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テナント退去時の原状回復とは?スケルトン解体・内装解体の違いと費用・進め方を解説


テナント退去時の原状回復とは?スケルトン解体・内装解体の違いと費用・進め方を解説

テナントの退去が決まって、まず多くの方が頭を抱えるのが「原状回復って、どこまでやればいいの?」という点です。私たちも現場で、店舗やオフィスのオーナーさんからほぼ毎週これを聞かれます。

やっかいなのは、住宅の賃貸と違って“正解”が契約書ごとに違うこと。ここを曖昧にしたまま進めると、「退去日に工事が終わらない」「敷金がごっそり引かれた」——そんな事態になりがちです。この記事では、私たちが実際に現場でお伝えしていることを、そのまま書いていきます。

この記事で分かること

  • 原状回復・内装解体・スケルトン解体の違い
  • どこまで戻すのか(意外と見落とす対象範囲)
  • 工事の流れと、費用が変わる理由
  • 業者選びで本当に見るべきところ

店舗・テナントの原状回復、まずは相談してみませんか?

費用の目安や進め方など、どんな小さなことでもお気軽にどうぞ。

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内装を撤去しスケルトン状態になった店舗テナントの内部

まず「原状回復」って、何をどこまで?

原状回復とは、契約にもとづいて、借りていた区画を入居時の状態に戻してオーナーへ返すこと。住宅なら経年劣化は貸主負担が普通ですが、事業用テナントはそうはいきません。多くの契約で「借主の負担で原状回復」と決まっていて、しかもその中身は物件ごとにバラバラです。だから何より先に、手元の契約書と特約を開くことから始めてください。

原状回復・内装解体・スケルトン解体の違い

言葉が似ていて混乱しがちなので、先に整理しておきます。

用語意味
原状回復契約で定めた状態に戻すこと全般。何をどこまで戻すかは契約しだい
内装解体壁・天井・床の仕上げや造作・什器を撤去する工事そのもの
スケルトン解体内装をすべて撤去し、コンクリートの躯体だけの状態に戻すこと

ざっくり言えば、原状回復という“目的”を果たす手段が内装解体。その中でも、躯体だけ残して丸裸にするのがスケルトンです。工事内容や費用の細かい比較は、内装解体とスケルトン解体の違いにまとめています。

「スケルトン渡し」と「居抜き渡し」

返却方法内容こんなケース
スケルトン渡し内装をすべて撤去し、躯体だけで返す多くのテナント契約の標準
居抜き渡し内装・設備を残して次の借主へ引き継ぐ後継テナントが設備を使いたい場合

居抜きで次のテナントに渡せれば、解体費用はまるごと浮きます。ただ、これは相手あっての話。引き継ぎ先がいなければ、結局スケルトンに戻すことになります。ここで一番マズいのが、自己判断で工事を始めてしまうこと。「スケルトンが条件だったのに、一部を残してしまった」——これはやり直しです。動く前に、返却条件を書面で一枚もらっておいてください

どこまで戻す?意外と見落とす対象範囲

「どこまでやるか」は、原状回復でいちばんもめるところ。対象になりやすいのは、こんな部分です。

  • 壁・天井・床の仕上げ材(クロス・塗装・タイル・フローリング)
  • 間仕切り壁・パーテーション・造作家具
  • 什器・備品・レジ周り・棚・カウンター
  • 自分たちで付けた電気・給排水・空調・ガスの設備や配管
  • 看板・サイン・ファサード周り
  • 天井裏・床下など、表からは見えない部分の配線・配管

見落としがちなのが、最後の天井裏や壁の中の配線・配管。表からは見えないぶん「まさかそこまで」と思われがちですが、契約によってはしっかり撤去対象です。ここを見積りで詰めておかないと、工事が始まってから「これも対象でした」と、追加費用の火種になります。

飲食店は、とくに要注意

正直に言うと、飲食店の原状回復はいちばん手強い部類です。厨房や排気まわりに、専用の設備が多いから。

設備現場でのつまずきどころ
厨房・グリストラップ油や残渣がたまっていて、撤去も清掃もひと手間かかる
排気ダクト・換気設備天井裏を長く這っていて、思ったより撤去範囲が広い
ガス・給排水撤去だけでなく、安全な閉栓・処理まで必要になる
床の防水・タイル水場は下地から傷んでいることが多く、範囲が広がりやすい

