解体工事の契約書6つのチェックポイント!不備による罰則も解説
優良な解体業者を見極めるうえでは、契約書のチェックが重要です。とはいえ初めて家を壊す方のなかには、「解体工事の契約書は何を確認すればいいかさっぱり・・・」「契約書の違反内容ってあるの?」と、悩みや疑問がある方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は解体工事のプロである「株式会社上池解体興業」が、解体工事の契約書を見るときに押さえておくべき情報をまとめて紹介!
- ・解体工事の契約書の必要性
- ・解体契約書で見るべき6つのチェックポイント
- ・罰則規定
初めての方にもわかりやすく責任を持ってご説明しますので、参考にしてみてください。
そもそも解体工事の契約書はなぜ必要?
そもそも解体工事の契約書が、なぜ必要なのかご存じでしょうか?解体工事の契約書は、工事中のトラブルの未然防止に重要な役割を持ちます。
契約書を交わさない場合には、不当な追加費用を請求されたり、解体工事の途中で放棄されてしまったりと、施主側が損をする可能性も高くなります。そのため、契約書なしで解体工事を依頼しないようにしましょう。
契約書について理解を深めるために、この章では契約方法の種類や記載内容の基準、契約書を結ぶタイミングについて紹介します。
契約方法の種類
解体工事の契約方法は決まった形式があるわけではなく、解体業者によって異なります。
解体工事の契約方法は、主に以下の3通りです。
- ・契約書を相互に交付する
- ・基本契約書と、注文書もしくは請書を交付する
- ・注文書もしくは請書を交付し、契約約款を添付する
契約書は、取引の内容を双方が合意したことを証明する書類です。一方で注文書と請書はそれぞれ発注内容が記載された書類のことで、業者が発注を受けることを証明する役割を持ちます。
本来契約は双方の承諾が必要になるため、申し込みという役割でしかない注文書と請書は契約書としての役割を果たすうえで条件があります。
具体的には、以下の通り。
- ・施主・業者それぞれの記名押印
- ・契約約款の添付
そのため注文書と請書で契約する場合には、しっかりと契約書と同じ効力となる条件をチェックしておきましょう。
また、電子契約も契約方法として認められており、対面が難しい場合には電子契約書を交わすケースも増えてきています。
契約書の記載基準
解体工事の契約書には定型の雛形は存在しませんが、最低限記載すべき内容が決められています。
解体契約書に記載すべき14個の項目は、以下の通りです。
- 1.工事内容
- 2.請負金額
- 3.工事着手と完成時期
- 4.請負代金や前払い金の支払い時期と支払い方法
- 5.工事着手の延期・中止が発生した場合の工期変更・請負金額変更・損害の負担・延期料金の算定方法
- 6.自然災害などの不可抗力による工期変更・損害の負担・負担額の算定方法
- 7.価格の変動・変更による請負金額と工事内容の変更
- 8.第三者への損害賠償金の負担
- 9.注文者が工事に使用する資材を提供し、建設機械を貸与する際の内容と方法
- 10.完成の確認時期・方法・引き渡し時期
- 11.請負代金の支払時期と方法
- 12.工事の目的物の瑕疵を担保すべき責任や当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結内容
- 13.履行の遅滞・債務の不履行の遅延利息や違約金
- 14.契約に関する紛争の解決方法
上記の内容は建設業法により記載が定められているため、契約書として効力がある書類には必ず明記されている必要があります。「解体工事一式」といったように内訳が詳細に記載されていないものは、違法な契約書であるため注意しましょう。
契約書を結ぶタイミング
解体業者と契約書を結ぶタイミングは、工事施工開始の「1ヵ月前以上」がおすすめです。
解体工事前にはたくさんの契約事項があるため、契約に必要な準備期間として3週間程度必要になるからです。
一方で工事開始日の1週間前など、ギリギリのスケジュールで契約できる業者は、悪質な契約を提示してくる可能性が高いため注意が必要です。
また地域で有名な解体業者の場合には、かなり先の予定まで埋まっていることも多いため、なるべく早めに契約を結ぶと良いでしょう。
解体工事の依頼から本契約までの流れ
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解体工事の依頼から本契約までの流れは、一般的に以下のように進みます。
- ・解体業者への問い合わせ(2〜3社)
- ・業者による現地見積もり
- ・見積書の比較
- ・解体業者の決定
- ・本契約の打ち合わせ
解体工事の場合には、問い合わせしてからすぐに契約へ進むわけではなく、まず業者による見積書の作成工程があります。そして見積もりを確認後、契約を結ぶために本契約の打ち合わせを行います。本契約では、見積書の内容に基づいて、工期スケジュールや工法などを施主に確認を取りながら具体的に決めていきます。
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解体工事の契約書のチェックポイント6つ
契約書にはさまざまな内容が記載されているため、何を見れば良いかわからない方も多いでしょう。ここでは、解体工事の契約書のチェックポイントを6つ紹介します。
1.工事内容
工事内容は「一式」といったように内訳が不明瞭な記載ではなく、「2階建て木造家屋の解体工事」のように解体する建物の内容が具体的に記載されているかどうかをチェックしてください。
また家の解体にともない、カーポートや庭木などの付帯物も撤去する際には、「カーポート 撤去」「樹木 2本抜根」のように付帯物の内容も別で記載されているかの確認も行いましょう。
工事内容が記載されていない項目がある場合には、解体工事を放棄されてしまう可能性もあるためしっかりとチェックするようにしましょう。
2.解体単価・総額
金額に関する項目では、解体単価と総額をチェックしましょう。
解体工事の契約書では、以下のように解体する内容別に細かく単価が決められています。
項目 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
2階建て木造家屋 解体工 | 30 | m2 | 30,000 | 900,000 |
樹木 撤去 | 2 | 本 | 8,000 | 16,000 |
それぞれの項目の単価が相場よりかけ離れていないか、単位や数量が適切かどうかを確認するようにしましょう。
また、解体工事の総額が正しいかどうかも要チェックです。
正しい桁数になっているか、二重で計上されている項目が存在しないか、自分でも計算して確かめておくと安心です。
関連記事:解体工事の坪単価はいくら?構造別の相場や安くするコツを紹介!
