【画像あり】アスベストを見分ける7つの方法と注意点を深掘り解説
アスベストは適切に取り扱わなければ、人体に重大な健康被害を及ぼす可能性があります。2006年にアスベストは全面禁止となり、原則として2006年以降に製造された建材や建物にはアスベストが使用されていません。しかし、現在もアスベストを含む製品や建物は多く残っているのが現実です。法的にも、解体工事などにおいて事前にアスベスト含有の有無を調査することが義務付けられています。
本記事では、アスベストを見分ける7通りの方法を、解体工事のプロフェッショナルである「株式会社上池解体興業(ボッコス/BOCCOS)」が、初めての方でも理解しやすいよう責任を持ってご説明します。解体やリフォームを検討している建物にアスベストが使われているのではないかと不安になっている方は、本記事を参考にまずアスベスト含有の可能性があるのかないのかを調べてみてはいかがでしょうか。
※アスベストの取り扱いには十分な注意が必要となります。本記事ではアスベストの見分け方を紹介していますが、アスベスト含有の可能性が判明した時点で専門家に調査を依頼するのがおすすめです。
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なぜアスベストを見分ける必要があるのか?
アスベストとは、石綿(せきめん・いしわた)とも呼ばれる天然鉱物繊維の総称です。耐熱性、耐摩耗性、絶縁性に優れており、建築資材として断熱性や耐久性を高める目的で、主に高度経済成長期に天井材や壁材として盛んに使用されていました。
人体への被害
さまざまな優れた性質を兼ね備えていることから「奇跡の鉱物」とも呼ばれたアスベストですが、空気中に飛散したアスベストを大量に吸い込むことで、重大な健康被害が生じることが次第に明らかになりました。日本では1975年にアスベストに対する規制が本格的に始まりました。規制は段階的に強化され、2006年にはアスベストの全面禁止(製造、輸入、譲渡、提供、使用の禁止)が実施されたのです。
参考:厚生労働省「アスベスト全面禁止」
なお、建築物に使用されているアスベストそのものが直ちに危険というわけではありません。アスベストの危険性は、切断や吹き付け、除去作業において飛散したアスベストを吸い込むことで甚大な健康被害を及ぼす点にあります。アスベストは丈夫で変化しづらく、肺に残留しやすいため、潜伏期間(15年〜40年)を経た後、肺がんや中皮腫などの病を引き起こす可能性があるのです。
解体時に適正な処理が必要
アスベストが含まれた建物の解体工事は、法律で定められた手順に従って実施されます。アスベストは取り扱いを間違えてしまうと、周囲に甚大な健康被害を及ぼす可能性があることから、事前調査から除去、処分、報告に至るまで法律でルールが厳しく定められています。なお、2022年4月1日より、一定規模以上の解体工事を行う際にアスベスト調査が義務付けられました。比較的小規模な工事(次の条件を満たすような場合)ならば調査報告は不要とされていますが、規模が小さいからといってアスベストのリスクがないわけではありません。
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工事の規模に関わらず、アスベストが含まれている製品・建物なのかを見分けておくことは重要といえるでしょう。
アスベストを見分ける7つの方法
アスベストは、建物や工場、学校などのあらゆる場所に使用されていたため、今でも私たちの周りにアスベストが残されています。もし、アスベストが含まれている建物や製品を放置すると、粉塵が発生して健康被害の原因となる恐れがあります。そこで、「アスベストが含まれているか簡単に知る方法はないの?」という疑問にお答えすべく、本章ではアスベストを見分けるための7つの方法を紹介します。
※アスベストの取り扱いには十分な注意が必要となります。本章ではアスベストの見分け方を紹介していますが、アスベスト含有の可能性が判明した時点で専門家に調査を依頼するのがおすすめです。
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①見た目の特徴から判断する
アスベストは繊維状の天然鉱物のため、見た目が特徴的です。アスベストを含む建材や製品は、以下の特徴を示すことがあります。
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ただし、これらの特徴はあくまでも目安であり、必ずしもアスベストが含まれているとは限りません。また、アスベストの含有量によっては上記の特徴がみられないこともよくあるため、見た目だけでの判断は難しいといえるでしょう。
