老朽危険家屋解体撤去補助金制度とは?補助額や受給条件、申請方法を解説
空き家の解体費用の負担を軽減できる老朽危険家屋解体撤去補助金制度をご存知ですか?補助金を活用したいけれど申請方法などが難しそう…と思われているお客様もいることでしょう。
本記事では、解体業者の上池解体興業が「老朽危険家屋解体撤去補助金制度」について解説します。この記事を読めば、補助金を給付する流れが理解できるため、ぜひお役立てください。
老朽危険家屋解体撤去補助金制度とは
老朽危険家屋解体撤去補助金制度とは、老朽化で倒壊する恐れがある空き家の解体を促進するための制度です。制度を利用すれば、空き家を解体するときの費用の一部を補助してもらえます。
各自治体が生活環境の保全や防犯防災のまちづくりの推進のため、補助金制度を施行しています。
各自治体で「老朽建築物等の除却工事費用の助成」や「老朽建築物の解体除却費の補助」など制度名が異なるため自治体のホームページを必ずご確認ください。
補助金額
老朽危険家屋解体撤去補助金制度の補助額は解体費用の2~5割です。補助額は50万円以下と上限が設けられています。30坪の木造住宅の解体費用相場は100~150万円のため、補助金を活用すれば80~100万円程度に下げられます。
(※解体費用の「家財道具処分費等」は補助対象ではないため注意してください。)
30坪の木造住宅の解体費用相場を知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
関連記事:『30坪の木造住宅を解体する費用相場は?単価や内訳をわかりやすく解説』
対象物件
老朽危険家屋解体撤去補助金の給付対象は、3つの条件を満たしている物件です。
- ●住宅地区改良法に規定する不良住宅であること
- ●誰も居住しない空き家であること
- ●将来建替えをしないこと
不良住宅の基準は、自治体が国土交通省のガイドラインに沿って基準評点表を作成しています。基準評点表で100点以上を取れば不良住宅とみなされます。
【参考例】不良住宅の基準評点表
構造 | 基礎 | 基礎が玉石であるもの | 10 |
基礎がないもの | 20 | ||
外壁 | 外壁の構造が粗悪なもの | 25 | |
構造の不朽・破損 | 基礎 土台 柱 はり | 柱が傾斜しているもの 土台や柱が腐朽・破損している 修理が必要なもの | 25 |
基礎に不同沈下のあるもの 柱の傾斜が著しいもの はりが腐朽・破損しているもの 土台または柱に腐朽・破損しているもの | 50 | ||
基礎、土台、柱の腐朽・破損が著しいもの 崩壊の危険があるもの | 100 | ||
外壁 | 外壁の仕上材料の剥落、破損しているもの 下地の露出しているもの | 15 | |
外壁の仕上材料の剥落、破損していて下地の露出が激しいもの 壁体を貫通する穴を生じているもの | 25 | ||
屋根 | 屋根ぶき材料の一部に剥落またはズレがあり、雨漏れが発生している | 15 | |
屋根ぶき材料に著しい破損があるもの 軒の裏板、たる木等が腐朽したり、垂れ下がったもの | 25 | ||
屋根が著しく変形したもの | 50 | ||
延焼の恐れがある外壁のもの | 10 | ||
延焼の恐れがある外壁の壁面数が3以上あるもの | 20 | ||
屋根が可燃性材料でふかれているもの | 10 | ||
雨樋がないもの | 10 |
※基準評点表の項目は自治体により異なります。
対象者
自治体が施行する補助金制度は税金で賄われています。そのため、市税や国民健康保険税の滞納者は補助金制度を利用できません。また市営住宅の家賃を滞納したり、水道料金を滞納したりしている人も補助対象外です。
基本的に補助金制度は低所得者を支援する制度のため、自治体が定める所得内の方しか利用できません。世帯年収1,000万円以上の高所得者は老朽危険家屋解体撤去補助金制度を利用できないことになっています。
老朽危険家屋解体撤去補助金制度の背景
老朽危険家屋解体撤去補助金制度が施行された背景には空き家問題があります。空き家を放置すると次のようなトラブルが起こる可能性があります。
- ●強風による屋根の剥離など
- ●雪による建物の倒壊や道路等への落雪被害
- ●動物の棲家や蜂・ハエ・シロアリなどの害虫発生
- ●雑草・庭木などにより近隣への迷惑
- ●不法侵入による放火や防犯上の不安
