解体工事の地中埋設物って?放置するデメリットや撤去費用相場を解説
家を解体すると、地面の中から「埋設物」が見つかるケースがあります。
解体工事に馴染みがない人のなかには、
「そもそも地中埋設物って何?」「撤去するにはいくらかかるの?」
などと、疑問がある方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、地中埋設物の種類とそれぞれの撤去費用相場を紹介します。
解体工事のプロである「株式会社上池解体興業」が地中埋設物を放置するデメリットについても、わかりやすく責任を持ってご説明しますので、参考にしてみてください。
「地中埋設物」とは?
「地中埋設物」とは、土地の下に埋まっている物のことです。
例えば、ブロック塀や木くずなどの廃材に加えて、大きいものでは建物の基礎や浄化槽がそのまま埋まっているケースも・・・。いずれも昔の悪質な建設・解体業者が埋めたもので、さまざまな理由から撤去する必要があります。
この章では、地中埋設物が見つかる理由と撤去責任者を紹介します。
地中埋設物が見つかる理由
なぜ、地中から産業廃棄物のごみや浄化槽が見つかるのでしょうか?昔は悪質な解体業者が多く、産業廃棄物処理費用を安くするために、解体で出た廃材やゴミを埋めていたことが主な理由です。
また現在では家を建てる前に地歴調査など地中を調査してから施工を始めますが、少し前までは地中埋設物の調査をしない業者も多かったため、解体工事後の埋設物がそのまま残されてしまっています。
このように地中埋設物が見つかる原因には、ひと昔前のずさんな産業廃棄物の扱いが関係しています。
撤去義務は施主にある
地中埋設物を埋めたのは解体業者であっても、撤去責任はその土地を保有する施主にあります。特に土地を売却する際に、地中埋設物を撤去していないと業者ではなく施主の責任が問われることになります。
ただし埋めた業者が明確にわかる場合や存在する場合には、土地の買主や施主から解体業者側に不法投棄の観点から損害賠償責任を追及できるケースもあります。
地中埋設物の種類とそれぞれの撤去相場
ここでは、地中埋設物の種類とそれぞれの撤去相場を紹介します。自宅や実家の土地に地中埋設物が埋まっている場合に、どれくらい撤去費用を負担する必要があるのか今のうちにチェックしておきましょう。
古い家の基礎
撤去相場:1.2万円/m3
解体する際には、家の基礎部分も撤去する必要がありますが、基礎の一部が撤去されておらずそのまま土地の下から発見されるケースがあります。特に鉄筋コンクリート造のビルなどの大型建築物があった跡地に建てられた家では、地中の奥深くまで打ち込まれた基礎杭がそのまま見つかる場合も珍しくありません。
基礎は撤去すべき場合と、地盤の関係からそのまま埋めていた方が良い場合があるため、見つかった場合には業者と相談しながら撤去を決めると良いでしょう。
擁壁(ようへき)
撤去相場:1.5万円/台
擁壁とは、側面の土が崩れるのを防ぐために設置される壁状の構造物のことです。身近な例でいえば、坂道上に建てられている家の土台部分にあるコンクリートが擁壁にあたります。
擁壁は大量に見つかるケースが多く、4トンなどの大型トラックが必要になるため撤去費用が高めです。
浄化槽
撤去相場:10万円/台
浄化槽は汚水を処理するためのタンクで、下水設備が整備されておらず昔はトイレなどの水洗化のために多くの家庭で使用されていました。そのため古い家が建っていた土地からは、その前の家で使われていた浄化槽が見つかるケースも。
浄化槽は重機で深くまで掘り起こす必要があるため撤去の手間がかかるうえに、浄化槽があった部分の穴を埋める必要があることから費用が高額になります。
古井戸
撤去相場:5〜10万円/台
古い家を解体する際には、古井戸が埋まっているケースも。井戸を撤去する場合には重機で掘り起こす手間がかかるため、費用が高くなりがちです。またお祓いの費用もかかるため、ほかの埋設物よりも負担額が大きくなります。
ただし撤去が難しい井戸の場合には、そのまま埋め戻すこともあります。埋め戻す場合には土地の評価額に影響してくるため、解体業者と話し合いで決めると良いでしょう。
関連記事:家の解体時のお祓いは自分でできる?流れや注意点も解説
埋設廃棄物
撤去相場:1.2万円/台
埋設廃棄物とは、埋められている昔の産業廃棄物のことを指します。昔は法規制が厳しくなかったことから不法投棄をする解体業者も多く、コンクリート片や木くずなどさまざまな埋設廃棄物が大量に見つかることも少なくありません。