②指でこする
アスベストを含む建材や製品は、指でこすると繊維状の物質が出てくることがあります。繊維状の物質が出てきたら、アスベストの可能性が高いと考えられます。一方、アスベストと見た目や使用箇所がよく似た素材であるロックウールは、指でこすると繊維状ではなく粉状になるのが特徴です。
なおこの方法は、アスベスト以外の繊維状の物質でも繊維状の物質が出てくることがあるため、あくまでも参考程度に留めておきましょう。また、少量であってもアスベストが空気中に飛散する可能性があるため、取り扱い時には保護具を着用するなど適切な対策をとりましょう。
※人体に重大な健康被害を及ぼすアスベストの取り扱いは、専門家に任せるのがもっとも安心安全です。
③酢をかける
吹付け材がアスベストなのかロックウールなのか判断に迷う場合は、吹付け材の一部にお酢(酢酸)をかけてみると判別ができることもあります。ロックウールは酸に弱く、お酢をかけると溶けてなくなります。一方、アスベストは酸に強いため、お酢をかけても溶けてなくなることはありません。
ただしアスベスト含有量が低いような場合、見た目上は溶けてなくなったように見えても、目に見えない量が残っていることもあるため、完璧な判断ができるとはいえないでしょう。
④針で刺す
アスベストの特徴として柔らかさが挙げられます。たとえば、吹付け材に針を刺したときに容易に数センチメートル貫入するのであれば、アスベストが使用されている可能性があります。ただし、ロックウールも同様の特徴を持っているため、針が容易に貫入したからといってアスベストだと断定できるわけではない点に留意しましょう。
⑤アスベストマークを探す
アスベストを含む建材や製品には、アスベストの使用を示すマークが付いていることがあります。
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上記の通り、アスベストマークの表示は期間が限定されており、また表示がある箇所を見つけるのが困難な場合もあります。
⑥製造年や築年数を調べる
アスベストは2006年に全面禁止が実施されたため、2006年以降に建てられたり作られたりした建物や製品には原則としてアスベストは含まれません。逆にいえば、2006年まで製造されていたもののなかには含有量の差こそあれど、アスベストが含まれている可能性があります。
とくに本格的なアスベスト規制が開始された1975年以前の建物や製品については、大量のアスベストが使用されている可能性もあるため、注意が必要です。次表は年代ごとのアスベスト規制について、基準量に着目してまとめたものです。
1975年(昭和50年) | 5重量%を超える石綿の吹き付けを原則禁止 |
1995年(平成7年) | 1重量%を超える石綿の吹き付けを原則禁止 |
2004年(平成16年) | 1重量%を超える石綿含有建材など10品目の製造や輸入などの禁止 |
2006年(平成18年) | 0.1重量%を超える石綿含有製品の使用を禁止※猶予措置あり |
2012年(平成24年) | 猶予措置の終了→全面禁止を達成 |
⑦製品名や製造番号を見つけ製造元に問い合わせる
天井材や床材には基本的に製品名や製造番号が記されています。これを見つけられれば、製造元にアスベスト含有の有無を問い合わせることが可能です。アスベストが含まれているかどうか費用をかけずに調べる方法としては、もっとも確実なものだといえるでしょう。
専門知識なしでアスベストを完璧に見分けるのは困難
前章でアスベストを見分ける7つの方法を紹介しました。しかし、使用箇所などが酷似するロックウールとの見分けが困難であったり、含有量によってはアスベストの特徴が表に出なかったりするため、一般の方がアスベストを完璧に見分けるのは難しいでしょう。
アスベスト含有の可能性が判明した時点で専門家に調査を依頼すべし
アスベストは取り扱い時に危険を伴うため、最終的には専門家に調査を依頼すべきです。簡易的な見分け方でアスベストが含まれている可能性があると判明したのであれば、解体会社などに調査を依頼するようにしましょう。より詳細な調査を行うことで、その後の対処方法などについて有益なアドバイスをもらえます。
なお、2022年4月1日より、一定規模以上の解体工事を行う際にアスベスト調査が義務付けられました。また、2023年10月1日からはアスベスト調査に関する新たな規則が施行され、アスベスト調査を行う者の資格が厳格化されています。
関連記事:解体工事のアスベスト調査義務化はいつ?費用や罰則をプロが解説
