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アスベスト事前調査の義務化とは?調査の流れ・費用はどちら負担かを解説


アスベスト事前調査とは?義務化の中身・調査の流れ・費用はどちら負担かを解説

「うちの建物、そんな古くないんですけど、アスベストの調査って本当にいるんですか?」——解体のお見積りに伺うと、ほぼ毎回この質問をいただきます。気持ちはよく分かります。工事の前に、聞き慣れない調査がひとつ増えるわけですから。

ただ、正直に申し上げると、ここは飛ばせません。数年前の法改正で、解体や改修の前にアスベスト(石綿)の有無を調べる「事前調査」が、建物の新しい・古いに関わらず義務になりました。しかも今は、資格を持った人間が調べないといけない決まりです。この記事では、私たちが現場で施主さんにお伝えしていることを、そのまま書いていきます。

この記事で分かること

  • アスベストの「事前調査」で何を、なぜ調べるのか
  • いつから義務? 誰が調べる?(法改正の中身)
  • 調査の流れ(書面 → 目視 → 分析)とレベル1〜3の違い
  • 調査費・除去費はどちら負担か、費用の目安と補助制度
  • 業者選びで本当に見るべきところ

アスベストの調査から解体まで、まとめて相談してみませんか?

「調査っているの?」という段階から、どんな小さなことでもお気軽にどうぞ。

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白い防護服とマスクを着けた調査員が古い住宅の壁や天井の建材を確認するアスベスト事前調査の様子

そもそも「事前調査」って、何をするの?

アスベストの事前調査とは、解体や改修の工事に入る前に、その建物の建材にアスベスト(石綿)が含まれているかを調べること。含まれていれば、飛び散らせない工法で、法令どおりに除去・処理する。含まれていなければ、「調べた結果、無かった」という記録を残す。——ざっくり言えば、これだけです。

アスベストは、かつて断熱材や壁材、屋根材、天井板など、本当にいろいろな建材に使われていました。安くて丈夫で燃えにくい、当時としては便利な素材だったんです。ところが、その細かい繊維を吸い込むと、何十年もかけて肺の病気を引き起こすことが分かってきました。厄介なのは、見た目では入っているかどうか、まず分からないこと。だから「調べる」という工程が要るわけです。

なぜ「壊す前に」調べないといけないのか

理由はシンプルで、壊してから「実は入っていました」では、もう手遅れだからです。アスベストは、重機でガッと壊した瞬間にいちばん飛び散ります。飛んでしまえば回収はできませんし、作業員も、近隣の方も吸い込むリスクにさらされる。だからこそ、まだ何も壊していない段階で調べておくことに意味があります。後戻りできない工事だからこそ、順番が命なんです。

「うちは新しいから大丈夫」は、通用しません

アスベストを含む建材は、2006年(平成18年)9月にほぼ全面的に使用禁止になりました。なので、ひとつの目安として2006年より前に建てられた建物は、含まれている可能性があると考えます。逆に言えば、それ以降の建物なら含有の心配は基本的に小さい。

ただ、ここで多くの方が勘違いされるのですが、「新しい建物なら調査そのものが要らない」わけではありません。含有していないことを確かめて記録に残すのも、立派な事前調査です。つまり、古かろうが新しかろうが、解体・改修に入る前には調べる、という枠組みなんですね。見た目で判断がつきにくい建材の見分け方は、アスベストの見分け方でも解説しています。

いつから義務? 誰が調べる?——義務化の中身

昔は、正直、口頭で「たぶん無いでしょう」と流れてしまっていた時代もありました。でも今はまったく違います。ここ数年で、法律のルールがはっきり厳しくなりました。押さえておきたいポイントを、時期ごとに整理します。

時期変わったこと
2006年9月〜アスベストを含む建材が原則使用禁止に。これより前の建物は要注意
2022年4月〜一定規模以上の解体・改修は、事前調査の結果を国へ報告することが義務に
2023年10月〜事前調査は「資格を持った人」が行うことが義務に

つまり今は、資格者が調べて、一定規模なら国に報告する——これが当たり前になっています。「知らなかった」で済まされないところまで来ている、と考えておくのが安全です。

