売れない空き家の売却方法とは?後悔しないために知っておきたいこと
相続した実家の使い道がなくて税金を支払っている方は、空き家を売却して現金化したいと思っていませんか?しかし、田舎にある空き家や老朽化した空き家は、購入希望者がなかなか現れません。
「空き家を解体して更地にすれば売れるかもしれない」とお考えになるかもしれませんが、売却方法の手順を知らなければ、損をして後悔してしまうことになります。そのため、空き家の売却で後悔しないために知っておきたいことを学んでおきましょう。今回は売れない空き家の取り扱い方や売却方法について解説します。
売れない空き家を放置してはいけない理由
売れない空き家を放置してしまうと、思わぬトラブルを招いてしまいます。トラブルで後悔しないためにも、空き家を放置してはいけない理由を知っておきましょう。
固定資産税を支払わなければいけない
空き家を活用して収入を得ているわけでもないのに、所有者は固定資産税(固定資産税率1.4%、都市計画税率0.3%)を支払わなければいけません。都心部は土地の評価額が高く、田舎は土地が広いため、固定資産税が高いと感じることもあるでしょう。
空き家活用して収入を得ていないにも関わらず税金を支払うことに不満が溜まっていくため、将来、使い道のない空き家は放置せずに売却するようにしましょう。
空き家の管理に手間がかかる
保有している空き家の管理を行わなければいけません。窓を開けて新鮮な空気を入れておかないと、湿気やカビで建物の老朽化が進行します。老朽化して雨漏れや外壁の剥がれ、軒裏の破損などが起きますが、修繕しなければシロアリやダニなど害虫が繁殖してしまいます。
また庭のお手入れをしなければ、成長した樹木が隣家の敷地に入ってしまうかもしれません。管理されていない空き家は景観を悪くします。このように、空き家を管理しなければ、近隣住民に迷惑をかけてしまいます。そのため、空き家の管理を行う必要がありますが、仕事や育児をしながら空き家を管理するのは大変だと負担に感じてしまうことが多いです。
建物倒壊などの事故が発生する
空き家を放置し続けて老朽化が進行すると、小さな地震や台風でも建物が倒壊してしまいます。倒壊の危険性の他にも、屋根材が飛散したり、外壁材が落下したりする危険性もあります。
建物倒壊や飛散の事故で、隣家や通行人に被害が出た場合は空き家の所有者が賠償責任を負わなければいけません。通行人が事故に巻き込まれて後遺障害9級の怪我を患った事例では5,000万円以上の賠償金が支払われました。このような事故が発生する恐れがあるため、空き家を放置するのは控えましょう。
特定空き家に指定されて臨時出費がかかる
空き家が放置されると諸問題が発生するため、国土交通省は下記の条件のいずれかに該当する物件を「特定空き家」に指定しています。
[特定空き家の条件]
- 倒壊など保安上の危険となる恐れがある状態
- 衛生上有害となる恐れがある状態
- 景観が損なっている状態
- 放置することが不適切である状態
特定空き家に指定されると、自治体から空き家の管理や修繕を行うように助言、指導、勧告、命令が下されます。命令に従わない場合は50万円以下の過料が請求されたり、建物が解体されて解体費用が請求されたりします。また、特定空き家は固定資産税の優遇措置が適用されずに固定資産税が最大6倍になるため、経済的な負担を感じてしまうでしょう。
子どもや孫に迷惑がかかる
空き家を放置すると子供や孫に迷惑がかかることになります。なぜなら、空き家の問題を子どもや孫が引き継いでしまうことになるためです。
空き家を相続しない選択をしても、空き家の管理義務は残ってしまいます。家庭裁判所に相続財産管理人の申し立てをして空き家を引き取ってもらうために、数十万から数百万の報酬を支払わなければいけません。空き家の件で子どもや孫に迷惑をかけないためにも、自分の世代で空き家の問題を解決しておくようにしましょう。
空き家が売れない原因
問題を解決するためにも、最初に保有する空き家が売れない原因を特定しておきましょう。空き家が売れない主な原因は4つあります。
田舎で中古住宅の需要が少ない
田舎に住んでいる若者は親と同居したり、親から家を受け継いで住み続けたりするケースが多いです。また都心と比較して土地価格が安いため、新築戸建ても購入しやすいです。
また、田舎の物件は価格が安く仲介手数料も低いため、田舎の物件を扱いたくないと敬遠する不動産会社も多く見受けられます。このような理由により、田舎では中古住宅の需要が見込めず空き家が売れません。
空き家の築年数が古くて買い手が見つからない
