ブロック塀は解体するべき?費用相場や流れ、撤去の基準をプロが紹介
古い家でよく見かけるブロック塀。
劣化したブロック塀は、地震などで倒壊するリスクがあり、通行人が巻きこまれて下敷きになったり、家の避難経路をふさぐおそれもあります。
そのため、「ブロック塀が傾いてきた」「ひび割れが目立つ」と感じている方は、早めに解体工事をしましょう。
とはいえ、解体工事の経験がなく、何をすればいいのかわからない方も多いですよね。そのためこの記事では、ブロック塀の劣化のサインや解体工事の費用・流れを徹底解説。工事経験豊富な株式会社上池解体興業が、はじめての方に向けてイチから解説します。知っておくべき注意点も紹介するので、最後まで読み進めてみてください。
ブロック塀の危険性とは
ブロック塀は、隣家との敷地の境界を区切る役割がもっとも大きいですが、侵入者を防ぐ効果や、プライバシーを保護する用途もあります。
建築用コンクリートブロックとして建築基準を満たしたものであれば、安全性が高く、良い役割を果たしてくれるでしょう。しかし鉄筋が入っておらず積み上げただけだったり、強度が低かったりするブロック塀も少なくありません。
ブロック塀の基準
建築基準法では「ブロック塀」は主に以下のように決められています。
- 1.高さは2.2m以下
- 2.壁の厚さは15cm以上(高さ2m以下の塀は10cm以上)
- 3.鉄筋を配置する(壁頂および基礎には横に、壁の端部及び隅角部には縦に径9mm以上/壁内には、径9mm以上の鉄筋を縦と横に80cm以下の間隔)
- 4.控壁を設ける(長さ3.4m以下ごとに径9mm以上の鉄筋を配置し、基礎の部分において壁面から高さの1/5以上突出したもの)
- 5.基礎の丈は35cm以上とし、根入れの深さは30cm以上
なかには建築基準法を満たしていないブロック塀も多くあります。
そのようなブロック塀は、見た目ではわからない危険が潜んでいるため、できるだけ早く撤去するべきです。
ブロック塀の耐用年数
一般的に、ブロック塀の寿命は20~30年といわれています。
また、ブロック塀内部の鉄筋の耐用年数は、10~15年。頑丈なブロック塀をキープするためには、15~20年ほどでの解体や建て替えがおすすめです。
ただし、耐用年数はあくまでも目安のため、塀の厚さや天候などによって劣化が早まることも。解体の適切なタイミングを知るためには、ブロック塀の劣化のサインを知っておきましょう。
古いブロック塀は解体したほうが良い
結論からいうと、古いブロック塀は撤去するべきです。
なぜなら、劣化したブロック塀は倒壊するリスクがあるため。
地震により倒壊したブロック塀の下敷きになり、命を落としたりケガを負って所有者を相手に裁判を起こしたりするケースも。また災害時に崩れて、自身の避難経路をふさいでしまう可能性があります。ご家族や近隣住民の命を守るためにも、古いブロック塀は建て直しましょう。
解体工事をするべきブロック塀の5つの特徴
ブロック塀の劣化のサインを知っておくことで、解体工事を依頼するタイミングがわかります。ここからは解体工事をするべきブロック塀の5つの特徴を紹介。すぐにでも解体工事をするべき状態もあるので、チェックしておきましょう。
1.ひび・亀裂がある
ひびや亀裂は、知識のない方でもわかりやすい劣化の証です。ひびの目立つブロック塀は、強度が確実に落ちているため、地震のときなどに崩れてしまう可能性があります。
ひびや亀裂が入った状態で何年も放置していると、雨水が入りこみ、中の鉄筋がさびてしまいます。その結果、ブロック塀の強度が落ちていくのです。
幅0.3mm、深さ5mm以下の小さなひびであれば、補修工事でも対応可能。ひびを見つけたらすぐに補修しましょう。
一方で、亀裂が大きく深かったり、ひびの数が多かったりするなら、解体工事を検討しましょう。また、小さな穴や凹みなどのキズも劣化のサインです。