また廃棄物処理場の跡地の場合には、高確率で古タイヤや木くずなどが見つかります。
埋設廃棄物は一度にたくさん見つかるケースが多く、トラックでの運搬になるため費用が高くなりがちです。
関連記事:解体工事の産業廃棄物とは?一般ゴミとの違いや処分費用の相場を解説
レンガ・瓦・タイル
撤去相場:1.5万円/m3
内装のタイルや屋根瓦、レンガも見つかるケースがあります。コンクリート片と同様に、建設リサイクル法が整備される前に埋められた可能性が高い地中埋設物です。
岩・大きな石
撤去相場:0.5万円/台
岩や庭石も埋められているケースがあります。特に庭石は大きなものが多く、重機で粉砕撤去しトラックで運搬する必要があるため、費用が高くなる傾向にあります。
地中埋設物を放置するデメリット
地中埋設物が見つかった場合に、そのまま元の場所へ埋め戻しても問題ないのでしょうか?ここでは、地中埋設物を放置するデメリットを紹介します。
新築の建て替え工事が遅れる
新築の建て替え工事の際に、解体工事中に見つかった地中埋設物を地中へそのまま放置する場合は、新築の施工業者が撤去処理をしなければなりません。そのため新築の施工業者が再調査や撤去の工事や関連する手続きを行う必要があるため、建て替え工事が遅れてしまいます。
新築建て替え工事の場合は、解体工事の際に見つかった時点で、速やかに撤去するようにしましょう。
土地の評価額が大きく下がる
地中埋設物を放置した場合には、土地の評価額が大きく下がってしまうデメリットがあります。土地の評価額に影響する理由は、古い基礎や埋設廃棄物が埋まっているままだと地盤が通常より弱まっており、新しい建築物を建てる際の妨げになるからです。
土地を売却する際に、大きく損をすることになるため地中埋設物は見つかった時点で撤去すると良いでしょう。
土地売却後に契約不適合責任を問われる
「契約不適合責任」とは、契約で決めた土地の状態と実際に引き渡した内容が合っていない場合に売主である施主が買主に対して負う責任のことです。
地中埋設物の撤去をしていないことを土地売却時の契約書に記載しない場合には、買主が求めている土地の品質を満たしていないとして契約不適合責任を問われるケースがあります。損害賠償金を求められるリスクもあるため、撤去できない場合には地中埋設物の内容を契約書に明記するようにしましょう。
地盤沈下が発生する
地中埋設物がある土地は、地盤沈下が発生しやすくなるデメリットがあります。例えば、埋設廃棄物の一つである木くずは、時間が経つとともに崩れていくため、木くずで支えられていた部分の地盤が沈んでしまいます。
地中埋設物がある土地の上に新築を建てると、地震などで簡単に地盤が崩れ家が傾いてしまう可能性も。そのため長い目で見ると、地中埋設物の撤去費用を節約するのではなく見つかった時点で撤去することをおすすめします。
解体工事の地中埋設物トラブルを回避するコツ4つ
地中埋設物関連では、金銭面でのトラブルが発生しやすく注意する必要があります。
ここでは、解体工事における地中埋設物トラブルを回避するコツを4つ紹介します。
1.解体契約書の地中埋設物に関する内容をチェック
本契約時に交わす「解体契約書」では、地中埋設物の対応内容が明記されているかのチェックが重要です。例えば、地中埋設物が見つかった場合に「施主の許可を得てから撤去する」「見つかってから○○日以内に報告する」などの旨があるかどうかを確認しましょう。
地中埋設物の報告に関する記載がない場合には、勝手に撤去されて多額の追加費用が請求されても、文句を言えない可能性があります。
そのため地中埋設物に関連する追加費用のトラブルを回避するうえでも、契約書の地中埋設物の項目をしっかり見るようにしましょう。
2.地中埋設物が見つかった場合には速やかに対応する
地中埋設物が発覚した場合には、解体業者から連絡が入るため速やかに対応するようにしましょう。施主の対応が遅れると撤去ができなくなるため、工期がどんどん遅れていき、重機回送費などの費用が上乗せされてしまうからです。
また「解体契約書」にて、地中埋設物が見つかった場合にはいつまでに対応すれば良いか期間が記載されています。対応が遅れたことで多額の追加費用を請求されないためにも、あらかじめチェックしておきましょう。
3.地中埋設物の追加費用は内訳までチェックする
地中埋設物の撤去が必要になった場合には、追加費用が請求されます。悪質な業者の場合には、存在しない地中埋設物の撤去費用まで請求してくるケースがあるため、内訳までしっかりとチェックするようにしましょう。