築年数が古い空き家は不人気です。日本は新築物件に根強い人気があり、中古物件の場合は少しでも築年数が新しい物件を希望する人も珍しくありません。築年数が古い家が懸念される理由は、購入後のリフォーム、修繕費用がいくらになるか不安に感じるためです。
また、東日本大震災や熊本地震など震災が起きてから、耐震基準を気にする方が増えました。その結果、1981年6月以前に建てられた耐震基準を満たしていない物件が売れなくなってきました。このような理由により、築年数の古い空き家は買い手が見つかりづらいです。
売り出し価格が高すぎる
空き家の状態、立地が良くても、周辺の物件の販売価格より高い金額で売り出してしまうと売れ残ってしまいます。なぜなら、同条件の物件であれば、少しでも安く物件を購入したいと住宅購入者は思っているためです。
極端に販売価格を下げる必要はありませんが、ライバル物件の価格をチェックして見直すようにしましょう。もし、空き家を手放すことを急いでいない場合は、ライバル物件が売れた後に販売を開始するのも1つの選択肢です。
再建築不可の土地である
建築基準法では建物を建てるとき、その土地が幅員4m以上の道路に2m以上接していないといけないという接道義務が課せられています。接道義務を満たしていない土地では再建築不可となり、空き家を壊して新たな家を建てることはできません。新たな家を建てることができないため、使い勝手が悪く、購入希望者もいません。
もし、相続予定の空き家が再建築不可に該当する場合は、相続を放棄したり寄附したりするのも1つの選択肢です。再建築不可の空き家で少しでも収入を得たい場合は、訳あり物件の買取業者に相談してみる方法もあります。
空き家を売却する方法
空き家が売れない原因は、適切な売却方法で解消できます。そのため、空き家を売却する手順を覚えておきましょう。
1.売り出し価格を調べる
空き家の購入者を早期に見つけるために、適正な販売価格を調べましょう。空き家の適正な販売価格は、以下のような手順で決めていきます。
1.ポータルサイト上の類似物件の価格を調べる
SUUMOやHOME’Sなどポータルサイト上の「最寄り駅」「駅からの距離」「土地面積」「築年数」「リフォームの有無」が似ている類似物件を調べることで、どれぐらいの価格で売り出すべきかがわかります。
2.不動産会社に売却査定を依頼する
不動産会社に売却査定を依頼すれば、空き家の適正な販売価格(3ヵ月程度で成約となる販売価格)を教えてもらいます。売却査定を依頼するときは複数社に依頼して、査定価格にバラつきがあった場合は根拠を尋ねてみましょう。根拠を尋ねることで信頼できる不動産会社と巡り合うことができます。
2.売却スケジュールを立てる
次に空き家の売却スケジュールを立てていきます。一般的な不動産売却のスケジュールは以下の通りです。スケジュールを立てておけば慌てずに済みます。また余裕を持ったスケジュールを立てておけば、ライバル物件が売れた後に空き家を希望価格で売り出すという戦略が立てられます。
不動産売却スケジュール
- 1ヶ月:売却査定を依頼して媒介契約を締結する
- 6ヵ月:空き家の購入希望者が現れる
- 1ヶ月:売買契約を締結して決済・引き渡しをする
3.不動産会社に売却を依頼する
空き家が売れないと悩んでいる場合は、複数の不動産会社と一般媒介契約を締結して売却を依頼するようにしましょう。複数社と一般媒介契約を締結しても、購入希望者を見つけてくれた不動産会社にしか仲介手数料を支払う必要はありません。
不動産会社に売却を依頼するときは「古家付き土地 更地渡し可(引き渡し前に更地にすることを約束すること)」で購入希望者を募りたいことを伝えておけば、空き家と更地のニーズを囲い込めます。
4.空き家バンクに登録する
不動産会社に売却を依頼すると同時に、空き家バンクに空き家の情報を登録しておきましょう。空き家バンクとは、自治体が空き家の社会問題を解決するために運営している個人間不動産取引サービスです。サイト上に空き家の情報を登録しておけば、購入希望の申し込みが入ります。
空き家バンクは空き家の購入、修繕に対して補助金が交付されることが多く、購入希望者が見つかりやすいサービスです。また、個人間取引が認められているため、空き家の売却時に仲介手数料を支払わずに済みます。購入希望者が現れたら、登記や建物状況の調査をして売買契約に向けて準備をしましょう。
5.不動産売買契約を締結する
不動産の購入希望者が現れたら、売買契約を締結します。
不動産会社が売買契約書と重要事項説明書を読み上げるため、内容を確認して署名・押印します。