つまり、各自治体が生活環境の保全や防犯防災のまちづくりの推進のため、補助金制度を施行しています。
空き家が倒壊して近隣住民や通行人に損害を与えた場合は、所有者が賠償責任を負わされる可能性があります。損害賠償額が数千万円から数億円と高額になるケースもあるため、不要な空き家は解体しましょう。
老朽危険家屋解体撤去補助金制度の申請方法
老朽危険家屋解体撤去補助金制度の申請方法の流れは以下の通りです。
- 1.自治体へ相談する
- 2.現地調査を行う
- 3.解体工事業者に見積もり依頼する
- 4.老朽危険家屋解体撤去補助金の申請書類を提出する
- 5.現地調査の判定通知が届く
- 6.解体工事を依頼する
- 7.自治体へ補助金を請求する
- 8.補助金交付決定通知書が届く
ここでは、各手続きについて詳しく解説します。
1.自治体へ相談する
まずは、空き家の所在地を管轄する自治体へ相談しましょう。自治体のまちづくり事業に空き家に関する相談窓口があります。
空き家の解体費用に老朽危険家屋解体撤去補助金制度を利用したい旨を説明して補助対象であるかを確認してもらいましょう。空き家に関する資料をお持ちの場合は持参すると、スムーズに手続きしてもらえます。
2.現地調査を行う
老朽危険家屋解体撤去補助金の補助対象である場合は、自治体の職員による現地調査が実施されます。また、空き家の写真撮影が行われます。
自治体職員の方の現地調査は物件内の撮影も行われるため、必ず立ち会うようにしましょう。
3.解体工事業者に見積もり依頼する
次に解体工事業者に見積もり依頼をします。老朽危険家屋解体撤去補助金に詳しい解体工事業者に依頼できれば、給付までスムーズに手続きが進むでしょう。
そのため、補助金申請サポートをしている解体業者であるか対応力を確認してください。少しでも不安がある方は、複数の業者を比較してみることをおすすめします。
(※自治体によっては、指定の解体工事業者があるケースもあります。)
4.老朽危険家屋解体撤去補助金の申請書類を提出する
老朽危険家屋解体撤去補助金の交付申請書を作成します。申請者や物件の情報を記入しましょう。交付申請書には、下記の書類を添付します。
【補助金交付申請書に添付する書類】
- ●老朽危険家屋の位置図
- ●建物の登記事項証明書
- ●現況写真
- ●解体工事見積書のコピー
- ●老朽危険家屋に係る登記事項証明書又は固定資産税課税台帳記載事項証明書
- ●所有者等の市税の滞納がないことを証する書類
- ●所有者の所得証明書
(※自治体により必要な書類が変わります)
5.現地調査の判定通知が届く
自治体は現地調査や申請書類を確認して、老朽危険家屋解体撤去補助金の対象であるか審査します。現地調査や申請書類提出を終えてから10日程度で判定結果が通知されるケースが多いです。
老朽危険家屋解体撤去補助金の交付通知は、補助金の交付を受けるときに使用します。そのため、書類を紛失しないように大切に保管しておきましょう。
6.解体工事を依頼する
老朽危険家屋解体撤去補助金の交付通知が決まったら、解体業者に工事を依頼します。老朽危険家屋解体撤去補助金の交付を受けるときに、解体工事を行った証明のために着手前、解体工事中、着手後の写真が必要です。
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そのため、解体業者に工事を依頼する際に「補助金制度を利用したいから写真を撮影して欲しい」と伝えておくことをおすすめします。
7.自治体へ補助金を請求する
解体工事後30日以内に自治体へ補助金を請求しましょう。自治体へ補助金を請求する際には解体工事の実績報告書を作成して、以下の書類を添付して提出します。
【解体工事の実績報告書の添付書類】
- ●解体工事請負契約書の写し
- ●解体工事の領収書の写し
- ●解体工事(着手前・工事中・着手後)の写真
(※自治体により必要な書類が変わります)
8.補助金交付決定通知書が届く
自治体が解体工事の実績報告書を確認して問題なければ、補助金の給付手続きを始めます。自治体へ請求手続きをしたら10日程度で、補助金額確定通知書が届くので大切に保管しておきましょう。その後、1か月程度で指定の銀行に補助金が振り込まれます。
老朽危険家屋解体撤去補助金制度に関してよくある質問
老朽危険家屋解体撤去補助金制度に関してよくある質問にご回答します。
Q 老朽危険家屋解体撤去補助金制度を利用する際の注意点は?
