解体工事の契約書の印紙代はいくら?必要なケースや節税のコツを紹介
建設関連の契約書では、印紙代がかかるケースがあります。解体工事が初めての方のなかには「そもそも印紙代って何?」「どれくらい印紙代用の費用を用意すればよい?」などと、疑問がある方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、解体工事のプロである「株式会社上池解体興業」が解体工事の印紙代に関する以下の基礎知識をわかりやすく解説します!
- ・解体工事の契約書にかかる印紙代
- ・印紙代がかかる解体関連の書類一覧
- ・印紙の買い方
また印紙代の節税ポイントもご説明しますので、参考にしてみてくださいね。
そもそも契約書に必要な「印紙代」とは?
契約書のなかには課税文書と呼ばれる、納税が必要な文書が存在します。課税文書にかかる税金のことを「印紙代」といいます。
印紙代は、契約で発生する経済的利益や契約書の法的効力を担保するために課税している租税です。国内の税体系において印紙代は、所得税や消費税などの基幹税目を補完する役割を持ちます。
この章では、印紙代の負担先や購入方法を紹介します。
印紙代は契約者側も負担する
印紙税法では、当事者が共同で作成する書類は、契約書と同じ効力を持つ課税文書と扱うこととしています。解体契約書など一般的な契約書は、契約者の合意をもとに業者と共同で作成するため、業者も契約者側も印紙代を負担する必要があります。
印紙の購入方法
印紙代は契約者側も負担義務があるため、自分で準備する必要があります。収入印紙は200・400円程度の少額のものから、1,000〜5,000円の高額なものまでさまざまです。
200円の収入印紙は、ローソンやファミリーマートなどのコンビニで購入可能です。一方で1,000円以上の高額な収入印紙の場合は、コンビニで取り扱われていないため郵便局で購入する必要があります。
郵便局であればどのような金額の印紙でも扱っているため、二度手間になりたくないなら郵便局に行くことをおすすめします。ただし印紙代が200円で、郵便局に行く暇がない場合には、コンビニで用意すると良いでしょう。
解体工事の契約書には印紙代がかかる
解体工事の契約書は第2号の課税文書として扱われるため、一般的な契約書と同様に印紙代がかかります。
解体工事の契約書にかかる印紙代の相場は「200~1,000円程度」です。
ただし2023年時点で、軽減税率が適用されないケースがあります。
ここでは、解体工事関連の書類で収入印紙が必要な書類と印紙税額を紹介します。正しく納税するためにも、それぞれ確認しておきましょう。
解体工事で収入印紙が必要な書類
解体工事で収入印紙がかかる書類は、以下の通りです。
- ・工事請負契約書
- ・当事者の署名・押印がある契約書の写し
- ・注文書
- ・請書
- ・領収書
- ・建物滅失登記申請書
通常注文書や請書は契約書と同じ効力はないため、印紙代は不要です。ただし契約書原本と相違がないと証明がある場合には、契約書以外の書類でも契約書と同じ扱いになります。そのため注文書や請書でも、契約書として扱う場合には収入印紙が必要になるため注意しましょう。
また印紙税法では、「代理人が作成する課税文書であっても、委任者名のみを表示する文書については、当該委任者を作成者とする」とあります。そのため建物滅失登記申請を土地家屋調査士に依頼する場合には、別途印紙代がかかります。
【記載金額別】解体工事の契約書の印紙税
解体契約書の印紙代は、契約書に掲載される金額によって決まります。以下の表にて、解体契約書の記載金額別にそれぞれの通常税率と軽減税率をまとめました。
記載金額 | 通常税率 | 軽減税率 |
1万円未満 | 非課税 | |
100万円以下 | 200円 | |
100万超~200万円以下 | 400円 | 200円 |
200万超~300万円以下 | 1千円 | 500円 |
300万円超~500万円以下 | 2千円 | 1千円 |
500万円超~1,000万円以下 | 1万円 | 5千円 |
1,000万円超~5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5,000万円超~1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
参照:建設工事請負契約書の印紙税の軽減措置/国税庁
解体契約書では100万〜50億円を超える工事において、軽減税率が適用されます。そのため解体契約書は、通常の契約書に必要な税率の半分の負担で済みます。
一般的な木造家屋の解体工事費用は150万円程度で、鉄筋コンクリート造・鉄骨造の一戸建ての場合は300万円程度が相場なため、解体工事の契約書にかかる印紙代の相場は「200~1,000円程度」です。そのため自宅や空き家になった実家の解体工事を行う際には、印紙代として1,000円程度を用意しておくと良いでしょう。