「報告」が必要になる規模の目安

調査そのものはどんな工事でも必要ですが、その結果を国のシステムへ報告する義務は「一定規模以上」の工事にかかります。目安はこのあたりです。

  • 解体工事:対象となる床面積の合計が80㎡以上
  • 改修(リフォーム)工事:請負金額の合計が100万円(税込)以上
  • 一定の工作物(煙突・配管など)の工事も対象になることがある

一般的な戸建て住宅の解体なら、床面積80㎡(約24坪)はごく普通に超えてきます。つまり、住宅の解体はほぼ報告対象と思っておいて大きくは外れません。「小さいから関係ない」と決めつけず、規模の線引きは業者に確認してください。

「資格を持った人」って、どんな資格?

2023年10月からは、事前調査を「建築物石綿含有建材調査者」などの資格を持つ人が行うことになりました。要するに、誰でも「調べました」と言えばいい時代は終わった、ということです。ここは業者選びに直結する部分なので、後ほど詳しくお話しします。ちなみに私たちボッコスも、この調査者の資格を持つ人間が社内に複数在籍しています。

調査の流れ|書面 → 目視 → 分析

「調査」と聞くと大がかりに感じるかもしれませんが、実際は段階を踏んで進みます。ざっくりの流れはこうです。

ステップやること
① 書面調査設計図書や竣工年、過去の記録から、使われている建材を洗い出す
② 現地の目視調査資格者が現場で建材を一つずつ確認。書面と実物を突き合わせる
③ 分析調査(必要な場合)目視で判断がつかない建材は、試料を採って分析機関で調べる
④ 報告・掲示・記録結果を国へ報告し、現場に掲示。記録は一定期間保存する

ポイントは、いきなり全部を分析に出すわけではないこと。まず図面と現地で見て、「これは判断がつく」ものと「これは調べないと分からない」ものを仕分けます。工事全体の手順の中でどう位置づくかは、アスベスト解体の手順にまとめています。

分析が必要になるのは、どんなとき?

目視だけで白黒つけられない建材——たとえば見た目がよく似た成形板や、古い塗り材など——は、試料を少し採取して分析機関で調べます。この分析には日数も費用もかかるので、点数が多いほど負担は増えます。逆に、図面と目視で判断できるものが多ければ、そのぶん分析は少なく済みます。「どこまで分析が要るか」の見極めは、まさに資格者の腕の見せどころです。

💡 「分析せず、全部“含有あり”とみなす」という手もある

分析を省いて、あやしい建材を最初から「アスベストあり」として扱う進め方もあります。分析費は浮きますが、そのぶん除去や処理の手間・費用が乗るので、必ずしも安上がりとは限りません。どちらが得かは建物しだい。ここは現場を見て、正直にご提案します。

アスベストの「レベル1〜3」で、手間も費用も変わる

アスベストを含む建材は、飛び散りやすさ(飛散性)で3つのレベルに分けられます。ここが除去の大がかりさ、そして費用に一番効いてきます。

レベル主な建材飛散性と扱い
レベル1吹き付け材(鉄骨の耐火被覆など)最も飛散しやすい。隔離・負圧など厳重な養生が必要で費用も高め
レベル2保温材・断熱材・耐火被覆材など飛散しやすい。配管まわりなどに多く、丁寧な除去が要る
レベル3成形板(スレート・ケイカル板など)固められていて飛散しにくい。住宅で最もよく見る。比較的抑えやすい

一般の戸建てで多いのは、屋根や外壁、軒天などに使われたレベル3の成形板です。固まっているぶん飛散しにくく、割らないよう手ばらしで外していきます。一方、鉄骨造の建物などに使われたレベル1の吹き付け材が出てくると、話は一気に本格的になります。含有建材のある建物の解体費用の考え方は、アスベスト含有建物の解体費用で詳しく触れています。外壁の古い塗り材(仕上塗材)にアスベストが入っているケースは、アスベストを含む塗材・塗装の扱いもあわせてどうぞ。


