都心部に多い狭小地は解体費用が割高になります。また、解体現場と隣の住宅との距離が近いため解体トラブルが発生しやすいです。このような注意点があるため、狭小地の解体工事のポイントを押さえておきましょう。
今回は狭小地の解体工事の注意点について解説します。この記事では、解体業者の選び方までご紹介しているため、住宅密集地の住宅を解体する前にお読みください。
[はじめに]狭小地とは
狭小地とは、狭くて小さな土地をいいます。一般的に15~20坪程度の土地を指すケースが多いです。狭小地は坪単価の高い都心部や繁華街に多いです。
狭小地に建てられた家は、狭小住宅と呼びますが価格が安いため、近年人気があります。しかし、狭小住宅を解体する場合は、住宅密集地のため近隣住民に配慮する必要があります。
狭小地の解体工事の注意点
狭小地の解体工事を行う際の注意点は2つあります。
近隣トラブルが発生しやすい
狭小地は住宅が密集しているため、解体工事を行う際に近隣トラブルが発生しやすいです。下記のようなトラブルが発生する恐れがあります。
[近隣トラブルの例]
- 解体工事中の騒音や振動で日常生活に支障をきたす
- 解体工事で発生する粉塵が飛散して、近隣の建物が汚れてしまう
- 解体工事で近隣の建物を傷つけてしまう
- 境界線に関するトラブルが発生する
- 作業スペースが限られているため隣地にはみ出てしまう
- 距離が近いため、解体工事に対して不安がられる
- 狭い場所での作業のため、通行人に怪我をさせてしまう
解体工事でどのようなトラブルが発生するか詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『解体工事でよくあるトラブル11選!避ける方法や相談先を紹介』
狭小地の解体工事費用が高くなる
狭小地の解体工事費用は通常時より1.5倍程高くなります。例えば、木造住宅20坪の場合は100~160万円、30坪の場合は150~200万円します。
通常時の解体費用と比較すると、狭小地の解体費用の高さに驚かれる方も多いです。そのため、狭小地の解体工事は予算を多めに確保することをおすすめします。
<参考例>解体費用の坪単価
通常時 | 狭小地 | |
仮説工事費 | 3~5万円/坪 | 5~8万円/坪 |
鉄骨造 | 5~7万円/坪 | 7~10万円/坪 |
鉄筋コンクリート造 | 6~8万円/坪 | 9~12万円/坪 |
30坪の木造住宅を解体する費用相場を詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『30坪の木造住宅を解体する費用相場は?単価や内訳をわかりやすく解説』
狭小地の解体工事が割高になる理由
狭小地の解体工事が割高になる理由は4つあります。
重機が入らず人力解体となるため
狭小地は間口が狭く重機を使用することができないため人力解体を行わなければなりません。また、廃材の搬出作業も人力で行わなければなりません。
重機を使用すると3日で完了する作業の場合、人力解体だと1週間かかります。解体作業費用は工期が長引くほど高くなるため、狭小地の解体費用は割高となります。
特別な養生が必要となる
都心部の住宅は密集しています。特に狭小地は隣、後の住宅と距離が近いです。そのため、隣、後ろの住宅に傷を付けたり、粉塵で迷惑かけたりしないように特別な養生を使用する必要があります。
また、解体工事の騒音・振動などで迷惑かけないように防音対策も必要です。通常の解体工事よりも、養生シートにこだわる必要があるため、解体費用が高くなります。
養生シートの重要性について知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『養生シートなしの解体工事は違法?対策方法を解体のプロが解説!』
家屋調査を行う
狭小地は近隣住宅と距離が近いため、工事前に家屋調査を行います。
家屋調査とは、近隣の建物の状態をチェックすることです。
解体工事の影響で建物に傷が付いたり、傾いたりなど被害が出た際に検証できるように家屋調査を行います。家屋調査費用は1件当たり3~10万円です。
家屋調査費用は高いですが、狭小地の解体工事はトラブルが発生することが多いため調査するようにしましょう。