3.支払い方法
支払い方法については、前払金の有無や追加費用に関する記載内容を確認しましょう。
特に前払金に関しては、期日以内の支払いや指定された支払い方法でなければ受理してもらえず、工期の延長や中止が発生するケースもあるため要注意です。
また追加費用に関しては、「施主と業者の協議のうえで追加費用額を決定できるのか」「協議ができなかった場合には施主側が変更額を決められるのか」の2つをチェックしておきましょう。悪質な業者は、業者の一方的な都合で請求金額を変更できる旨を記載しているケースもあるため注意しましょう。
4.工事の延長・短縮・中止
解体工事は外で作業を行うため、天候などの影響を受けやすく、工事の延長や中断が発生するケースが珍しくありません。
そのため、工期の延長がどのような場合で発生するのか、延長が発生した場合の費用はどうなるのかを契約書内で確認しておくと安心です。
特に業者の都合で工期の延長や変更が発生する場合には、「施主に書面上で説明すること」と「事前に施主と業者で協議を行うこと」が記載されているかを見ておきましょう。悪質な業者の場合には、施主と話し合いをすることなく、勝手に工期を延長し工事費用を上乗せしてくるケースがあるからです。
また、施主側の都合で工期を短縮したい場合に、対応してくれるのかどうかも確認しておくと良いでしょう。新築の建て替え工事や土地の売買など、解体後の予定が詰まっている場合には、解体工事期間を短くしてもらわなければならない可能性もあるからです。
また、どのような条件で解体工事が中止されてしまうのかも要チェック。一般的には、前払金の支払い遅延時に施主へ通知したうえで中止が可能と記載されています。
工事の延長・短縮・中止に関する契約は、解体工事費用の請求内容に関わってくるため、しっかりと確認してくださいね。
関連記事:家の解体期間は面積や構造で違う?延期させないための注意点も解説
5.第三者・不可抗力による賠償
解体工事は危険な作業が多く、業者が細心の注意を払っていても通行人や隣人とのトラブルが発生してしまうケースがあります。そのため、第三者とのトラブルが発生した場合の賠償請求についての内容もよく確認しておきましょう。
特に工事施工中に第三者へ損害があった場合に、「業者側が損害を賠償する」と記載されているかどうかの確認が重要です。悪質な業者の場合には、施主が負担する旨が記載されており、大きく損をしてしまう可能性があります。
どのようなトラブルが発生しても問題ないように、賠償に関しては責任を負う側と金額についてを確認しておくと安心です。
関連記事:解体工事は保険の対象外?トラブル対処法と未加入業者の見分け方
6.工事完了後の引き渡し
工事が完了してから、何日以内に土地の引き渡し作業が行われるかも確認しましょう。
また、整地が不十分であったり、地中埋設物の撤去が済んでいなかったりなど、契約内容通りに施工されていなかった場合に、「履行の追完」として追加工事や撤去の対応があるかどうかの記載も要チェックです。
悪質な業者の場合には、土地の引き渡しがいつになっても行われないケースや、契約した解体工事を行わずに引き渡しを行うケースもあるため、それぞれしっかりと見ておきましょう。
解体工事の契約書の罰則
契約書を交わさないことによる罰則規定は特に明記されていませんが、契約内容に関する罰則内容は多くあります。ここでは、解体工事の契約書における罰則を紹介します。
見積もり条件に関する罰則
施主が不利な条件で見積もりをされないように、見積もり条件に関して以下のように罰則規定が定められています。
- ・解体業者や元請けのハウスメーカーが諸費用などの内訳を記載せず、あいまいな見積書を施主に提示してはいけない
- ・元請けのハウスメーカーが下請けの解体業者に支払い条件や工期を伝えず、あいまいな条件で解体工事を依頼してはいけない
上記のように見積書においても、契約書と同様に工事の内訳を詳細に決めるように元請け・下請けの解体業者に義務付けられています。
関連記事:解体工事の見積もり総まとめ!チェック項目や事例をわかりやすく解説
契約方法に関する罰則
契約方法に関しては、以下のケースで罰則規定があります。
- ・口頭により契約を行ったケース
- ・解体工事の着手後に、契約書を施主に渡したケース
民法上では口頭での契約も有効になりますが、建設業法では施主と業者のトラブルを防止するために書面もしくは電子契約を義務付けています。