古いビルは「アスベスト」から

⚠ 古い建物は、解体前の「事前調査」が義務です

築年数のあるビルや店舗では、着工前にアスベスト(石綿)の有無を調べる事前調査が法律で義務づけられています。資格を持った人間が調べる必要があり、ここを飛ばすと法令違反にも健康被害にもつながります。

古い物件ほど、「調査から任せられる業者かどうか」を最初に確認しておくと安心です。調査の義務化や費用の負担については、アスベスト調査義務化とは?費用はどちら負担になるの?で詳しく書いています。


養生された店舗で内装解体を進める作業員の様子

工事の流れ|退去日から逆算で動く

段取りを間違えると、退去日に平気で間に合いません。ざっくりの流れはこうです。

ステップやること
① 現地調査撤去範囲・搬出経路・建物の状況を見る
② 見積り範囲・廃棄物量・工期をふまえて作成
③ 返却条件のすり合わせ管理会社・オーナーと条件を確認(最重要)
④ 館内・近隣への調整工事時間・養生・搬出方法を管理規約に合わせる
⑤ 施工養生 → 撤去 → 分別搬出 → 清掃
⑥ 引き渡し確認オーナー・管理会社の立ち会いで確認

💡 落とし穴は、③の「返却条件のすり合わせ」

借主・オーナー・管理会社で認識がずれていると、やり直し工事や敷金トラブルに一直線です。工事前に条件を書面で握っておくだけで、もめ事の大半は防げます。逆にここを飛ばすと、あとから必ず響いてきます。

いつ動き出せばいい?(逆算の目安)

よく「退去のどれくらい前から動けばいいですか?」と聞かれます。物件や規模で変わるので一概には言えませんが、ざっくりこのくらいで逆算しておくと、まず慌てずに済みます。

タイミングやっておくこと
退去の2〜3ヶ月前契約書・特約を確認し、業者に現地調査を依頼する
1〜2ヶ月前見積りを取り、返却条件を書面で確認。管理会社へ工事を申請
2〜4週間前工事日程の確定、館内・近隣の調整、残置物の片付け
退去日まで施工 → 引き渡し確認

「まだ先だから」とのんびりしているうちに、管理会社の承認待ちで着工がずるずる後ろにずれる——これが本当に多いパターンです。設備の多い飲食店や広い区画ほど、気持ち早めに動いておくと安心。逆に、内装がシンプルなオフィスなら、ここまで日数はかからないこともあります。まずは現地調査だけでも早めに入れておくと、全体の見通しが立てやすくなります。

費用は「坪単価」だけで決めない

正直、坪単価だけ見て総額を決めるのは、かなり危険です。同じ広さでも、エレベーターしか使えないビルの5階と、トラックを横付けできる路面店とでは、手間がまるで違う。だから私たちは、現場を見ないうちは金額を言い切りません。目安として、金額を左右する主な要素がこちらです。

要素費用への効き方
立地・搬出経路エレベーターのみ・狭い道・夜間しか作業できない、で上がる
階数・規模上層階や広い区画は、運搬と養生の手間が増える
設備の量厨房・空調・特殊設備があるほど工程が増える
残置物什器・在庫を残すほど処分費が乗る

この中で自分でコントロールしやすいのが、じつは残置物です。什器や在庫を自分たちで運び出しておくだけで、処分費が数万円単位で変わることもあります。ネットの相場は「最初のざっくりした目安」くらいに思っておくのが安全です。スケルトン工事の費用感は、スケルトン工事の費用相場もどうぞ。

「安すぎる見積り」の裏側

⚠ 一社だけ飛び抜けて安いとき、疑うべきこと

  • 廃棄物を適正に処理せず、不法投棄している
  • あとから「これは別途です」と追加を請求される
  • 仕上がりが甘く、やり直しになって敷金が返らない

相見積りで一社だけ極端に安いと、私たちは正直ちょっと身構えます。安さには理由があって、その理由がこちら側に不利なことが多いからです。原状回復は、敷金の精算やオーナーとの関係にも響く工事。金額の安さより、内訳がちゃんと見えるかで選んでください。激安の解体業者が危険な理由も参考になります。