解体前の戸建て住宅で屋根や外壁の成形板から試料を採取するアスベスト分析調査のイメージ

費用はどちら負担? 調査費・除去費の考え方

ここが、タイトルにもした一番のご関心どころだと思います。結論から言うと、調査費も除去費も、基本は発注者(施主)の負担です。法律でも、発注者は調査や除去に必要な費用に配慮するよう定められています。解体業者が勝手にかぶるものでも、行政が全額出してくれるものでもありません。

調査費・分析費の目安

書面と目視の調査は、多くの場合、解体工事の段取りの一環として進みます。費用がかさむかどうかは、その先の分析で分かれます。分析は試料1点あたりで費用がかかり、採取する点数が増えるほど積み上がる——というのが実感です。ただ、これは建物の造りや建材の種類でかなり変わるので、金額をここで言い切ることはしません。「何点くらい分析が要りそうか」も含めて、現地を見てからお出しするのが正直なやり方だと思っています。

除去費は「レベル」で大きく変わる

実際にアスベストが見つかった場合の除去費は、先ほどのレベルで桁が変わることもあります。レベル3の成形板なら比較的抑えやすい一方、レベル1の吹き付け材となると、隔離した空間を作って負圧をかけて…と、養生だけでも相当な手間になる。だから「アスベスト=一律いくら」という相場を鵜呑みにするのは危険です。ネットの単価はあくまで最初のざっくりした目安として、正確な金額は現地調査のうえでの見積りで確認してください。

⚠ 「調査ナシで激安」——その見積り、危ないです

まれに「調査は省いて、そのまま解体します」という業者がいます。これは法令違反ですし、アスベストをまき散らすリスクそのものです。他社より飛び抜けて安い見積りには、たいてい理由があります。安さの裏側については激安の解体業者が危険な理由もご覧ください。

補助金が使えることもあります

自治体によっては、アスベストの分析調査の費用や除去工事の費用に対して補助を出しているところがあります。金額や条件は自治体ごと・年度ごとにバラバラで、予算が尽きると締め切られることも多いので、早めの確認が肝心です。使えるものは使ったほうがいい。制度の全体像はアスベストの補助金制度に、空き家の解体で使える補助は空き家の解体で使える補助金にまとめています。

業者選びで、本当に見るべきところ

アスベストが絡む工事は、業者の力量がはっきり出ます。私たちがお客さんに「ここは確かめてください」とお伝えしているのが、次の点です。

見るところなぜ大事か
有資格者がいるか石綿の調査者・作業主任者が社内にいるか。外注頼みでないか
調査から解体まで一貫か窓口が分かれると「どこの責任?」が起きやすい
届出・記録をきちんとやるか報告・掲示・保存まで法令どおり回せる体制か
見積りが明快か調査費・分析費・除去費が項目別に分かれているか

とくに大きいのが、調査から解体まで一つの窓口で通せるかどうかです。調査は調査会社、解体は解体業者、と分かれていると、間で話が食い違ったり、責任の所在があいまいになりがち。除去したアスベストが最後まで適正に処理された証明を残すことも大切で、この「処理の証明」についてはマニフェストとはで解説しています。着工前の現地調査の丁寧さや、優良な解体業者の特徴もあわせて確認しておくと安心です。

私たち(ボッコス)の場合

株式会社上池解体興業(ボッコス)の体制

  • 石綿の有資格者が手厚い。石綿作業主任者5名、一般建築物石綿含有建材調査者4名、石綿取扱従事者2名が在籍しています。
  • 事前調査から解体まで、窓口はひとつ。調査会社と解体業者に分けず、一貫してお引き受けします。
  • 建設業許可を取得し、自社施工。重機も自社で持っているので、段取りに無理が出にくいです。
  • 年間約600件の施工。大手見積サイト「クラッソーネ」で東京エリア クチコミNo.1(2023・2024年度)をいただいています。

えらそうなことを言うつもりはありません。ただ、石綿の資格者が社内にそろっていて、調査から除去、廃棄物の処理まで一つの窓口で完結できると、施主さんが複数の会社の間で板挟みになることがない。アスベストが絡む工事では、この「窓口ひとつ」が地味に効いてきます。