また契約するタイミングは、工事開始前でなければ罰則が下されます。
追加費用に関する罰則
追加費用に関する罰則には、以下のようなケースが挙げられます。
- ・工法に変更などで工事内容の変更が発生したにもかかわらず、書面による変更契約を業者が行わなかったケース
- ・地中埋設物の追加撤去工事が発生した際に、撤去が終わってから変更内容が記載された契約書を提示してきたケース
追加費用が発生した場合には、工事着手前に書面上で追加費用の請求や内容の提示をするように指定されています。
工期に関する罰則
工期に関しても罰則規定が定められており、以下のようなケースが該当します。
- ・工期変更について業者が施主との協議に応じず、書面による変更契約を行わなかったケース
- ・短い工期にもかかわらず、通常の工期と変わらない金額で契約させられたケース
業者側の都合で工期変更が必要になった場合には、書面上での変更契約が必要です。
そのため工期変更の事前契約場合や事後報告になった場合には、速やかに消費者センターへ相談するようにしましょう。
【契約書以外にも】解体工事の書類まとめ
解体契約書や注文書以外にも、解体工事では提出が必要な書類がいくつかあります。それでは、どのような書類の提出が必要なのか解説していきます。
関連記事:家の解体工事に必要な手続きは?損をしないための注意点も解説
建設工事計画届出
建設工事計画届出は、木造住宅・鉄筋コンクリート造などのビルを解体する場合に、施主が都道府県知事への届け出る必要がある書類です。
解体業者に委託できるケースがあるため、時間がない場合や書類手続きが苦手な場合には、業者に相談してみるとよいでしょう。
アスベスト事前調査・除去届出
アスベスト関連の書類では、事前調査の報告書と除去届出が必要です。
どちらの届け出も業者に任せられますが、施主側も法律で決められている内容が記載されているかどうかをしっかりとチェックしておくことが大切です。
関連記事:解体工事のアスベスト調査義務化はいつ?費用や罰則をプロが解説
道路使用・占用許可
道路使用・占用許可は、道路上で足場を組み立てて作業をする場合などで届出が義務付けられている許可です。
施主も手続きが可能ですが、基本的には業者が行います。業者が行う場合には、契約書内で道路使用・専用許可の申請費用が記載されているかチェックしてくださいね。
建物滅失登記
自宅や実家の撤去が完了したら、建物滅失登記の届出を行う必要があります。
解体業者から必要な登記申請に必要な書類が送付されるため、必要書類が手元に届けば速やかに手続きを行いましょう。建物滅失登記は施主に義務付けられている届出ですが、土地家屋調査士に委託可能です。
解体工事の契約書のことは「解体のプロ」に任せよう!
解体工事の契約書のことは、解体業者に任せましょう。
もちろん、不動産会社などの他業者も解体工事の契約書を作成することは可能です。とはいえ、解体工事関連の契約書は内容が複雑なため、解体が専門でない業者は、規定違反の内容を記載してしまう可能性があります。
一方で解体業者は解体工事の契約書を熟知しているため、それぞれの解体ケースに合わせた適切な内容で記載してくれるでしょう。そのため、契約書で失敗しないためにも解体のプロである「解体業者」に直接委託し任せると良いでしょう。
まとめ
解体工事の契約書では、施主と解体業者とのトラブルを防止するために、最低限必要な記載内容や契約方法などが建設業法にて細かく決められています。
そのため解体工事の契約書に不慣れな業者に依頼すると、規定違反の内容で契約するリスクも。そのため解体工事の契約書関連のトラブルを避けるためには、解体のプロである「解体業者」への直接委託がおすすめです。
東京都目黒区の株式会社上池解体興業(BOCCOS/ボッコス)では、解体工事をフルサポートしております。東京都内を中心に関東地域において「木造家屋・空き家・ビル・アパート」などの解体工事を承っており、難しい解体工事の実績も豊富です。また当社では丁寧なサービスを心掛けておりますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。お見積もりは無料ですので、Webサイト上の「電話やメール」からお気軽にお問い合わせください。
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