2.傾いている
目視できるほど傾いているブロック塀は、劣化がかなり進行しており、いつ倒壊してもおかしくありません。すぐにでも解体工事を依頼しましょう。
傾きやぐらつきなどがあると、人が手で押しただけではびくともしない場合でも、地震の計り知れない衝撃で崩れてしまいます。
とくに道路に面しているブロック塀は、崩れると通行人がケガをする危険があります。ケガに対する治療費負担など責任を問われるだけでなく、命を奪ってしまうおそれも。あなた自身や地域の人々が安心して暮らせるように、解体工事を検討しましょう。
3.耐震補強されていない
1981年の建築基準法の改正に伴い、ブロック塀の耐震基準も大幅に見直されました。現行の建築基準法では、次のようなルールがあります。
- ・高さ2.2m以内
- ・厚さ10cm以上(高さ2m未満)
- ・厚さ15cm以上(高さ2m以上)
- ・コンクリートの基礎づくり
- ・直径9mm以上の鉄筋による配筋
- ・3.4mごとに控え壁
このようなルールに沿っていないブロック塀は、震度6~7の強い地震に耐えられません。すぐに解体工事を検討しましょう。
4.塀が高い
現行の建築基準法による耐震基準では、ブロック塀の高さは2.2m以内と決められています。ただしこれは、内部に鉄筋が入っている「補強コンクリートブロック塀」の場合です。石やレンガを積んで作られた「組積造」のブロック塀は、高さ1.2m以内でなければいけません。
高さの基準を超えたブロック塀は、地震で崩れるリスクが高いです。さらに、崩れたときに道をふさいでしまう可能性も高いです。そのため、基準の高さを超えるブロック塀は、すぐにでも解体工事をしましょう。
5.築年数が長い
上記4つの劣化が見られなくても、設置から15年以上経過しているブロック塀は、解体工事を検討しましょう。
高さ2.2m以内、厚さ10cm以上のブロック塀の耐用年数は、20~30年ほどと言われています。しかし定期的に補修工事をしていない場合は、15年ほどで寿命を迎えることも。ブロック塀の表面には劣化が表れていなくても、内部の鉄筋が傷んでいることがあるため、一度プロにメンテナンスしてもらうと安心です。
また、建築基準法が改正された1981年以前に作られたブロック塀は、現行の基準を満たしていない可能性が高いです。すでに設置から40年以上経過しているため、安全な暮らしのために一刻も早く解体工事をしましょう。
ブロック塀の解体工事の流れ
ブロック塀の解体工事は、このような流れで進みます。
- 1.業者への依頼
- 2.近隣挨拶
- 3.解体作業
- 4.廃材処理
- 5.現場の清掃
1.業者への依頼
まずは解体を依頼する業者を探しましょう。
1社だけで判断するのではなく、複数業者への見積もり依頼がおすすめ。見積書は内訳までチェックし、どのような項目が入っているのか、入っていないのか比較しましょう。
電話や営業担当者の対応も重視するべきポイントで、コミュニケーションが取りやすいか、質問に対して速やかに丁寧に答えてくれるかなども解体業者を選ぶ基準となります。コミュニケーションが取りにくければ、納得できないまま工事を進められたり、こちらの要望を伝えられません。
関連記事:家の解体業者の損しない選び方!トラブルを避ける方法も解説
2.近隣挨拶
解体工事では、振動やホコリなどによって近隣に迷惑をかけてしまいます。そのため、事前に挨拶にうかがい、工事の内容などを説明しておくことが大切です。
とくに隣家との間にあるブロック塀の解体工事は、作業員がやむをえず隣家の敷地に入ることがあります。事前に了承を得ておかないとトラブルになってしまうでしょう。
関連記事:家の解体工事前の挨拶に粗品は必要?失敗しない7つの品物を紹介!