空き家バンク経由で個人間取引をする場合、買主が現金一括で購入する場合は不動産の所有権移転登記を司法書士に依頼するだけで問題ありません。買主が住宅ローンを組む場合は金融機関に売買契約書と重要事項説明書を提出しなければいけないため、不動産会社に仲介を依頼することになります。
6.解体工事を行う
更地にして引き渡しを行う場合は、以下の手順で解体工事を行います。木造住宅であれば解体期間の目安は2週間程度です。
解体工事の流れ
- 解体工事業者に現地調査と見積もりをしてもらう
- 依頼したい解体工事業者と契約を締結する
- 解体工事を行う前に近隣挨拶をする
- 隣家の境にあるブロック塀やフェンスが共有物でないかを確認する
- 解体工事に必要な手続き(道路使用許可申請やライフラインの停止)を行う
- 空き家の解体工事を行う
- 建物滅失登記を行う
7.引き渡し
最後に、不動産売買契約を参考にしながら決済・引き渡しを行います。空き家ごと引き渡す場合は、鍵や物件概要書を引き渡します。物件概要書は可能な限り用意して渡すように心がけると買い手と円満な取引ができます。
売れない空き家をお得に解体する方法
空き家の売却方法をご紹介しましたが、更地渡しする場合は少しでも利益を得るためにも解体工事費を安く抑えるようにしましょう。ここでは、空き家をお得に解体する方法をご紹介します。
解体工事会社選びにこだわる
解体工事会社により施行料金が変わるため、依頼先は慎重に選ぶようにしましょう。施行力と料金の両方で満足したい方は、下記の条件を満たす解体工事業者に依頼するようにしましょう。
[解体工事会社の選び方]
- 見積書の内容がわかりやすい
- 契約書やマニフェストの発行ができる
- 解体工事業の許可証を保有している
- 解体工事中の事故のための損害保険に加入している
- 自社で施工をしている
- 自社で重機を保有している
大手解体業者と中小解体業者が存在しますが、違いについて知りたい方は下記の記事を読んでみてください。
関連記事:『解体業者は大手と中小どっちが良い?違いやメリット・デメリットを解説』
解体工事会社の繁忙期を避けて依頼する
解体工事会社の見積金額は繁忙期(1月~3月)と閑散期(6月~9月)で差が出ます。繁忙期は会社の規模で対応できる現場数を請け負っているため、値引き交渉をしても応じてくれることはありません。
その一方で、閑散期であれば見積金額を下げてでも受注したい解体工事が出てくるため、値引き交渉に応じてもらいやすくなります。そのため、解体行為費用を安く抑えたい場合は閑散期に解体を依頼するようにしましょう。
解体工事に関する補助金を利用する
国土交通省は、空き家問題を解決するために「空き家対策総合支援事業」を立ち上げて自治体の支援を行っています。その結果、空き家対策ができるようになり、空き家を解体する予定の人に補助金を支給している自治体などが増えてきました。
「老朽危険家屋解体撤去補助金」「老朽危険空き家解体補助金」「空き家解体補助金」「空き家解体助成金」「空き家解体費助成制度」など呼び方や補助額が各自治体で異なりますが、解体費用の1/2の補助額が受けられます。補助金を上手く活用して解体費用を安く抑えるようにしましょう。
自分たちでできることはやる
解体工事費用の約4割は廃棄物の処理費用です。そのため、空き家の中にある家財道具を処分したり、庭木を刈ったりしておきましょう。解体工事業者の労力を極力減らしておくことで、解体費用を安く抑えることができます。
まとめ
売れない空き家を放置していると税金や管理費、維持費がかかります。また老朽化が進み、建物倒壊や屋根材が飛散など事故が起きて損害賠償の責任を負わないといけなくなります。そのため、空き家を利用しない場合は手放すようにしましょう。空き家を手放すときに後悔しないポイントをまとめると以下の通りになります。
[空き家を賢く手放すためのポイント]
- 土地に瑕疵(再建築不可など)がある場合は相続放棄する
- 不動産会社に更地渡し可の条件で物件購入希望者を探してもらう
- 空き家バンクに物件情報を登録して物件購入希望者を探す
- 解体工事費用に使える補助金を利用する
- 解体工事費用を安く抑えるコツを押さえて依頼する
もし、空き家を売却する際に更地にするご予定がある方は、関東地域において解体工事を承っている株式会社上池解体興業(BOCCOS/ボッコス)にご相談ください。近隣住民とのトラブル対策が起きないように丁寧なサービスを心がけております。見積依頼は無料のため、ぜひお気軽にご相談ください。
千葉・埼玉・神奈川・東京の住宅解体
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