業者」に相談するのがおすすめ
解体重機のアタッチメントの種類がよくわからない場合には、「解体業者」に相談してみましょう。
もちろん、ハウスメーカーや工務店、不動産会社など、他業者にも重機やアタッチメントのことは相談可能です。とはいえ解体専門でないアタッチメントの違いをしっかり把握できていない可能性もあります。
一方で解体業者は実際に重機を使っているため、アタッチメントに関する疑問に対して丁寧に説明できます。そのため解体費用を安く抑えたい場合には、解体業者へ直接委託することをおすすめします。
関連記事:家の解体業者の損しない選び方!トラブルを避ける方法も解説
まとめ
解体で使われる重機のアタッチメントの種類はさまざまです。作業ごとに適切なアタッチメントを使えば、何倍も効率良く解体を進めることができます。
また重機やアタッチメント関連のトラブルを回避するためには、解体のプロである「解体業者」への直接委託がおすすめです。
東京都目黒区の株式会社上池解体興業(BOCCOS/ボッコス)では、解体工事をフルサポートしております。東京都内を中心に関東地域において「空き家物件・木造建築・マンション・アパート・店舗内装」などの解体工事を承っており、難しい解体工事の実績も豊富です。また当社では丁寧なサービスや近所間のトラブル対策を心がけておりますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。お見積もりは無料ですので、当社ホームページ上の「電話やメール」からお気軽にお問い合わせください。
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