「スケルトン工事を依頼したいけれど、どれぐらいの費用が必要なのだろうか?」「スケルトン工事費用を安く抑えるコツはあるのだろうか?」と気になっていませんか?
そのような方向けに、今回はスケルトン工事の費用相場をご紹介します。この記事では、スケルトン工事の費用を安く抑えるコツをご紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
スケルトン工事とは
スケルトン工事とは、建物の躯体だけを残して解体することをいいます。マンションの場合はコンクリート打ちっぱなしの状態になることが多いです。
スケルトン工事を行うことで、新しい間取り、デザインを手掛けられるようになります。また、リフォーム工事前に躯体の腐敗状況を確認することも可能です。スケルトン工事期間は規模や作業条件で異なりますが、数週間から1ヵ月程度かかります。
原状回復工事との違い
スケルトン工事と原状回復工事は「目的」と「作業範囲」が違います。
スケルトン工事は建物の躯体だけを残して解体します。新しい間取り、デザインを手掛けられるようになりますが、大規模工事で工期が長いです。
一方で原状回復工事は、建物を借りた際の状態に戻すことをいいます。壁の汚れや床の傷の補修など小規模な工事が多いです。原状回復工事は賃貸契約上の基づいて行われるため工事内容や工期が変わります。
スケルトン工事費用の平均相場
スケルトン工事費用の平均相場は3~5万円/坪です。マンションの広さ別の解体費用の平均相場は以下の通りです。
坪数 | 平均相場 |
10坪 | 30~60万円 |
20坪 | 50~100万円 |
30坪 | 90~150万円 |
※スケルトン工事費用の平均相場は「面積」「階数」「残置物」「立地条件」で変動します。そのため、スケルトン工事費用の平均相場は目安と考えて、解体業者に見積もりを依頼してみてください。
スケルトン工事費用の内訳
スケルトン工事費用には「環境調査費用」「撤去費用」「養生費用」「廃材処分費用」が含まれています。
調査費用
調査費用とは、どのような方法で解体作業すべきか調べるための費用です。
スケルトン工事前に、建物の過去に利用状況のヒアリング、周辺環境を調査した上で環境調査を行います。
例えば、工場跡地の場合は土壌が有害物質で汚染されている可能性があります。建材にアスベストが含まれている場合、解体作業中に飛散し、健康被害を引き起こす恐れがあり、飛散防止剤の散布や防護服の着用などの対策が必要です。環境調査費用は調査範囲で料金が変動します。
撤去費用
撤去費用とは、建物の躯体以外を撤去する作業費用です。スケルトン工事は、重機を使用せずに人力解体となるため、撤去費用は人件費を指します。
撤去費用は解体作業の日数や作業人数により料金が変動します。また、深夜に解体作業をする場合には通常より料金が高いです。
養生費
養生費とは、既存建物に傷や汚れを付けないように使用する代金です。マンション共有部の壁、床、天井などに養生シートを設置して傷や汚れが付かないようにします。養生シートの種類や大きさ、材質によって養生費は変動します。
廃材処分費
廃材処分費とは、スケルトン工事で発生した廃棄物を処理するための費用です。廃材処分費には「運搬作業費」「処分費」「中間処理費」「マニフェスト作成費」が含まれています。木材、コンクリート、金属など、廃棄物の種類や廃棄物の量によって処分費用が異なります。
スケルトン工事で追加料金が発生するケース
スケルトン工事では追加料金が発生するケースがあるため注意してください。ここでは、スケルトン工事で追加料金が発生する5つのケースをご紹介します。
アスベストが使用されている
建物にアスベストが含まれている場合は、特別な処理が必要となり、解体費用が大幅に高くなります。なぜなら、アスベストを含む建物の解体作業は人体の健康を害する恐れがあり、慎重に解体作業しなければならないためです。
アスベスト含有材を水で湿らせ、粉塵の発生を抑え、作業員は、防塵マスク、防護服、手袋などを着用し、万全な防護を行います。そのため、通常の現場より解体費用が高くなります。
アスベストの解体費用や工事手順を知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『アスベストの解体費用相場は?場所別の目安や安くするコツも紹介』
関連記事:『アスベスト解体工事の手順は?危険レベル別の除去方法や注意点も解説』
早朝や夜間に解体作業を行う
ビルテナントを解体する場合は、他の入居者様との兼ね合いが必要になります。場合によっては、営業妨害にならないように早朝や夜間に解体作業を行わなければなりません。早朝や深夜の解体工事は人件費が高騰するため、解体費用が高くなります。
2階以上でエレベーターが設置されていない
スケルトン工事作業後の産業廃棄物は運搬車に積む必要があります。2階以上でエレベーターが設置されていない場合、産業廃棄物の運搬作業が大変になります。運搬作業に時間がかかるため解体費用が高くなります。
駐車場を契約しなければならない
スケルトン工事作業をする際には、作業員の車や産業廃棄物の運搬車両を停車するスペースが必要です。駐車場が確保できない場合は、別の駐車場を契約しなければなりません。
解体工事に伴う駐車料金は依頼者負担となります。そのため、駐車場を新たに契約しなければならない場合は解体費用が高くなります。
テーブルや冷蔵庫など残置物がある
テーブルや冷蔵庫など残置物は一般廃棄物に該当します。しかし、解体業者に残置物をお任せすると、産業廃棄物として扱われて処分費用が高くなるため注意してください。
産業廃棄物と一般廃棄物の違いについて詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『解体工事の産業廃棄物とは?一般ゴミとの違いや処分費用の相場を解説』
スケルトン工事費用を安く抑えるコツ
スケルトン工事費用は工夫次第で安く抑えることが可能です。ここでは、スケルトン工事費用を安く抑える7つのコツをご紹介します。
不用品処分を行う