また庭石・庭木や物置、カーポートなどを撤去する「プチ解体」と呼ばれる工事に費用は、20〜50万円程度で済むケースが一般的なため、軽減税率が適用されず通常と同じく200円の印紙代がかかります。そのためカーポートなどの付帯物のみを撤去する場合には、「200円」分の印紙を事前に準備しておくとスムーズです。
解体工事の契約書における印紙代の注意点6つ
ここでは、解体工事の契約書における印紙代の注意点を6つ解説します。解体工事の費用関連におけるトラブルを避けるためにも、それぞれチェックしておきましょう。
1.収入印紙を貼らないと過怠税がかかる
収入印紙が必要な書類にもかかわらず貼らなかった場合には、印紙税を未納していることになります。印紙税が未納状態とみなされた場合には、納付しなかった印紙税の額に加えて、その2倍に相当する金額と合計額に相当する過怠税が徴収されます。
印紙代を支払いたくないからといって誤魔化してしまうと、むしろ損をしてしまうことになります。そのため想定外の出費で後悔しないためにも、施主側も印紙代関連の情報はチェックしておくようにしましょう。
2.印紙には消印をする
印紙を貼ったあとは、切手と同じように消印が必要です。印紙の消印として有効なのは、「文書の作成者又は代理人、使用人その他の従業者の印章又は署名」です。
消印がないものは印紙を貼付していたとしても、無効とみなされ、印紙税の未納と同じ扱いになるため注意しましょう。
3.見積書に印紙代はかからない
印紙税法にて「契約の申込事実を記載した申込書・注文書・依頼書などは、通常、課税対象にはなりません。」とあるため、解体工事の見積書には基本的に印紙代はかかりません。ただし以下の条件のケースでは、見積書であっても契約書と同じ効力を持つため印紙代が必要です。
- ・施主側の申し込みにより自動的に契約が成立する場合の見積書
- ・施主と業者間で作成した契約書に基づいている旨が記載されている見積書
印紙代のトラブルを避けるためにも、上記の内容が記載されているかどうか見積書をしっかりとチェックするようにしましょう。もし契約書の効力がない見積書にもかかわらず印紙代を請求された場合には、悪質な業者の可能性があるため速やかに消費者センターへ相談してくださいね。
4.印紙代の軽減税率適用期間には期限がある
解体工事関連の書類に対する印紙代の軽減税率は、2022年3月31日までが適用期間でしたが、同年4月の税制改正により適用期限が「2年間」延長されました。
そのため2023年時点では2024年3月31日まで、現在の軽減税率が適用されます。印紙代の軽減税率は期間限定であるため、解体する際には期間や金額の変更がなかったか、国土交通省や国税庁のホームページを事前に確認するようにしましょう。
5.軽減税率が適用されない解体工事の契約書がある
解体工事の契約書のなかでも、軽減税率が適用されないものもあります。具体的には、以下の契約書が適用対象外です。
- ・解体契約書に記載される契約金額が100万円以下のもの
- ・解体工事と一緒に第3号以外の契約もする場合
解体工事の軽減税率は、100万円を超える場合からであるため、1万円以上100万円以下の税率は通常と同じで200円です。
また、解体契約書が含まれる第2号文書以外の契約も行う場合にも、「所属の決定」により税率の高い方に換算されるため、解体契約書の軽減税率が適用されず損してしまう可能性もあります。
例えば、注文住宅を建てる際に、第1号文書である「不動産売買」の契約金額の200万円と、解体工事の50万円が同契約書に記載されている場合には、不動産売買契約書の軽減税率が適用されます。契約金額が合計で250万円の場合には、第2号文書の軽減税率では500円ですが、第1号では1,000円と2倍も多く納税しなければなりません。
このように、第3号文書以外の契約もする場合には解体工事用の軽減税率が適用されないケースもあるため、複数の契約を一緒に行う際には注意しましょう。
6.印紙税が不要になるケースがある
印紙代は、すべての契約書にかかるものではありません。以下のケースでは印紙税が不要になります。
- ・契約金額が1万円未満
- ・基本契約書を結んだ場合の注文書・請書
- ・東日本大震災や新型コロナウイルスの影響を受けている事業者との契約書
契約書としての効力を持たない書類に対してだけではなく、事業者の経営状況によっても印紙税が不要になるケースがあります。これらの不要になるケースで間違って印紙を貼ってしまうと、還付手続きが必要になるため二度手間にならないように注意しましょう。
【解体工事の契約前にチェック】印紙代の節税ポイント4つ