3.解体作業
解体作業では、まずブロックに切れ目を入れてから、必要に応じて手作業と重機を用いた作業を行います。
ブロック塀の規模や立地などを考慮し、解体業者の判断で進めてくれるでしょう。
ブロック塀を倒せる広さがあれば、塀の基礎部分を掘ってから重機で引っ張り、一気に倒します。
倒せない場合は、上段から少しずつ壊していくため、日数がかかる場合があります。
また、ブロック塀が隣家と繋がっていたり、残す部分がある場合は、まずは鉄筋を切断する作業を行います。残す部分のブロック塀を傷つけないため、技術が必要になります。残った部分は強度を保つために補修工事が行われます。
4.廃材処理
ブロック塀の解体工事が終わると、大量のコンクリートガラが発生します。
コンクリートガラは、トラックに積み込んで産業廃棄物として処理されます。
5.現場の清掃
最後に、解体工事で出た破片などをきれいに掃除して、工事は完了です。
ブロック塀の解体工事にかかる費用
ブロック塀の解体工事にかかる費用相場は、約5,000~10,000円/㎡です。解体費用の内訳は以下の通りです。
- ・人件費
- ・運送費
- ・廃材処理費
作業員の人件費は、解体するブロック塀の大きさによって異なります。また、解体工事にともなう書類の作成などの手数料が請求されることもあります。
運送費とは、砕いたコンクリート(ガラ)を処理場(砕石所)まで運ぶ費用のこと。運送費は、主に家から処理場までの距離で計算されます。
廃材処理費とは、砕石所での処分にかかる費用のこと。鉄筋などの廃材もそれぞれに適した処理が必要なため、廃材が多くなるほど費用が高くなります。
また、既存のブロック塀の撤去後に建て替えやフェンス新設などの工事をするのであれば、追加費用がかかるでしょう。
ブロック塀の解体費用を抑えるコツ
ブロック塀の解体工事は、工夫次第でコストカットできます。
- ・複数業者の見積もりを比較する
- ・中間マージンのない業者を選ぶ
- ・ほかの施工とまとめて依頼する
解体業者は、見積もりを無料で提示してくれることが多いです。そのため、まずは複数の業者に見積もりを依頼して、対応や金額を比較してみましょう。
外構工事を依頼した業者が解体業者を手配する場合、紹介料として中間マージンを請求されることも。そのため費用を節約するには、中間マージンのない施工業者への依頼、あるいは解体業者への直接依頼がおすすめです。
また、ほかにも工事をしたい場所があれば、まとめて依頼しましょう。工事は二度に分けて依頼すると、人件費などが二倍になってしまいます。業者独自のセットプランを使えることもあるため、一緒に依頼するのがおすすめです。
補助金を使えるケースも
老朽化したブロック塀は、倒壊のリスクがあるため、その地域にとってもデメリットが多いです。そのため、自治体がブロック塀の解体工事に対して補助金を出していることも。たとえば東京都中野区では、工事費用の4/5あるいは、9/10(避難路沿道)の補助金を支給しています。
ただし、自治体によって「通学路に面している」「高さが2mを超える」などの条件があるため、ホームページなどをチェックしてみましょう。
関連記事:家の解体工事で補助金・助成金を受け取るための3つの条件とは?
ブロック塀の解体工事の注意点
ブロック塀は隣家との敷地の境界に立っていることが多いため、近隣トラブルが起きやすいです。
以下にトラブル例を挙げ、対処法を解説していきます。
所有者問題
ブロック塀の解体工事では、最初に所有者をはっきりさせましょう。
とくに、隣家と1つのブロック塀だけで仕切られている場合は要注意。自分の親が建てたブロック塀だと思ったら隣の家が建てたものだったというケースもあります。所有者でないのに勝手に解体してしまうと裁判沙汰になってしまうおそれも。
費用は自分?それとも隣と折半?
隣人が所有するブロック塀だった場合、劣化の目立つブロック塀の工事をする責任は隣人にあります。費用を負担するのも隣人になるので、撤去工事をしてくれないか相談してみましょう。
また、ブロック塀の設置費用を折半していた場合、撤去費用も折半できることがあります。隣人に劣化具合などを説明して、折半して撤去できないか相談してみましょう。
近隣トラブルで困ったら解体業者に相談を
「隣人がブロック塀解体を反対している」
「費用を折半してもらえない」
といったトラブルがある場合は、第三者である解体業者に仲介を頼むのがおすすめです。
ブロック塀の危険性などをプロから説明されることで、隣人との交渉がスムーズにいくはずです。
まとめ
ブロック塀の耐用年数は、20~30年です。ひび割れや傾きの見られるブロック塀は、強度が低下しているため、解体工事をしましょう。ブロック塀のみであれば、約5,000~10,000円/㎡で解体可能です。費用を抑えるためには、複数の業者の見積もりを比較しましょう。
株式会社上池解体興業(BOCCOS/ボッコス)では、現地調査と見積もりの無料対応をしており、補助金利用のご相談も可能です。お客さまが損をしないように、わかりやすい説明と明確な見積もりを心掛けておりますので、お気軽にご相談ください。
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