テナントの原状回復について現地で見積りを説明する解体業者

業者選びで、本当に見るべきところ

テナントの原状回復は、業者によって仕上がりも対応もはっきり差が出ます。私たちがお客さんに「ここは見てください」と伝えているのが、次の点です。

見るところなぜ大事か
建設業許可一定規模以上の工事を、法令に沿って請け負える体制か
廃棄物の適正処理分別解体・マニフェストで、きちんと処理しているか
ビル・テナントの実績稼働中のビルや館内ルールに慣れているか
館内・近隣への配慮養生・工事時間・搬出の調整がていねいか

ひとつ足すなら、廃棄物がちゃんと処理された証明が「マニフェスト」です。ここをきちんと説明できない業者は、正直あやしい。仕組みはマニフェストとはで確認できます。

私たち(ボッコス)の場合

株式会社上池解体興業(ボッコス)の体制

  • 建設業許可(解体工事業)を取得。一定規模以上の工事にも対応します。
  • 重機を自社で持ち、自社施工。手配待ちや中間マージンを抑えやすく、急な変更にも動けます。
  • アスベスト有資格者が在籍。古いビルでも、事前調査から解体まで窓口ひとつです。
  • 年間約600件の施工。大手見積サイト「クラッソーネ」で東京エリア クチコミNo.1(2023・2024年度)をいただいています。

特別なことを言っているつもりはありません。ただ、調査から解体、廃棄物の処理までを一つの窓口で完結できると、「あの件はどこの担当だっけ?」と責任が宙に浮くことがない。テナント工事では、これが地味に効きます。

よくあるご質問

Q. 工事期間はどのくらいですか?

A. 小さな店舗なら数日、規模が大きかったり設備が多いともっとかかります。読みづらいのは工事そのものより「承認や届出の待ち時間」なので、退去日から逆算して、できるだけ早めに動き出すのが安全です。

Q. 営業中のビルでも工事できますか?

A. できます。ほかのテナントや来館者に配慮して、工事時間・養生・搬出ルートを管理会社と調整したうえで進めます。夜間や休業日にまとめて、というやり方もよくあります。

Q. 内装の図面が手元にありません。

A. 問題ありません。図面がなくても、現地を見れば撤去範囲は判断できます。むしろ図面に載っていない“あとから足した配線”などもその場で拾えるので、追加費用が出にくくなります。

Q. どこまで戻せばいいか分かりません。

A. まず契約書と特約を確認して、管理会社・オーナーに返却条件を聞いてみてください。それでも曖昧なときは、現場を見たうえで「一般的にはここまで」というラインをこちらからご提案します。

Q. 原状回復をすれば、敷金(保証金)は戻ってきますか?

A. 契約どおりに原状回復ができていれば、預けた敷金から原状回復費用を差し引いた分が戻るのが基本です。ただし、仕上がりが条件を満たしていないと、やり直し分がさらに引かれることもあります。だからこそ、最後の引き渡し確認までしっかりやることが、結局いちばんの節約になります。

まとめ

原状回復でつまずく方は、たいてい「返却条件の確認」を後回しにしています。逆に言えば、そこさえ最初に押さえてしまえば、工事自体は驚くほどスムーズに進みます。

✅ この記事のポイント

  • まず契約書と特約を開く。原状回復の“正解”は物件ごとに違う
  • 多くの契約はスケルトン渡しが標準。居抜きは相手あってこそ
  • 天井裏の配管など、見えない部分も対象になり得る
  • 費用は現場しだい。残置物の片付けは自分で効かせられる
  • 安さより「内訳が見えるか」で業者を選ぶ

退去が決まったら、契約書を開くのと同時に、一度現場を見てもらってください。早く動くほど、選べる余地も費用の余地も広がります。

N.T

文責 | EDITOR

竹内 直樹 Naoki Takeuchi

株式会社上池解体興業(ボッコス)/ マーケティング担当

解体の現場で実際に起きていることを、なるべく専門用語をかみ砕いて、施主さんの目線でお伝えできるよう記事を書いています。「これって普通どうなの?」という素朴な疑問こそ、いちばん大事にしています。

最終更新日:2026年7月17日

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株式会社上池解体興業(ボッコス)は、東京都目黒区を拠点に一都三県(東京・神奈川・埼玉・千葉)対応。
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※ 本記事は一般的な原状回復・内装解体に関する情報をまとめたものです。原状回復の範囲は賃貸借契約や特約によって異なり、実際の費用や工事内容は建物の状態・立地・契約条件によって変わります。正確な金額は現地調査のうえでのお見積りでご確認ください。

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