家屋調査に関する詳細情報は下記の記事をご覧ください。
関連記事:『解体工事前の近隣家屋調査とは?調査項目や費用、流れを教えます』
駐車スペースを契約しなければならない
狭小地の場合、廃材運搬車両が駐車できるスペースがないため駐車場を契約しなければなりません。
解体工事で使用する駐車場料金は依頼者が負担します。重機を使用すると3日で完了する作業の場合、人力解体だと1週間と工期が延びると説明しました。つまり、狭小地の解体工事では長期間駐車スペースを借りなければならず、通常時より高くなります。
狭小地の解体業者の選び方
狭小地の解体工事は近隣トラブルが発生しやすいため解体業者は慎重に選びましょう。ここでは、狭小地の解体業者の選び方について解説します。
見積書が明瞭会計である
解体業者を選ぶときは、明瞭会計の見積書を提示してくれるところを選びましょう。
狭小地の解体工事は、特別な養生シートを使用したり家屋調査を行ったりするため割高となります。これらの代金が見積金額に含まれているか確認するようにしましょう。
解体工事一式の料金が記載されている場合は、見積金額に何が含まれているかを把握できません。見積金額の内訳を確認せずに依頼するとトラブルが起きるため、必ず明瞭会計である解体業者を選びましょう。
解体工事の見積書の内訳を知りたい方は下記の記事をお読みください。
関連記事:『解体工事の見積もり総まとめ!チェック項目や事例をわかりやすく解説』
狭小地の実績を保有
解体業者のホームページの施工実績を見て。狭小地の解体工事の実績を保有しているかを確認しましょう。解体業者のの施工事例は依頼者の承諾がないと掲載できないものです。
つまり、狭小地の施工実績を持つ会社は依頼者が満足できる技術力、ノウハウを持っている証明となります。そのため、解体業者を選ぶときはホームページの施工事例を確認してみてください。
保険に加入している
狭小地は近隣トラブルが発生しやすいため「第三者賠償責任保険」「動産総合保険」「組立保険」に加入している解体業者に依頼すると安心です。
・解体工事関連の保険
第三者賠償責任保険 | 解体工事により通行人に怪我を負わせた場合や隣家の壁を壊した場合などの賠償金を支払うための保険 |
動産総合保険 | 偶発的な事故で損害が発生した損害を担保について担保するための保険 |
組立保険 | 土砂崩れや作業者の過失など不測かつ突発的な事故が起きた場合の損害について担保する保険 |
保険に未加入の解体業者は非常に多いです。そのため、解体工事関連の保険に加入しているかを確認するようにしましょう。
解体工事関連の保険について詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『解体工事は保険の対象外?トラブル対処法と未加入業者の見分け方』
口コミ・評判が良い
狭小地は近隣トラブルが発生しやすいため、近隣住民への挨拶や対応を行う必要があります。施主の立場を考慮して、気を効かせてくれる解体業者に依頼したい方は、解体業者の口コミ・評判を確認するようにしましょう。
解体業者の公式ホームページや解体マッチングサイトに口コミ・評判が記載されていますが、Google Mapの口コミを閲覧することをおすすめします。なぜなら、Google Mapの口コミは操作できないためです。そのため、信頼できる解体業者か気になる場合はGoogle Mapの口コミを確認してみてください。
GoogleMapの口コミが良い全国の解体業者を知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『【日本全国版】解体工事業者ランキング!Google口コミ高評価を厳選』
連絡がつきやすい
連絡がつきやすい解体業者に依頼すると、解体工事の開始から完了まで安心してお任せすることができます。そのため、メールや電話のレスポンスが早い解体業者を選ぶようにしましょう。
また、解体工事の担当者との相性も重要です。解体工事に関する質問を気軽にできる解体業者を選ぶことをおすすめします。
狭小地の解体工事でよくある質問
最後に狭小地の解体工事でよくある質問をご紹介します。
Q.解体工事業者で見積金額が異なる理由とは?