アスベストを含む可能性がある建物の解体についてお悩みなら、東京都目黒区の株式会社上池解体興業(ボッコス/BOCCOS)までぜひご相談ください。当社では丁寧なヒアリングを心がけておりますので、法人・個人問わず初めての方にも安心してご利用いただけます。お見積もりは完全無料ですので、当社Webサイトに掲載の「電話・メール・LINE」からお気軽にお問い合わせください。
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アスベスト解体時の注意点
アスベストは取り扱いを間違えると周囲に甚大な健康被害を及ぼす可能性があるため、解体・除去工事には厳しいルールが定められています。アスベスト除去工事の方法は、主に次の3つに分けられます。
除去 | アスベストを含む建材をすべて取り除く方法 最も安全な方法だが、費用も最も高い |
囲い込み | アスベストを含む建材を外部からの飛散を防止する方法 除去よりも費用は抑えられるが、アスベストの飛散リスクは残る |
封じ込め | アスベストを含む建材を原位置に残し、表面をコーティングする方法 最も費用が安くなるが、アスベストの飛散リスクは除去や囲い込みよりも高い |
「囲い込み」と「封じ込め」の手法は、建物を壊さない増改築などの場合で、損傷や劣化が少ないなど一定の条件を満たす場合にのみ可能です。なお、建物自体を解体する場合はアスベストも含めてすべて除去しなければなりません。
さらに、アスベストは発じん性と呼ばれる粉塵の発生率によって3つの危険レベルに分類され、そのレベルによっても解体手順が異なります。アスベスト解体の手順については次の記事で詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。
関連記事:アスベスト解体工事の手順は?危険レベル別の除去方法や注意点も解説
アスベスト解体の費用
アスベストの含まれた建物の解体工事の費用は、通常の解体工事費用よりも高額になります。次の表は、国土交通省のホームページで公開されているアスベスト除去費用の目安です。
※2007年1月から12月までの施工実績データより算出されたものであり、また実際の費用についてはその建築物の個別条件に大きく左右されるため、あくまで参考費用とお考えください。
アスベスト処理面積 | アスベスト処理費用 |
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300㎡以下 | 2.0万円/㎡〜8.5万円/㎡ |
300㎡〜1,000㎡ | 1.5万円/㎡〜4.5万円/㎡ |
1,000㎡以上 | 1.0万円/㎡〜3.0万円/㎡ |
本表の通り、アスベスト処理面積が小さな場合は数十万円程度の費用で済みます。しかし、天井材や壁材の断熱のために吹き付けとして広くアスベストが使われていた場合は、アスベスト除去に数百万円、場合によっては数千万円かかるかもしれません。
関連記事:アスベストの解体費用相場は?場所別の目安や安くするコツも紹介
なお、アスベスト解体工事には、各自治体が補助金制度を用意していることもあります。次の記事ではアスベスト解体工事の補助金制度について、申請窓口や支給要件などを詳しく解説しています。アスベスト解体工事の費用についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:アスベスト解体工事の補助金まとめ | 申請窓口や支給要件も解説
まとめ
本記事では、比較的簡単に行えるアスベストの見分け方を7つ紹介しました。
繰り返しになりますが、アスベストの取り扱いには十分な注意が必要です。これらの見分け方を利用した結果、アスベストが含まれているかもしれないと判明した場合は、速やかに専門家に調査を依頼することをおすすめします。
東京都目黒区の株式会社上池解体興業(ボッコス/BOCCOS)では、建物の解体工事を徹底サポートしております。東京都内を中心に関東地域において「空き家・木造住宅・ビル・店舗内装」の解体工事を承っており、豊富な実績があります。本記事で取り扱ったアスベストについても不明点があればぜひご相談ください。当社では丁寧なヒアリングを心がけておりますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。お見積もりは完全無料ですので、当社Webサイトに掲載の「電話・メール・LINE」からお気軽にお問い合わせください。
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