解体業者の担当者が施主にアスベスト事前調査の結果と見積りを説明する打ち合わせの様子

よくあるご質問

Q. いつ建てた建物なら、調査は要らないですか?

A. 「これ以降なら調査自体が不要」という線はありません。2006年9月より前の建物は含有の可能性が高いので特に注意ですが、それ以降の建物でも「含まれていないことを確かめて記録に残す」事前調査は必要になります。まずは築年数と図面の有無を教えていただければ、どこまで調べる必要がありそうか見当がつきます。

Q. 調査だけをお願いすることはできますか?

A. 正直にお伝えすると、当社はアスベストの調査を解体工事とセットでお引き受けしています。調査だけを単体で承ることは基本的にしていません。そのぶん、調べたあとの除去・処理までひと続きで責任を持てる、とご理解いただければと思います。

Q. アスベストが見つかると、工期や費用はどのくらい変わりますか?

A. 見つかった建材のレベルと量しだいです。飛散しにくいレベル3の成形板が少しなら影響は限定的ですが、レベル1の吹き付け材が出ると、隔離養生などで工期も費用もぐっと増えます。だからこそ事前調査で全体像をつかんでおくと、あとから慌てずに済みます。

Q. リフォーム(改修)でも事前調査は必要ですか?

A. 必要です。解体だけでなく改修工事も対象で、請負金額が100万円(税込)以上になると結果の報告義務もかかってきます。壁や天井を一部はがすだけでも、その建材にアスベストが含まれていれば飛散の恐れがあるので、規模に関わらず「調べてから」が原則です。

Q. 少しくらいなら、黙って解体してもバレないのでは?

A. おすすめしません、というより、やってはいけません。事前調査と報告は法律上の義務で、掲示や記録も求められます。何より、飛び散ったアスベストは作業員にも近隣の方にも害が及びます。目先の費用を惜しんで、あとで健康被害や近隣トラブルを抱えるのは、割に合わないと私たちは考えています。

まとめ

アスベストの事前調査は、「面倒な決まりが増えた」と感じる方が多いところです。でも、順番を守って壊す前に調べておくことは、作業員も、近隣も、そして施主さん自身も守る一手間だと私たちは思っています。

✅ この記事のポイント

  • 事前調査は、建物の新旧を問わず「壊す前に」行うのが原則
  • 今は資格者が調べ、一定規模なら国に報告する義務がある
  • 流れは 書面 → 目視 → 分析(必要時)→ 報告・掲示・記録
  • 費用は基本、発注者(施主)負担。除去費はレベルで大きく変わる
  • 補助金が使えることもある。予算切れ前に早めの確認を
  • 業者は「有資格者がいる・調査から解体まで一貫」で選ぶ

「調査がいるのかどうか」の段階でも構いません。築年数と、できれば図面の有無だけ教えていただければ、どこまで調べる必要がありそうか、だいたいの見当をお伝えできます。大型やビルの解体をお考えなら、ビル解体の費用相場もあわせてご覧ください。

N.T

文責 | EDITOR

竹内 直樹 Naoki Takeuchi

株式会社上池解体興業(ボッコス)/ マーケティング担当

解体の現場で実際に起きていることを、なるべく専門用語をかみ砕いて、施主さんの目線でお伝えできるよう記事を書いています。「これって普通どうなの?」という素朴な疑問こそ、いちばん大事にしています。

最終更新日:2026年7月1日

アスベストの調査から解体・処理まで、まとめてご相談ください

株式会社上池解体興業(ボッコス)は、東京都目黒区を拠点に一都三県(東京・神奈川・埼玉・千葉)対応。
石綿の有資格者が、事前調査から除去・適正処理まで窓口ひとつでお引き受けします。

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※ 本記事は一般的なアスベスト(石綿)の事前調査に関する情報をまとめたものです。義務化の対象規模・報告方法・資格要件などの制度は法改正で変わる場合があり、補助金の有無や金額・条件は自治体や年度によって異なります。実際の調査・除去の要否や費用は、建物の構造・状態・立地によって変わりますので、正確な内容は現地調査のうえでのお見積り、および所管の自治体・専門機関でご確認ください。

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会社名:株式会社 上池解体興業(ボッコス/BOCCOS)

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