自治体によって老朽危険家屋解体撤去補助金制度の給付額や対象条件、申請方法が変わります。
例えば、自治体指定の解体工事業者に依頼することが給付条件となっていることもあります。そのため、空き家の所在地を管轄する自治体のホームページを確認してください。
Q.解体工事の前に老朽危険家屋解体撤去補助金を給付してもらえませんか?
老朽危険家屋解体撤去補助金は解体工事が完了した後に給付してもらえるのが一般的です。解体工事前に補助金の一部を前払いしてもらえる概算払い制度が利用できることもあります。概算払いも解体工事の領収金額から算出するものです。
つまり、早く補助金の給付を得たい方におすすめです。しかし、解体工事費用は自分で一度負担する必要があります。
Q.解体工事費用が払えない場合の対処法はありますか?
解体工事費用が払えない場合はローンを活用しましょう。解体費用相場は100~150万円のためローンで賄うことができます。空き家の解体費用でローンを組むときに、空き家解体ローンがおすすめです。
空き家解体ローンは、金融機関により条件が変動しますが、前年税込年収100万円と融資の条件が緩く金利も2.5%と低い傾向があります。フリーローンの金利は15%と高いため、返済額を抑えるためにも空き家解体ローンを利用することをおすすめします。
Q.老朽危険家屋解体撤去補助金は必ず給付されますか?
老朽危険家屋解体撤去補助金制度は申請すれば、必ず補助金が給付されるわけではありません。なぜなら、老朽危険家屋解体撤去補助事業には予算があるためです。
予算額を超える申請件数があった場合は補助事業が終了してしまいます。そのため、空き家の解体費用の補助を受けたい方は、補助事業が終了する前に申請手続きを行いましょう。
Q.解体業者に補助金の相談はできますか?
解体業者で異なりますが、補助金に関して相談できる業者もあります。自治体へ提出する書類・図面・写真撮影をはじめ、補助金申請書の作成のサポートまでしてもらえます。そのため、老朽危険家屋解体撤去補助金制度を利用したいけれど、手続きが難しそうと不安を感じる方はサポートを受けましょう。
上池解体興業では補助金制度を利用するためのサポートから解体工事までワンストップサービスを提供しています。そのため、補助金を利用したい方はお気軽にご相談ください。
まとめ
老朽危険家屋解体撤去補助金制度とは、老朽化で倒壊する恐れがある空き家の解体を促進するための制度です。老朽危険家屋解体撤去補助金制度を利用すれば、空き家を解体するときに費用の一部を補助してもらえます。
この記事では補助金申請の流れをご紹介しましたが、手続きに不安を感じる方はサポートを受けましょう。
株式会社上池解体興業(BOCCOS/ボッコス)では、現地調査と見積もりを無料で承っております。解体工事がはじめての方でもわかるように、施工内容や金額の内訳などを説明いたしますので、安心してご相談ください。
また、補助金やローン利用のサポートも可能です。お客さまの負担を最低限に抑える解体工事を心掛けておりますので、わからないことは何でもお聞きください。納得のいく解体工事をしたい方からのお問い合わせをお待ちしております。
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