狭小住宅の解体工事は重機が使用できず、人力解体しなければなりません。解体工事業者の中には重機が使用できない現場はお断りしているところもあります。このような解体工事業者は⼀般的な費⽤よりも⾼い見積金額を提示してくることが多いです。
そのため、解体工事費用を安く抑えたい方は、複数業者から見積もりを取得することをおすすめします。
Q.狭小地の解体工事費用を安く抑えるコツは?
狭小地の解体工事費用が高くなる理由は、特別な養生をしたり、家屋調査を行ったりするためです。狭小地の解体工事費用を安く抑えようとすると近隣トラブルが発生する恐れがあります。そのため、基本的に解体工事費用を安く抑えることはおすすめできません。
しかし、解体マッチングサイトや大手ハウスメーカー紹介の解体工事業者に依頼するのは控えた方がよいでしょう。なぜなら、紹介手数料が上乗せされているためです。そのため、解体工事費用を安く抑えたい場合は、解体工事業者に直接依頼をしましょう。
解体マッチングサイトや大手ハウスメーカーの解体料金の仕組みについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
関連記事:『解体マッチングサイトに注意!解体費用を抑えたい場合は直接依頼しよう』
関連記事:『ハウスメーカーの解体費用が高い?後悔しないための方法を紹介』
Q.近隣住民への挨拶は一緒に行うべき?
近隣住民への挨拶は、解体業者と施主が一緒に行うのが理想的です。近隣住民に対する誠意を見せることで安心してもらえます。
近隣住民への挨拶は、解体工事を開始する1週間前が目安です。解体する建物の両隣、向かい側、裏側の方に挨拶をします。遠方に住んでおり、近隣挨拶ができない場合は、そのような事情を解体業者から近隣住民の方に説明してもらうことで安心してもらえます。
近隣住民への挨拶の方法について詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『家の解体工事前の挨拶に粗品は必要?失敗しない7つの品物を紹介!』
Q.狭小住宅を解体して建て替える際の注意点は
狭小住宅を解体して建て替えを検討している方は、理想の家が作れるか3つの点を確認するようにしましょう。
(1) 再建築不可でないか
狭小地は再建築不可の土地が多いです。再建築不可に該当すると、住宅を解体しても新しい物件を建てることができません。そのため、解体工事前に市役所の窓口で再建築不可の土地でないか確認しましょう。再建築不可の場合は解体することはおすすめできません。
(2)「建蔽率」「容積率」を確認する
狭小地に住宅を建てる場合は3階建てにするのが一般的です。しかし、土地により建蔽率と容積率が決まっており、希望する広さや高さの家が建てられない可能性があります。そのたあめ、解体工事前に市役所の窓口で建蔽率」「容積率」を確認しておきましょう。
(3)建て替え費用の見積もりを取得する
狭小地に住宅を建てる場合は、建築費用も割高となります。建築費用の平均相場を参考にすると建て替えの予算が足りずにグレードを下げなければなりません。このような事態を避ける前に、解体工事前に、建築会社から建て替え費用の見積もりを取得しておき、予算を確保しておくことをおすすめします。
まとめ
狭小地とは、狭くて小さな土地をいいます。一般的に15~20坪程度の土地を指すケースが多いです。狭小地の解体工事は解体費用が高くて近隣トラブルが発生しやすいです。
そのため、解体費用が高くなる理由を把握しておき、見積書の内容を確認することをおすすめします。また、近隣トラブルが発生しないように、細心の配慮をしてくれる解体業者や損害保険に加入している解体業者を見つけておくようにしましょう。
株式会社上池解体興業(ボッコス)では、狭小地の解体工事を得意としている解体業者です。丁寧なヒアリングを心掛けておりますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。お見積もりは無料ですので当社ホームページ上の電話やメールからお気軽にお問い合わせください。