ここでは、印紙代の節税ポイントを紹介します。少しでも解体工事にかかる費用を節約したい方は、それぞれチェックしてみてくださいね。
関連記事:家の解体費用を安くする方法6つ!解体のプロが節約テクニックを紹介
1.税別で表記する
1つ目の節税ポイントは「税別で表記する」ことです。
税込で表記すると、消費税分の印紙代がかかることになるため、損をするケースがあるからです。
例えば、税抜きで190万円の解体工事の場合に、税別表記で記載すれば200円で済みますが、税込表示にすると209万円になるため、印紙代が500円になり税負担が増えてしまいます。そのため契約書の金額は税別表記にすることで二重課税を防ぎ、節税すると良いでしょう。
2.電子契約にする
2つ目の節税ポイントは「電子契約にする」ことです。
印紙税は、課税文書を作成した時点で納税義務が発生するとされています。この「作成」が意味するのは、「課税文書となるべき用紙に課税事項を記載」する行為のことです。そのため電子上の契約書は紙ではないため、印紙代の課税対象にはならないと考えることができます。
電子契約にすることで本来かかる印紙代が不要になるため、解体工事の契約金額が大きい場合には特に大きな節約につながります。
ただし今後、納税の平等の観点から電子契約に対しても課税対象となる可能性もあります。そのため自分が解体する際には、国税庁ホームページをチェックするか、もしくは業者に確認すると良いでしょう。
3.仮契約書は本契約書にまとめる
3つ目の節税ポイントは「仮契約書を本契約書にまとめる」ことです。
見積書を仮契約書として扱う場合には、本契約書にて仮契約書に記載されている契約金額を引用することで節税につながります。印紙税は文書を作成する度に課税される税金のため、仮契約書と本契約書が別で発行される場合には、それぞれに印紙代がかかるからです。
例えば、同じ150万円の解体工事に対して契約書と仮契約書を作成した場合には、200円ずつかかるため400円負担することになります。一方で仮契約書の契約金額を契約書へ引用すれば、200円のみで済むため負担を減らすことができます。
同じ解体工事に対して複数の契約書を提示された場合には、業者に1つの契約書にまとめてもらうようにしましょう。
4.収入印紙を間違えた場合には速やかに返還手続きをする
4つ目の節税ポイントは「収入印紙を間違えた場合には速やかに返還手続きをする」ことです。
軽減税率を間違って理解していたために、必要金額以上の印紙税を張ってしまった場合には、税務署に持っていくことで過剰分を「過誤納金」として還付してもらえます。損をしないためにも、印紙税額を間違えた場合には税務署に持っていくようにしましょう。
解体契約書の印紙代の疑問は解体業者に相談
解体工事の契約書の印紙代は、解体業者に相談しましょう。
もちろん、不動産会社やハウスメーカー、工務店などの他業者にも印紙代について相談することは可能です。とはいえ印紙代は複雑なため、解体が専門ではない業者は、印紙税の節税ポイントを把握しておらず、大きく損をしてしまうケースも。また新築建て替えの際に工務店などに依頼する場合には、下請けの解体業者とコミュニケーションを取ることが難しいため、印紙代の悩みを相談できないデメリットがあります。
一方で解体業者は解体工事関連の書類に関して熟知しているため、印紙代の注意点も節税ポイントもしっかりと押さえてもらえます。そのため印紙代関連で損をしたくない場合には、解体のプロである「解体業者」に直接委託をすると良いでしょう。
関連記事:家の解体業者の損しない選び方!トラブルを避ける方法も解説
まとめ
解体工事の契約書には、印紙代と呼ばれる税金がかかります。法律上、印紙税は契約者側の負担も義務付けられているため、解体契約書にかかる印紙税も施主が負担する必要があります。ただし解体契約書に必要な印紙代は、軽減税率が適用されるため一般的な契約書にかかる印紙代よりも安く済みます。
また印紙代関連のトラブルに巻き込まれないためには、専門ではない業者ではなく、解体に関する豊富な知識と経験を有する「解体業者」への直接依頼がおすすめです。
東京都目黒区の株式会社上池解体興業(BOCCOS/ボッコス)では、解体工事をフルサポートしております。東京都内を中心に関東地域において「空き家物件・木造家屋・マンション・ビル・店舗内装」などの解体工事を承っており、難しい解体工事の施工の実績も豊富です。また当社では丁寧なサービス対応や近所間のトラブル対策を心がけておりますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。お見積もりは無料ですので、当社Webサイト上の「電話やメール」からお気軽にお問い合わせください。
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