追加費用の請求書で「地中埋設物撤去 一式」となっている場合は、必ず埋設物の内容や撤去方法などの詳細を教えてもらうことをおすすめします。
また地中埋設物の追加費用トラブルを避けるうえでは、地中埋設物を現場で直接確認することも大切です。現場で確認するのが難しい場合には、写真や動画で実物を共有してもらうと良いでしょう。
4.解体工事前に地中埋設物の有無を調べておく
地中埋設物が解体工事中にわかった場合には、工期スケジュールを変更する必要があるケースも。特に大量のコンクリート片や大きな浄化槽などの場合は、重機を手配する手間が発生することもあるため工期の遅延が発生する可能性があります。
そのため工期スケジュールに地中埋設物の撤去工程を組み込んでもらうためにも、地中埋設物の有無を事前に調べておくと良いでしょう。
解体工事前に地中埋設物を調べる方法
では、解体工事前に地中埋設物を調べる方法を紹介します。それぞれの方法がどのような方におすすめかを解説するので、参考にしてみてくださいね。
自分で調べる
地中埋設物の有無は、自分でも調べることができます。例えば図書館にある航空地図から、昔の土地利用状況を調べることで、産業廃棄物処理場の跡地かどうかを調べられます。また代々受け継いでいる土地の場合には、当時の建物の図面や登記簿も参考にすると良いでしょう。
地中埋設物を調べる方法のなかではもっとも安く済ませられる方法ですが、専門家に頼らない分、手間がかかるため時間に余裕がある場合におすすめです。
地中埋設物探査の専門業者に相談する
地中埋設物探査の専門業者に依頼すれば、地盤や路面下に存在する埋設物を正確に調査してもらえます。図面による目視調査やレーダー探知機による調査など、業者によって異なります。
費用相場は10〜30万円と高くなりますが、確実に地中埋設物があるかどうかがわかるため、自分で調べてもわからなかった場合に利用してみると良いでしょう。
土壌調査の専門家に依頼する
過去に産業廃棄物の処理場だった土地や、業者が出したゴミが埋まっている場合には、土壌汚染が発生するケースがあります。
土壌の汚染状態と一緒に、地中埋設物が埋まっている可能性があるかどうかを知りたい場合には、土壌調査の専門家がおすすめです。土壌調査の専門家に依頼すれば、地歴調査やサンプリング調査から、地中埋設物が原因で土地が汚染しているかどうかがわかります。
解体工事の地中埋設物のトラブル回避には業者選びが重要!
解体工事の地中埋設物関連のトラブルを回避するためには、業者選びが重要です。悪質な業者に依頼してしまうと、地中埋設物を撤去してもらえないケースや、架空の地中埋設物の撤去費用を請求してくるケースがあります。
またハウスメーカーや工務店など、解体が専門でない業者は自社で地中埋設物の撤去作業を行っていないことが多く、撤去までに時間がかかり多額の追加費用を請求される可能性も。
一方で優良な解体業者であれば、地中埋設物の撤去にも慣れているため、撤去が難しい地中埋設物でもスムーズに取り除いてくれます。そのため地中埋設物のトラブルで損しないためには、複数の業者を比較して優良な解体業者を探しましょう!
まとめ
解体工事では、その土地からさまざまな地中埋設物が見つかるケースが珍しくありません。地中埋設物を撤去しない場合には、土地の評価額が下がったり、新築の建て替え工事が遅れたりと、多くのデメリットがあります。
そのため解体中に見つかった場合には、早急に掘り起こす必要があります。どのような地中埋設物でもスムーズに撤去してもらううえでは、解体・地中埋設物に対して豊富な知識と経験を有する「解体業者」への直接委託がおすすめです。
東京都目黒区の株式会社上池解体興業(BOCCOS/ボッコス)では、解体工事をフルサポートしております。東京都内を中心に関東エリアにおいて「空き家・木造家屋・店舗内装」などの解体工事を承っており、難しい解体工事の実績も豊富です。また当社では丁寧なサービス対応を心がけておりますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。お見積もりは完全無料ですので、当社ホームページに掲載している「電話やメール」からお気軽にお問い合わせください。
千葉・埼玉・神奈川・東京の住宅解体
会社名:株式会社 上池解体興業(ボッコス/BOCCOS)
住所:〒152-0003 東京都目黒区碑文谷2-6-22
TEL:03-6846-5035
営業時間・定休日:9:00~18:00 日曜日