部屋にテーブルやチェア、冷蔵庫など残置物がある状態でスケルトン工事を依頼すると廃材処分費が高くなります。
なぜなら、家庭ゴミや不用品の一般廃棄物が産業廃棄物として扱われるためです。そのため、スケルトン工事費用を安く抑えたい方は、テーブルやチェア、冷蔵庫などを不用品処分しましょう。
不用品買取業者に不用品買取してもらったり、行政の粗大ゴミ回収サービスを利用したりすることで、廃材処分費を安く抑えられます。
不用品処分する上で、建物内に残していいものをまとめています。ご自身で不用品処分する際に参考にしてみてください。
関連記事:『解体する建物に残していいものはある?片付けるべきものや費用を解説』
複数業者に相見積もりを取る
スケルトン工事費用の見積もり依頼は、複数社に依頼することをおすすめします。なぜなら、1社に見積もり依頼するだけでは料金が高いか安いかを判断できないためです。
また1社に見積もり依頼すると、解体技術や対応力も比較できません。そのため、解体工事を依頼することに不安を感じる場合は慎重に比較検討してください。
解体業者の見積書の見方を知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『解体工事の見積もり総まとめ!チェック項目や事例をわかりやすく解説』
価格交渉する
解体工事業者から見積書を提出してもらった後に「契約したいのですが、価格交渉に応じてもらえませんか?」と価格交渉してみるのもよいでしょう。価格交渉が成立しない場合もありますが、交渉してみる価値はあります。とくに、端数切捨てなどの値引きは受け入れてもらいやすいです。
価格交渉をする場合は、あまりにも極端な値引きを要求して解体業者との関係を悪化させないように注意しましょう。
解体工事業者に直接依頼する
解体業者の探し方には「直接依頼」「紹介」「マッチングサービス」などがありますが、解体費用を安く抑えたい場合は直接依頼をしましょう。
なぜなら、住宅会社の紹介やマッチングサービスを利用すると中間マージンが発生するためです。見積金額に中間マージンが上乗せされており、直接依頼するより解体費用が高くなります。通常より3~5倍高くなることもあるため注意してください。
「住宅会社の紹介」「マッチングサービス」の解体費用が高くなる理由について知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『解体マッチングサイトに注意!解体費用を抑えたい場合は直接依頼しよう』
関連記事:『ハウスメーカーの解体費用が高い?後悔しないための方法を紹介』
繁忙期を避けて依頼する
解体業者は毎年2月、3月に繁忙期を迎えます。なぜなら、2月3月は一般のお客様からのご依頼だけでなく、公共事業や企業様からの依頼が増えるためです。
繁忙期にスケルトン工事を依頼すると高くなります。業者が忙しい時期は通常よりも「人件費や基本の設定金額」が高くなるため、スケルトン工事費用を安く抑えたい方は閑散期に依頼するようにしましょう。
台風や積雪の時期は避ける
台風や積雪の時期にスケルトン工事を依頼すると、通常時より解体工期が長くなります。
例えば、積雪の際には雪かきを行わなければなりません。雪かきに時間がかかり、解体作業の工期が伸びます。また、台風が上陸すると危険が伴うため作業がストップすることがあります。台風で解体作業がストップした場合でも人件費は発生します。このような理由により、台風や積雪時は解体費用が高くなりがちです。
そのため、風や積雪の時期は避けるようにしましょう。
近隣挨拶を事前にしておく
近隣挨拶を解体業者にお任せするのではなく、事前に行っておくと工期が延長せずに済みます。近隣トラブルが発生すると工期が遅れてしまい、スケルトン工事費用が割高になる恐れがあります。そのため、工事費用を安く抑えたい方はスケジュール通りに工事が進むように近隣挨拶をしておきましょう。
近隣挨拶の方法について知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『家の解体工事前の挨拶に粗品は必要?失敗しない7つの品物を紹介!』
補助金・助成金を活用する
スケルトン工事を行う際に活用できる補助金・助成金があります。例えば「事業再構築補助金」は、新分野展開や業態転換、事業・業種転換、事業再編を図る中小企業、個人事業主を対象としていて、スケルトン工事費用に使える場合があります。少しでも解体費用を安く抑えたい場合は、補助金・助成金に詳しい専門業者に相談してみるとよいでしょう。
スケルトン工事費用を安く抑える際の注意点
スケルトン工事費用を安く抑えるコツをご紹介しましたが、激安の解体業者に依頼すると、さまざまなトラブルが起きます。
[激安の解体業者のトラブル事例]
- 見積金額に含まれていない追加料金が請求された
- 養生シートを設置せずに解体工事を進めて、共有部分に傷を付けてしまう
- 必要最低限の人数で現場を回した結果、事故が起きた
- 現場監督を入れずに解体作業した結果、近隣クレームが発生した
- 少ない人数で現場を回した結果、納期の遅延が起きた
- 残置物の不法投棄をされてしまった
このようなトラブルがあるため、解体費用の適正価格を把握した上で、無理のない範囲で費用を安く抑えるようにしましょう。激安の解体業者に依頼する危険性について詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『激安の解体業者は危険!低価格の仕組み、トラブル事例を紹介!』
まとめ
スケルトン工事費用の平均相場は3~5万円/坪です。平均的なマンションの広さ(18坪、2LDK)の場合、スケルトン工事費用は50~90万円前後します。スケルトン工事では追加料金が発生するケースがあるため注意してください。
この記事では、スケルトン工事費用を安く抑えるコツを7つご紹介しました。スケルトン工事費用を安く抑えたい方は取り入れてみてください。
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